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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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第4章20 悪役令嬢?


 この投稿でまたしばらくお休みさせて頂きます。頑張ってユシャさんの所に行かなくちゃ。



 あら、イモルチアだわ。ちゃんとパーティーに出席するなんて図太いわね。婚約解消されて凹んでるかと思ったのに立ち直るのがはやいこと。


「エケベリア、どうかしたのか?」

「あ、ベンジャミン様」

「僕達はもう婚約者になったんだからベンでいいよ」

「はい、ベン」



 あーなんかイチャイチャしてる。ハオルチアさんは嫌そうな顔で二人を見てる。


「うわあ、エケベリアったらベンの前では凄く猫被ってるわ。気持ちワル」

「そうなの?ハオルチアさん始める?」

「ええ、ヒナさんよろしくね」

「皆んないいかしら?作戦開始よ」


 顔を見合わせて、頷き合う。距離感良し。私達の会話が彼等に聞こえるはず。


「ハオルチア嬢、本日はご一緒させて頂き有難う御座います。貴女の様な素敵な令嬢と知り合えてジュノさんには感謝しています」

「まあ、そんな…お上手ですこと」

「本当に貴女は美しい。いや、美しいだけでなく知的で優雅で素敵だ。貴女と知り合えて良かったと思っていますよ」


 さりげなく、ハオルチアさんを中心にむこうから全員見えるように並ぶ。

フィン様とクリス様、さすがリアル王子様だわ。マジでキラキラしい。


「本当に。ハオルチア嬢、今日のお召し物もよくお似合いです。貴女を飾る宝石さえも貴女の美しさには敵いません」

「ハオルチア、ホントに綺麗だよ!(ヒナのつぎだけど)」


ラクシエルさんはともかく、アルクくん、大根役者だわ。


「ジュノくん、君の義妹は本当に素晴らしい淑女ですね。学園でも成績優秀だと聞いています。こんな素敵な義妹がいて羨ましいですね」

「あ、ああ。僕には過ぎた義妹だと思っている」


 バーディさん、ジュノさん…イマイチと言うか、ジュノさん頑張ってるほうかな。


「まあ、ハオルチア様とご一緒の方々は何処の殿方かしら?」

「なんて素敵な殿方達なんでしょう」

「ご覧になって、あの方の瞳宝石のよう、綺麗過ぎて上手く表現できませんわ」

「…ほぅ…みんな素敵」


 周りの女性達がみんなに気が付いて、熱い眼差しを向けている。

 どうやらエケベリアさん達もこちらに気づいてたようだ。


「な、何なの?ハオルチアのまわりにいるのは?」

「やたらイケメンばかりだな。しかも見た事の無い顔ばかりだ」


 何?あの美しさ!あの気品さえ感じる男性達。そして神秘的な雰囲気すら漂う黒い髪と白い髪の二人。さらにあれはアドゥーラでも人気のモテ文官バーディ•アウル。その隣のこの世の物とは思えない美しい男の人は一体…何者。

 え?ハオルチアが義妹?…と言うことはモンステラ伯爵の現在の奥方シルビアとか言う元庶民の息子!?

 そんな、あんな美しい人がハオルチアの義兄だなんて。う、美し過ぎる…


「エケベリア?」

「なんて…なんて素敵な方なのかしら」


 わあ、エケベリアさんの目が釘付けだわ。特に、ジュノさんに!



「あ、あのハオルチアさん、お久しぶりぶりね」

「あら、エケベリア様、いつぞやのパーティー以来ですわね。私の様な美しくない者に何か御用でしょうか?」

「私達、色々と誤解があったと思うの。その…カポック侯爵子息の事で」

「まあ、その事でしたらもう終わった事ですわ。今のわたくしは幸せですので、どうぞお気遣いなく」

「そ、そうですの。と、ところで其方の方々をご紹介して頂けませんの?」

「あら婚約者のいらっしゃる方に…よろしいのかしら?カポック侯爵家のベンジャミン様?」


 エケベリアさんの少し後ろでオロオロしていたベンジャミンさんはビクッとしてハオルチアさんを見た。


「エケベリア様にはこんな素敵な婚約者がいらっしゃるのに、いくら婚約者より数段美しいからと他の男性の紹介を強請るなんて。ねぇ、美しい物が大好きなエケベリア様はしたなくありません事?」

「な!」

「美しさが全てみたいな事を言ってらっしゃいましたよね。私は美しく無いから婚約解消されたと言われたように聞こえましたけど、ねぇ次期伯爵のベンジャミン様」

「次期伯爵って!ハ、ハオルチア嬢。きみはそのこと知って…」

「ええ、まあ」


 うわー!ハオルチアさんガンガンいってる。良いのかこれ。どこで締めにしたら良いの?!



「君とは婚約破棄する!」


「「「え?」」」


 その声は何処から?突然響き渡ったセリフに皆が声の主を探す。すると、私達から少し離れた所で、ひと組の男女と一人の女性が対峙していた。


「理由をお聞きしても?」

「今更白々しいぞ、シェフレラお前はこの可愛いドラセナに嫉妬して虐めたであろう」

「まあ、オホホホ。子供でもあるまいし虐めたですって。馬鹿じゃ無いの」

「ば、馬鹿だと!」

「セネシオ様、浮気相手を庇うのも程々になさいませ」

「私とドラセナは真実の愛で結ばれているのだ。浮気などではない!」

「セネシオ様嬉しい」

「ドラセナ…」


 うわ…イタイ。


「はあ、婚約者のいる身で他の女性に現を抜かすのを浮気と言いますのよ。セネシオ様ご存知無いのかしら」

「シェフレラ、お前のそういうところが可愛く無いのだ」

「貴族の夫人は可愛いだけではやっていけませんわ。貴族には政略結婚など当たり前だと理解しております。…でもまだ婚約の段階で愛人などもっての外!こちらから婚約破棄ですわ!」

「…あいじん…」

「ドラセナ、大丈夫だ。シェフレラ、だからす私達は真実の愛だといっている!」


 これ、誰か止めてくれないかな……


「何を騒いでいる?!」

「皆控えろ!王がお出ましになる!」


 

 興味津々で周りを囲んで見ていた人達も慌ててそれぞれ散らばる。なんか、気が削がれたなー。


「ヒナさん、もういいわ。あの人達の婚約破棄劇場見てたらバカバカしくなっちゃった。ありがとう、やっと目が覚めたわ。つまんない事気にせず、私は私なりに頑張るわ。色々とね」

「ハオルチアさん…」

「皆さんもごめんなさい。私のつまんない意地に付き合わせてしまって申し訳有りませんでした。それと、ありがとう御座いました」

「気が済んだかい?」

「はい、スッキリしました」



クリス様の言葉に笑顔で答えるハオルチアさん。やっぱり可愛い。

 皆んなが優しい目でハオルチアさんを見てる。きっと幸せになってね。ううん、絶対なれるよ。

 それに、みんなも迷惑とか思ってないと思う。だって面白がってたものね。




 お読み頂きありがとうございました。次回、創世主現れます。今しばらくお待ち下さいませ。

 私的になるはやで書き進めて行きたいと思います。

 ありがとうございました。


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