第281話 スクールカースト
「あぁーー!あたい!今日ほどアカデミーに来て、良かったと思ったことはないわ!楽しい1日だったぁーー!」
「おれもだよ。プリムラ」
白金夫妻たちと喫茶店で過ごした帰り道、有頂天とも言える幸福な気分に包まれて、プリムラとシスルは談笑していた。
「今さらだけど、一緒にここに来てくれて、ありがとね!シスル!」
「礼を言わなきゃいけないのは、おれの方だよ。プリムラのお陰で、おれはアカデミーに来れてるんだからな」
「ああ!それにしても夢みたい!あたいのような人間が、王女様やプラチナ商会の代表と親しくなれて、しかもしかも!あんなカッコいいダチュラさんと知り合えるなんて!キャーーッ!思い出しただけでもイケメン過ぎるわよ!あの人!」
「ラクティフローラさんも超絶かわいかったけど、シャクヤさんなんて、そっくりな顔して、おれたちと同い年なんだぜ。あの顔で、おれのこと、”シスル様”なんて言ってくれるんだ。ヤバいよ。あんなん絶対、好きになるよ」
両者とも、それぞれにイケメン(本当は男装女子なのだが)と美少女との出会いにウットリしており、思い出すだけで顔がデレデレだ。
「それにしても……あの錚々たる顔ぶれを束ねてるレンって何者なんだろうな……あんな平民がいるなんて、奇跡としか思えない」
「だよね。奥さんのユリカさんもめちゃくちゃかわいかったし、謎すぎるね。あの人」
などと、白金蓮のことを不思議に思いつつも、喜びに満ちた二人の表情は笑顔のままだ。
「なぁ、そこのお二人さん。ちょっと待てよ」
ところが、その幸福絶頂の彼らを、日が沈みかけている薄暗がりの中、呼び止める者たちがいた。
「「…………え?」」
農村生まれの本能として、これが身分的に危険な状況であると察したシスルとプリムラは、血の気が引きながら振り向いた。
そこには、先刻、王女からの誘いを無下に断って、白金蓮たちとの会食を拒んだ、5人の貴族学生がいた。全員が、傲岸不遜な態度で、二人を見下すように睨みつけている。
「なんだよ……君たちは……」
それでも何とか怯むまいと必死に震える体を押さえつけながら、シスルは彼らに問いかけた。
ところが、その瞬間だった。
ドグッ!!
「がはっ……!」
貴族家の男子学生の一人が、急に接近し、飛びかかるようにシスルの腹部に膝蹴りを食らわせたのだ。彼は、いつも代表格のように真っ先に白金蓮に声を掛ける人物。『バジル』だ。
「きゃあ!!!シスル!!」
驚愕したプリムラが沈痛な悲鳴を上げる。みぞおちをやられたシスルは、一瞬、呼吸ができなくなり、地面に膝をついた。
「誰に向かってモノを言ってんだ」
「お前ら、自分の身分をわきまえたらどうだ」
「あの方々はね、アンタたちみたいな、みすぼらしいのがお相手できるような存在じゃないのよ」
「そうよ!虫の分際で!」
「一緒にいたら、オレたちに虫が、うつるだろうが!気色悪い!!」
膝蹴りをしたバジルを皮切りに、貴族階級の男女が一斉にシスルに向かって罵倒する。
その次には、バジルにいつもくっつくように従っている貴族令嬢『マーガレット』が、甘ったるい声を出しながら彼の腕に手を掛けた。
「ねぇ、バジルぅーー、こんなばっちい虫を触らないでぇーー。アナタのお洋服が穢れちゃうわーー」
「ああ、そうだったね。ごめんごめん。ボクのマーガレット」
この二人は、実家によって定められた許婚であるが、互いに気も合うため、アカデミーにおいても仲睦まじく共に過ごしている恋人同士の間柄である。
そうしてバジルは引き下がったが、まだ他の学生たちの気は済んでいない。
次に前に出てきた男子。『ペンタス』という学生は、なんと腰に差していた剣を抜き、腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべるシスルの額に切っ先を向けた。彼は剣術部員であった。
「次に身の程知らずのことをしてみろ。この剣の錆にしてくれるぞ」
「おお。こわっ。最近の剣術部は荒れてるね!」
「うるさい!」
別の男子学生、いつもキザな言動をする『エボニー』が、おどけて揶揄するのを、ペンタスは不機嫌そうに叫んで止めた。イライラするペンタスの剣先は、ブルブル震えており、今にもシスルの顔を斬ってしまいそうに思われた。
その様子を見たプリムラは、顔面蒼白になり、激しく狼狽して、シスルの横にしゃがみ込んだ。
「ご!ごめんなさい!!あたいたちが悪かったんです!申し訳ありませんです!ハイ!調子に乗ってました!どうか、お慈悲を!お慈悲をください!」
懇願する彼女の姿勢は、もはや土下座であった。実のところ、膝蹴りを食らった痛みに耐えかね、キレる寸前だったシスルは、それを見て愕然とし、頭を冷やした。
「プ、プリムラ……」
「おねげぇします!何でも言うことを聞きます!だから、どうか!シスルの命だけは勘弁してつかぁさい!」
ボロボロと涙を流しながら許しを請うプリムラは、絶望に満ちた表情で体をガクガクと震わせている。
彼女は素に戻ると地元の口調が出てしまうのだが、それを聞いたマーガレットがクスクスと笑った。
「やあねぇーー。どこの訛りかしら」
「田舎もんが、一丁前にボクたちと同じことをしようとしたって、化けの皮が剥がれれば、こんなもんだ」
代表格のバジルがニヤニヤしながら相槌を打つと、剣術部員のペンタスがシスルを促した。
「ほれ、連れの女が、こうやって頭下げてるんだ。お前はどうなんだ」
剣を眼前に向けられ、しかも幼馴染のプリムラが真横で地面に頭を擦りつけながら謝罪しているのだ。シスルは血液が沸騰しそうな程の悔しさを噛みしめ、一緒に土下座をするように頭を下げた。
「す、すみませんでした。おれたちが、うぬぼれてました……」
それを満足そうに見下ろしたペンタスは、剣を引きながら卑屈な笑みを浮かべた。
「わかれば、よろしい」
ところが、その言葉で安心した瞬間、シスルは脇腹を蹴られた。
ドゴッ!!!
「ガフッ!!」
ペンタスに蹴り飛ばされたのだった。
「……まぁ、今日のところは、これで勘弁しといてやるよ」
そう言って彼が引き下がると、ひととおり気が済んだ5人の貴族学生たちは、順に後ろに振り返って帰宅しようとする。土下座したままのプリムラに視線を向けつつ。
「こいつ、何でもするって言ってたけど、こんな土臭い女に媚び売られたって、誰が買い取るもんか。逆に金払ってほしいくらいだ」
「虫なら、仲良く虫同士でツガイになってなさいよ。フフン」
グシャッ!
最後に歪んだ笑みで言い放った貴族令嬢『ジャスミン』は、わざわざ地面に転がったプリムラの帽子を踏みつけてから去って行った。
彼らの姿が完全に見えなくなるまで、シスルとプリムラは地に這いつくばったままだった。そして、顔を上げたシスルは、これまで我慢し続けてきた感情を、滂沱の涙と共に吐き出した。
「ごめん……プリムラ……ごめん。ごめん。ごめん!」
「シスル……」
「おれが間違ってた!おれたちは、ただの農民なんだ!王女様なんかに近づいちゃいけなかったんだ!”聖賢者”なんて呼ばれてる特別なヤツと話しちゃいけなかったんだ!雲の上の存在に!手を伸ばしちゃいけなかったんだ!」
「ううん……あたいが、あんなお店に入りたいなんて言ったからいけないの。ごめんね……ごめんね!」
二人は夜の帳が下りた街中で、声が枯れるまで嗚咽し、涙が尽きるまで慟哭した。
――彼らがそのような非道な仕打ちを受けていたことなど、僕、白金蓮の一行は知る由もなかった。ただ、アカデミーでの生活に慣れ、友人が出来たことを楽しく振り返りながら夕食を取り、風呂に入って寝ただけである。
僕たちは、とても気分の良い一夜を過ごしていた。
その翌朝、教室棟に向かう途中で、僕たち一行はシスルとプリムラを見つけた。
「やぁ!おはよう!」
僕自身としても珍しい気がするが、率先して手を挙げ、こちらから明るく声を掛けた。
ところが、彼らの表情は暗く、僕たち一行と目を合わないように伏せながら、足早に去って行った。
それを見て、僕は単純に嫌われたのかと思った。
「……なんだ?僕たち、何かしたかな?」
このように友人から急に素っ気ない態度を取られた時、良心的な人間であればあるほど、自身に非があったのではないかと振り返るものだ。それ以外の第三者の介入に原因があるとは、なかなか思い至らないものである。
「強引に誘ったの、やっぱり根に持たれたのかな……」
嫁さんもまた、自身の行いに問題があったと考え、一人で反省している。他の女性陣も似たような感想を抱いた。
午前中に受講するのは、いつものとおり大神官エニシダの講義である。
シスルとプリムラは、昨日までと同じように最前列の席についている。思えば、プリムラがよく走っていたのは、彼女たちが特等席としている壇上の真ん前の席を他の誰かに取られないよう急いでいたのかもしれない。実に勉強熱心な二人だ。
少し寂しい気もするが、嫌われてしまった以上、僕たちは温かい目で見守る以外にないだろう。
ここで、当初の目的を振り返ると、そもそも僕たちがエニシダの講義を受けるのは、『勇者召喚の儀』に関わりがありそうな人物である彼と接触する機会を設けたいがためだ。
これについては、事前に王女が進言してくれていた。
「お兄様、エニシダという教授は、好色な人物ということで有名なのですよね?であれば、講義終了後にピアニーと一緒に接触してみます。わたくしたちなら、きっと話を聞いてくれるでしょうから」
「ごめんね。ラクティちゃん。牡丹がいなければ、私も行くんだけど」
「男の僕では、取り付く島もない。とんでもないエロ親父だ。何かされそうになったら、ぶっとばしてでも戻ってくるんだよ」
「うふふ。王女たるわたくしに手を出すほど愚かな人物なら、とっくに干されていると思いますが」
ラクティフローラは穏やかに笑っていた。
そして、講義は淡々と行われ、終了した。
早速、ラクティフローラとシャクヤが動き出そうとするのだが、僕たち一行は大変な人気者である。あっという間に学友たちに囲まれた。
「やぁやぁ!シロガネくんと奥方!そして王女殿下!ごきげんよう!」
なぜこうも自信満々に僕たちに声を掛けられるのか不思議だが、上機嫌な様子で話し掛けてくるのは、昨日も出会った5人の貴族学生たちだ。
「あぁ……バジルくん、だったね」
いつも先頭にいる彼に僕は返事をする。
その後ろにいるのは、ペンタス、エボニーという貴族家の男子学生と、マーガレット、ジャスミンという貴族令嬢の学生だ。
彼らが盛んに話し掛けてくるため、ラクティフローラとシャクヤは出て行く機を逸してしまった。既に大神官エニシダは、講義室を退出している。
苦笑した表情を僕に向ける王女に、僕も困惑した顔でアイコンタクトし、この日は諦めるしかない、という結論に至った。
ふと人混みの向こう側に、そそくさと講義室を出て行こうとするシスルとプリムラを見つけた。僕はもう一度、彼らを大声で呼んだ。
「あっ!おーーい!シスル!プリムラ!」
しかしながら、やはり彼らは見向きもせずに扉の向こうに行ってしまった。
「はっはっは!あんな土臭い連中は放っておいて、ボクらと一緒に食事でも行こうじゃないか!この街のおいしい店を紹介するよ!」
「………………」
ご機嫌のバジルを見て、何やら僕は妙な違和感を覚えた。だが、それが何なのかを理解するには、まだ情報が足りなかった。
こういう時、嫁さんの直感を頼りにしたいと思ったが、彼女の表情を確認すると、やはり微妙な顔をしている。それでも、彼らを怪しむことまではしていないようだった。
僕も嫁さんもまだこの時は知らなかったのだ。『敵意』を微塵も持たない『敵』が、この世には存在することを。
こちらには好意を寄せ、善意で近づき、誠意で応えてくれても、その裏側では、僕たちの大切な友人を排斥しようとする矮小な卑劣漢。
このような存在は、自分たちが迫害される側ではなく、賛美される側に立ってみて、初めて現れる姿の見えにくい敵である。
真の友情を蝕み、破壊する偽りのイエスマン。
このような輩を自分の取り巻きとしようものなら、それはいずれ、自分を本当の意味で大切にしてくれる友人を全て失う結果に繋がるだろう。虎の威を借りる狐のような連中が周囲で群れを成し、それを外から見る人々の目は、羨望の眼差しから嫌悪の敵視へと変わる。
おそらくは、そうやって、人は知らず知らずのうちに権威の存在になってしまうのではないだろうか。
だが、僕たちは、現状ではそこまでのことに気づいていない。
ただ自分たちがシスルとプリムラに嫌われてしまったのだと考えた。
「ママーー、おなかすいたーー」
そこに無邪気な牡丹が、カエノフィディアに連れられて講義室に入ってきた。講義が終了したことを知った魔眼の侍女が、娘と共に僕たちを迎えに来たのだ。
「あ、牡丹!じゃあ、お昼に行こうね!えっと、バジルくん、今日はお弁当持って来てないから、お店に案内してくれる?」
「そうこうなくっちゃ、ユリカさん!では、みんな!ランチに行こうじゃないか!」
バジル率いる貴族学生たちに案内され、僕たち一行は広めの食堂に向かった。そこで、優雅に食事を取ることになった。
彼らと共に過ごすのはこれが初めてとなるが、話してみると気さくで、楽しいヤツらである。僕と王女は当然として、他のメンバーのことも、僕の家族や仲間として優しく接してくれている。何より僕たちと一緒にいることを心から喜んでくれている空気があった。
勝手なイメージで彼らを毛嫌いしていたことを反省したくらいだった。
また、なんやかんやでアカデミーの生活に詳しい彼らからは、有益な情報が多く得られた。
例えば、学者公子コンボルブルスは、モンスター研究の第一人者であり、次に発表する研究成果も、モンスター関連の事柄になるそうだ。
噂によれば、新種のモンスターを発見し、ハンターを使って捕獲したとか。それを展示しつつ、研究論文を発表するとのことだった。
「新種のモンスターか……それが本当なら、僕とは完全に分野が違う。なかなかにインパクトがあるな……」
彼との求婚勝負への対策には、少し難儀するかもしれない。そう考えた僕は、思案しながら独り言を呟いた。それを見て、嫁さんは笑いながら僕に耳打ちしてくる。
「ウチには魔王がいるけど、ダメだよね」
「当たり前でしょ」
このように、貴族社会も知っている彼らは、学内の教授のことにも詳しく、僕たちの知らない事実をいくつも教えてくれた。
ただし、”大賢者”ヤグルマギ・クシャトリヤの存在については、やはり何も知らないらしい。そもそも誰もその顔を見たことがないのだから、万が一、学内で見かけたとして、わかるはずもない。
ところで、僕たちがそんな真面目な会話をしている傍らでは、貴族令嬢学生のマーガレットとジャスミンが、ダチュラを挟んで座り、しきりに質問していた。
「ねぇ、ダチュラさん、あなたはどこからお越しになられたの?」
「え……いや、俺は……」
「お付き合いされてる方はいらして?」
「そ、そういう人は、今はいない」
「ご婚約は?」
「もちろんまだだ」
「そうなのね!わたしにもチャンスはあるのかしら!」
特にダチュラに色目を使って積極的にアプローチしているのは、ジャスミンである。マーガレットの方はバジルという許婚がいるため、ダチュラに興味を示しつつも、すぐにバジルに笑顔を向けて安心させていた。
ダチュラは困惑しながらも、ジャスミンを傷つけないように紳士的な言葉で返す。
「ど、どうかな……君なら、俺なんかより、もっといい男が寄ってくると思うけど」
「あら嬉しい!ダチュラさんって、強くて素敵で、本当にカッコいいわ!学園が誇る五大王子、『プリンス・ファイブ』にも負けないくらいよ!」
何やら盛り上がっているところに面白い単語が飛び出した。それを聞き逃さなかった嫁さんは、急に身を乗り出して、そちらのガールズトークに緊急参戦した。
「えっ!何それ!」
「『プリンス・ファイブ』よ。アカデミーに在学中の5人の超絶美男子を、私たち女子学生はそう呼んでいるの。お一人お一人が、それぞれのお国の国家元首に近いお家柄で、偉大なご身分なの」
その解説を聞いた僕は、失礼ながら失笑してしまった。
「戦隊ヒーローじゃあるまいし……」
「違うよ蓮くん!少女漫画の定番で憧れだよ!学校一のイケメングループ!しかもリアル王子様!女子がキャーキャー言うヤツだよ!」
「理事長の娘といい、なんとかファイブといい、この学園はアイドルでも育ててるのか?」
僕と嫁さんが別の意味で盛り上がったところ、横で聞いているラクティフローラは、あることに気づき、恐る恐る貴族学生たちに尋ねた。
「あ、あの……まさかと思いますけど、その『プリンス・ファイブ』とやらの中にクインスという人がいたりします?」
これにマーガレットが嬉々として答える。
「もちろんですわ!ラージャグリハ王国からいらした気高き才色兼備の王太子!クインス殿下は、『プリンス・ファイブ』の筆頭ですわよ!ラクティフローラ殿下の兄君ですわよね!」
「はぁ……」
「ラクティフローラ!」
その事実を知って、王女はフラフラと横に倒れ、それを慌ててシャクヤが支えた。ラクティフローラは頭に手を当てて呟く。
「クインス兄様ったら、こちらに留学して、何をされていらっしゃるのかしら……頭が痛くなってきたわ」
まぁ、確かに妹の立場としては、そうなるだろう。
――プリンス・ファイブ――
現実の身分の上でも最高位に近い家柄で、しかも能力的にも高評価のスーパーイケメンたち。
つまりは、スクールカーストの完全なるトップ層。
僕や王女が上層にいるとすれば、その頂点に君臨するのが『プリンス・ファイブ』ということになる。
いや、なんというか、名前がダサすぎて、羨ましいとも思わないし、死んでもそんな存在にはなりたくないと僕は思うが。
「ね!その『プリンス・ファイブ』って、他にどんな人がいるの?」
だが、この話題にめちゃくちゃ食いついている嫁さんは、スクールカーストのトップについて、目を輝かせて質問する。そして、その詳細を僕たちは聞き出すのであった。
また、皮肉なことに、スクールカースト最上層について僕たちが情報を得ている時、その食堂での光景を遠目に目ざとく発見する、スクールカースト最下層の男女がいた。
「あ……」
「プリムラ!何をやってるんだ!あの人たちに近づくな!」
「う、うん……」
シスルに促されるプリムラは、悲しそうな顔で彼の後を追った。
普通の学園モノは主人公かヒロインが迫害されます。しかし、既にそれらを乗り越えてきた白金夫妻の場合、友人が迫害されるのです。自分たちの見えない所で……。




