アリアとマリア。
ちょっとぼーっとしながらおうちについて、とりあえず晩御飯の用意をしたけどなんだかお腹がすいてない。
そっか、ドーナツ食べたっけ、とか思い出してまりあちゃんに聞いてみてもどうやらまりあちゃんもまだ晩御飯は早いって。
「とりあえずお風呂先入ろうよ。そのうちおかぁさん帰ってくるだろうし」
そういうまりあちゃんに賛成し、あたしはお風呂の準備をした。
“お風呂が沸きました”
リモコンからお知らせ音が鳴る。
「まりあちゃんから入っていいよ」
と、声をかけるけどまりあちゃん、
「何言ってんの。一緒に入るよ!」
と、脱衣所まで引っ張っていかれた。
「うう、順番でいいのに……」
「こんな状態のありあちゃん一人なんてさせられないよ。お風呂でゆっくりおはなししよ」
って。
あたし今、そんなにダメダメなんだろうか……。
自覚なかったけど、まりあちゃんが言うならそうなのかな……。
なんだかぼーっとしちゃってるのは確かかも、だけど……。
服を脱ぐのもなんかもたもたしちゃって、あたしはまりあちゃんに遅れてお風呂場に入った。
うちのお風呂はちょこっと広い。
二人で体洗えるくらい。
まりあちゃんの隣に座りゆっくりと身体を洗う。
自分の身体の変化にはもう慣れた。
もう、生まれた時からこの身体だったって錯覚するくらい。
となりのまりあちゃんと似てるけどちょっと違う。
双子だけど違う体つきって、あたしのは何か別の人のが混じってるってことなんだろうか? うーんわかんない……。
「あたしはありあちゃんが女の子になって、嬉しいよ」
そうまりあちゃんがボソっと言った。
「ありあちゃんがあたしと同じになりたいってずーっと思ってたこと、知ってた。あたしだけずるい? そんな風にも思ったりもした、よ。だから。今はほんと嬉しいんだ。これが魔法? の、せいだったとしても、ね」
ああ……。
「だからさ。ありあちゃんがずっとそのままでいられる方法、探そうよ」
うん……。
涙が。
溢れ出して止まらなくなった。
心に中で蓋をしてた不安が溶けていくような。そんな気がして……。
「ありがとう……。まりあちゃん……」
あたしはボロボロ涙を流しながら、そう声を絞り出した。




