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豚の報い


『な、な、な、何だ?

ワシは一体?

あれは夢か?

そうか……夢か?』


黒髪の女

魔族の女


そしてワシが金髪の女になった


頬が痛い。

ぶたれたのか?



──何でグリゾウが目の前にいる?



「ようお嬢さん。

今宵は長く忘れられない、一日になりますよ。

おっと忘れられないと言っても〈俺達にとって〉という事ですわ。

明日の朝までには全て終わらすつもりですが、まあ夜はまだ始まったばかりですので、せいぜい楽しませて下さいな」


何でコイツら服を脱ぎ出したのだ?


女神と自称する魔族の女に会って……そこから記憶にない。

目覚めたらここにいた。


ここは……ゴミ捨て場?


──ゴミ捨て場!!


ワシは……女のままだ……。

ぶたれた頬がジンジン痛む。


──もしこれが……夢でないとしたら?


「ひい!」


ワシは逃げ出した。

だがグリゾウはワシを掴まえ、他の猟犬共もワシの両手足の自由を奪った


「かじだがじ!ぬりおなだ!ごい!はなで!

ぎまがばづみにどばなぎ!ぐるじでやぐ!

(ワシだワシ!クリオ伯爵だ!おい!離せ!

今なら罪に問わない!許してやる!)」


何だか変だ?呂律が回らない。

自分でも何を言っているのか分からない


「オレは優しくて紳士的な男だ。

お前は嫌がるだろうが、直ぐにオレが恋しくなるさ。

何故なら俺に続く猟犬共は、オレ程甘く無いからさ」


グリゾウにワシの両足が思い切り開かれ、下腹部に痛みを感じた。


それから猟犬共が代わる代わる……ワシを……。





── 殺せ……いい加減に……殺して……くれ ──




ワシはもう……

涙を流す目玉は抉られた


叫び声をあげる舌は切られた


耳も失くなり


鼻も削がれ


指も失く


手足の感覚も無い


痛すぎて最早痛みがどれだか忘れてしまった



──殺せ……殺してくれ……お願いだから……



「もう死んでるだろう。捨てろ」


ワシの体は宙に浮いた


「なんだ?スゲー重い」

「いいからさっさと捨てろ!

気持ち悪い」


ワシは落ちていった。

落ちて落ちて凄まじい衝撃と共に動けなくなった。


──痛い痛い痛い痛い痛い


痛すぎて訳が分からない。





── どれほど時間が過ぎたのだろう ──





目が見える。

音が聞こえる。

寒い。

声は……うめき声だけ。


暗い。

遠くに光が見える。


ここは崖の底。


あの光は崖の上の空の光。


ワシは仰向けに倒れている。


誰かいる。


──女?


綺麗な女だ。

覆い被さるようにワシを覗いている。


ワシの体は……あの膨れた男の姿に戻っていた。


──誰だ?見憶えがある


そうだ!

ワシが愛した女!

初めてワシが愛した女なのに、女は他の男を選んだ。


ワシは女を拐って


陵辱の限りを尽くして


ボロボロになった女を


生きながら崖から突き落とした


──ワシが初めて殺した女!


なぜここにいる?


『今。呼んで来ますからね』


声が直接頭の中に響いてくる


──誰を?助けをか?助けてくれるのか?


ハァッハァッハァッハァッ


耳元で荒い息遣いが聞こえる。


ガルゥ!


──痛い!


何だ?

魔獣?


ワシ……食われている!


ワシの太い腹の中に魔獣の顔が埋まっている!


首筋も痛い!

体中が痛い!


食われいる!




『気がつきました?』




女は顔を覗かせる。

その美しい顔を歪ませ微笑んでいる。


ワシはどこも痛くない。

どうやら体が元に戻ったようだ。

ただ、体は動かない。


『私の事。思い出したようね。

私の愛する人を目の前で切り刻まれた。

私の体を欲望の限り弄んだ。

複数の男達に三日三晩好きにさせた。

それから私をこの崖の底に突き落とした』


女はニタリと笑い


『ここ崖の底にずっと縛られていた私の魂はね。青白い炎に包まれて天へ昇り、そして輪廻の輪の中に帰って行ったわ。

この私はねダシ殻のようなものね。

どうしても心残りがあったの。

この世への未練ね。

何だか分かりまして?クリオ伯爵様』


ワシは首を振る


『貴方よクリオ伯爵様。

貴方に殺された恨み。

それがどうしても消えなかった。

私だけじゃ無いわ。

殺されここへ捨てられた皆。

私達の霊魂は貴方への恨みでずっとここに……この暗い崖の底に縛られていたの。

でもね。あの青白い炎が私達の恨みの念だけを、綺麗サッパリ切り取ってここへ残してくれたの。

本体は成仏したけど恨みの念は残り、それが集まって私という存在が生まれた。

良く見て私の顔を……』


クリオは女の顔を見た。

違う女の顔になっていた。

それはワシが2番目に殺した女だった



『あたし。あんたに殺された。

結婚式の前日。たまたま通りかかったあんたが、あたしを拐った。

そして愛しい人に捧げる筈の純血を奪われた。

抗議に出向いた愛しい人の首を、あたしの目の前でノコギリで引き切った!

それから泣き叫ぶあたしの舌を切った。

血だらけの生首の前であたしをひたすら陵辱した。

これ。何だか分かります?』


女はいつの間にかノコギリを持っていた。

それをワシの首に載せる


「やげろ!やげでずれ!わじがうぁるがっだ!

(やめろ!止めてくれ!ワシが悪かった)」


『何を言っているのか、聞き取れません。

それにあたし。何度も何度もあんたに助けを……慈悲を求めたわ。

でもあんたは全てをはね除け、却ってあたしを弄んだわ。

最後はあたしを〈ゴミ捨て場〉へ連れて行って、死ぬまで陵辱したわ!

同じ事をして上げる』


そして首に載せてたノコギリを、女は力任せに引いた


「ギャーーーー!!!」



……………………



ワシ……まだ体が治っている。


じゃが。体が動かない……


『目が覚めたのね。私は三番目に殺された女よ……』


──や……止めろ!


もう殺してくれ!


『まだまだ後がつかえているの。

何せ貴方が領主の31年。殺した女は1081人。

そして女を手に入れる為に殺した者達1722人。

みんな貴方に恨みが有るそうよ。

楽しみね……クリオ伯爵……』


女の顔が次々変わる。

男や子供、年寄り。

次から次へと……。


それは伯爵や猟犬と呼ばれた男達に殺された者達。


クリオ伯爵の目は驚愕に開かれ、体が恐怖でぶるぶる震える。

股からジョロショロとお漏らしする


『お願いします……許して下さい……殺して下さい』


『私わね。貴方を睨む目が気に入らないからって、これで瞳を刺されたわ』


女は両手にアイスピックを持っていた


『ゆーーーーーーーーっくり。

刺して。

あ・げ・る』


女は最高に楽しそうに笑った。




豚に報いは下された。





──クリオ伯爵の悪夢は終らない──







これで【豚の報い】は終わりました。

いかがでしたか?


ホントはここで章を切ろうと思ったけど

ふと気づいたのです


──グレイ出てないじゃん!


主人公なのに相変わらずの存在感のなさ!

それで関連する次のお話を繋げて1つの章としました。



次は嫁や嫁候補が増殖します!




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