↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超発明家ルッカ姉ちゃん  作者: 赤べこ様万歳


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/4

第1話 姉ちゃん(偽)現る。

 気づけば、僕には姉ちゃんが出来ていた。

 両親が作ったわけでもなければ、養子に迎え入れたわけでもない。

 ある日突然、湧いて出たのだ。


 そのことを、家族の誰も不思議がらなかった。

 まるで僕が生まれる前からいたように、自然と姉ちゃんは家族の中に溶け込んでいた。

 写真から動画に至るまで、物的証拠すら揃っている。


 おかしいといくら僕が主張しても、「反抗期が来たのね!」と母は喜び、「そうかそうか」と単身赴任の父は取り合ってすらくれない。


 結果、僕はたった一人、その正体不明の姉ちゃんと対峙するしかなかったのだが……


「えへへへ……タマル君、将来はお姉ちゃんと結婚しようね」


……姉は極度の変態だった。


 まだ小学五年生になったばかりの僕のベットに入り込み、毎晩僕の脇で息を荒くするし。

 僕が女友達と遊んでいるだけで、まるでハムスターみたく友達を威嚇をしてくる。

 まぁ全然怖くはない。背も僕と変わらないし、小動物みたいだし。


 それでも正体不明な人物ということに変わりはない。

 なのだが……どうもここ最近、僕の警戒心は少しずつ薄れてきていた。


 そしてその日、僕はその原因を、偶然発見した。

 いや、してしまったんだ。


∞


 その日、僕は風邪を引いて学校を休んだ。

 姉ちゃんは「タマル君のお世話は私がします!」と勢い良く立候補したが、母は「だめよー」と間延びした声で姉ちゃんを高校へ送り出した。


 母はおっとりした口調ではあるものの、やたらと頑固でそうそう意見を曲げることがない。

 それを知っていた姉ちゃんも「……せめて早退させてください」と土下座した。

 結果、午前中は母が、午後は母が外出、姉ちゃんが僕の面倒を見ることになった。


 当事者にも関わらず僕の意見は一切通ることはない。

 僕の家は女性が強い家なのだ。


 もちろん頂点は母ちゃんで、一番下は父ちゃんである。ちなみにペットのポチ丸(犬)とタマ吉(猫)は父ちゃんよりも上だったりする。


 まぁそうしたわけで、僕はベッドで寝ていたわけだ。

 軽い口調ではあるものの、正直なところ、かなりの重症だった。

 熱は39度を超えていたし、天井はぐるんぐるん回っていたし、ポチ丸とタマ吉は踊って見えた。


 もう一度言う。


 ☆D☆A☆N☆ス☆してた。


「???」


 薄く目を開けると、二匹が布団の上で奇妙な踊りを踊っていたわけである。

 ソーラン節と阿波踊りとタップダンスを合わせたような、そんな不思議な踊りだった。

 それを寝込んでいる僕の布団の上でするのだから、当然のように起きた。


 どうやら彼らは僕が目を覚ましたことに気づいていないらしく、踊りをしながらも《《会話を続けていた》》。


「タマ吉さん、これほんとに効果はあるのですか?」

「まぁルッカの姉ちゃんが作った発明品を使ってるんやから、効果あるんちゃう?体が治るついでに洗脳されるみたいやけど」

「ならいいのですが」

「心配なんか?」

「私達の子供みたいなものですしね。このタマル君は」


 どうやら僕はペットの子供枠だったらしい。

 喋っているのもたいがいだが、それ以上に僕はこの事実に衝撃を受けていた。

 餌をあげているのも、散歩をしているのも、全部僕だ。


 いや、確かに兆候はあった。

 タマ吉はやたらと僕の服を掴んで寝床につれてこうとするし、ポチ丸はしょっちゅうグルーミングをしてくれる。

 正直、父さんより僕のことを気遣ってくれているような気さえする。


 しかし、だ。

 僕は二匹が子犬と子猫だった頃から世話をしてきたのだ。

 気持ちとしては兄貴!みたいに思っていた。


 考えても観てほしい。

 近所にかわいい妹っぽい子がいて、裏で「タマルは全然駄目なんだよねー、私がいないと」というのだ。


……悪くないかも。


 いやそうじゃない。そうじゃないんだ。


 その子が裏で「私がママなの。ふふふ」というのだ。


……わるくない。


 ちょっと異次元への扉を開きかけた僕だったが、ともかく納得がいかなかった。


 だから少しだけ体調が良くなるタイミングを見計らい、ガバっっと跳ね起きた。


「僕はお兄ちゃんだぞ!長男だからこんな病気にだって耐えられるんだ!僕はおに……」


 そこで力つき、僕は二匹を巻き込んでうつ伏せに倒れ込んだ。

 朦朧とする意識。

 暗くなる視界の端で――僕は見た。


「タマル君……しんじゃ嫌ですぅぅぅぅぅ」


 鼻水を垂らしながら壁から上半身を生やす姉ちゃんの姿を。


「ね、ねえちゃんって……ようかい……だっ」

「違いますぅぅぅぅうっぅぅぅ、私はたまるの恋人さんなんですぅぅぅうぅぅ!」

勢いだけです。すいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。