アリアちゃんと世界の仕組み。
「うーん。どこから話そっか」
そう、令。
「まずさ、ありあちゃんはこの世界がどういう風にできてるって認識してる?」
うー、どういうふうって……。
「ふつうさ、わたしたちが学校で習う物理法則っていうのがあって、それが世界の素だとおもうじゃない。原子があって、とか、三次元が、とか、ニュートンが、とか、アインシュタインが、みたいな?」
うんうん。それならわかる。
「まず、その縦横上下の三次元に時間を入れて四次元、ってこの空間の事表現したりするんだけど、ま、わたしたちが通常の物理法則で観測出来るのは精々その範囲。でもね、見方をちょっと変えるとその空間っていうか宇宙っていうのは風船の膜の様なものにも見えるんだよ。
んで、その風船の膜、シャボン玉みたいな物って置き換えてもいいかな。それ、は、いっぱいあるの。そんな泡がいーっぱい。それが多次元宇宙。いろんな世界がそこにあるのね。
あ、ちょっと行きすぎた、ね。話戻すね。
わたしたちが暮らしてるこの空間とか物理法則っていうのはその泡の膜の上でだけ存在するものなの。
物質っていうのはすごく細かくすると最後には素粒子っていうのになるっていうのは知ってるよね? その物質は泡の膜の歪みなのね。泡の膜に引っかかった紐。ほつれ、みたいなものっていうのが認識し易いかな。
質量っていうのは泡の膜の歪みが生み出してるものなのね」
なんとなく、わかる。
「んでね。エネルギーっていうの、ありあちゃんは何だと思う?」
んん? 熱とか位置エネルギーとか?
「まあ、普通、何かに作用する力の蓄えられた状態、とか、そんな感じに捉えるよね? 質量もエネルギーだしね。っていう事は無重力で物質が無くて絶対零度だったらエネルギーなんて無いって普通は思うよね?
でも、そんな空間でも物質は湧くんだよ。
そんな何も無い空間っていうのはさ、たまたまエネルギーが空間の膜として釣り合った状態っていうかな、そういうもの、ってことなんだよ。
釣り合ってるから観測出来ないだけ。
今の物理法則では、ね」
にゃぁぁ。
「退屈だよね、ごめんね。ここからが本題、なんだ。もうちょっとだけ我慢してね。
人間が観測できる物質も空間もエネルギーも、全部その膜の表面の作用だけなんだよ。結局。
じゃ、その膜の外は? 中は? って、思うでしょ?
膜の外にあるもの、エーテルとかマナとか呼ばれてる様なものがそこにはあるんじゃないかって、そう考えてる人がいてね、わたしの前世もそういった研究をしてた組織に所属してたんだよ。
んで、その研究成果の一つがこの魔法結晶」
令の掌の上に、キラキラした石みたいのが見える。なんか、波動みたいなもの? 出てる?
「やっぱりこれが観えるんだね。ありあちゃん」
え?
「これ、普通の人には観測出来ない魔法の塊、なんだよ。たぶんありあちゃん、自分の中にこれによく似た物をを受け入れた事があるんじゃないかな、って。それも、重なって変質してる感じがする。混ざってる? って」
ああ、心当たり、ある。
「わたしの場合はレイヤー技術で存在値を入れ替えててるだけなんだけど、ありあちゃんのは変質してアウトプットしてる気がするんだ」
ああ、うん。間違いない、かな……。




