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ものすごいボー読み


シェリルにとって殺されたというお父さんの記憶はあまりない。

半年に一度突然帰って来る。

そして十日としないうちに帰ってしまう。


その訪問も例えば年末年始とか、12月25日の白い女神さまを祝う家族必須のイベントとか、8月の御先祖様を送るお祭りとか、そういうのをキレイに避けてくる。

でも記憶にはあまりないけど、残った記憶ではいつもわたしと遊んでくれた。

そしてお母さんとお父さんは毎日一緒に寝ていた。


新婚の今となったら流石に何をしていたか判るけど、当時はもっとお話ししたいのに早くに寝かされて少し寂しい思いをしていた。


そしてわたしも大きくなり

『この家族関係って変だよね』

と気付いていた。

そして食堂で声を潜めて冒険者と話す母との会話を漏れ聞いて、色々理解できた。


どうやらお父さんはあちこちで女作って子供もいて、そして家族をやっているらしい。

わたしの母娘みたいなのが、何家族かいるのだろうか?

今となってはそれはどうでもいいけれど、やはり殺されたと知れば平常心ではいられない。


そして目の前に転がっている男達。

この男達はわたし達母娘が領主のクリオ伯爵に慰み者にされるだけではなく、殺されると知っていたのだろう。

そして殺される前にわたしと母はコイツらに酷い目に遭わされるかもしれなかった。

わたし達を好き勝手するために邪魔なお父さんを平気で殺す輩だ。

わたし達もコイツらを好き勝手にしても良い道理だ。


でもそうなればコイツらと同じ道理に生きてしまうことになる。だからといって見逃せば、コイツらはわたし達のような犠牲者を増やしてしまうかもしれない。

わたし達はたまたまグレイさんに会い、こうして生き長らえている。

そしてこれからも生き続けるつもりだ。

なら、わたしにも生きる上で責任を負う。

いつまでも傍観者じゃ、いられない。


「リリスさん。この男達はどうするのですか?

もし殺すというのならば、責任をリリスさんだけに負わせられません。わたしも決めたからには……」

「いいよ。別に」


リリスは口を挟んだ


「自分も殺すというのだろう?もう殺すと決めたからには誰が殺しても一緒さ。

ボクはねシェリル。君たち人間とは少し違う因果を生きているのさ。だから気にせずボクらにまかせてよ。

その覚悟だけありがたく貰っておくよ。

それにさ。君はグレイの妻となっただろう?

妻となったからには……グレイと生きると決めたからにはもう普通の平坦な道は歩けない。

多かれ少なかれこれからもこんな選択を迫られる。

グレイと生きるとはそういうことさ。

次の決断の時まで、大人しく考えておくことだね。

でも。少しは君たちの力を借りるよ」


そう言ってリリスは右手でシェリルに触れ、左手でマレーヌに触った。

そしてふたりを交互に見詰めて


「君らはグレイと関わり、グレイと繋がって生きていくと決めた。だからボクも正体を明かすよ。

まあー。ボクのことは変なやつだと思っているかもしれないけど、当たりダヨ。いいかい?見ときなよ」


リリスは目を一瞬瞑るとゆっくりとあけた。

その瞳に驚愕の表情を浮かべる母娘の姿が写っていた


「ルルワちゃん?」

「シェリル元気かえ?まあの。粗方事情は察しておる。説明するとな。我らは女神じゃ。

故あってその力の大半を奪われこうしてグレイの奴隷に成り下がっておる。じゃが、悲劇でも悲惨でもないぞ。

我らは今それなりに楽しい生を生きておる。

済まぬ話が逸れたわ。

妾ルルワとリリスはな、おおざっぱに言えば只の人格の違いじゃな。

じゃが役割も違う。

リリスはの。悪魔という生き物を生み出すことも出来るし、触れた者を魔性の者に作り替える事もできる。

だが今はその力は封印されておる。

ただの。死んだ者に触れればどのような姿にも変えることが出来るし、自らの魂の一部を宿らせ生者のように動かすことも可能じゃ。ただの。その場合表情に乏しく、動く屍のゾンビのように生気はない。

他にも色々あるが、まあ、その説明はおいおいするでな。今はこれくらいにしておこう。

妾はの。生み出すことは出来ぬ。だがどんな病や怪我でもたちどころに治すことができるのじゃ。

それにの……触れた者を魔性の者ではないが望み通りにどんな姿も変更可能じゃ。

例えばこのように」


ルルワが右手で屈強な護衛の男一人に触れた。するとその男はたちまちグニグニと皮膚や身体が蠢き出し、縮こまりシェリルになった。

ただ服はそのままだ。

シェリルとマレーヌが絶句していると、今度はもう一人の屈強な男に今度は左手で触れた。

するとこちらもグニグニし始めてマレーヌの姿になった


「どうじゃすごいじゃろ?

人間は皆驚くのじゃ!その顔は見ものだのぉー。

久しぶりにソナタらで笑わせてもろうたわ。

じゃが不完全じゃ。もし妾の力が完全ならば、ソナタらにもコヤツらにも触れずに変身させることができた。

さらに死ぬまでその姿のままいられた。まあ。歳はとるがの。

じゃが。力の抜かれた妾はせいぜいコヤツらのこの姿を1日しか持たせることしか出来ぬ。今日だけじゃな。

そしてついでにソナタらの記憶もコヤツに宿らせた。

一部書き換えておいたわ。

じゃが、服までは今の妾ではどうにも出来ん。着替えてくれるかの?ほれ。そこの娘っこ三人!

手伝わんか?」


「おい。手伝ってやれ」


ルルワの声に合わせて、グレイが指示をする


「あいさ。ますた」

「アイサ。マスタ」

「えっと……手伝いますよ」


シロエとクロエと羊のイチが元男だったシェリルとマレーヌの服を脱がせる。素っ裸の偽シェリルと偽マレーヌが横たわっている。

その隣で服を脱いで下着姿となった本物のマレーヌと何故か下着を付けていなくて真っ裸のシェリル本人がいた。二人は別の服を着た。

その間寝ている偽シェリルと偽マレーヌはルルワと三人の少女によって母娘の脱いだ服を着せられている。


そしてルルワは着替えの終えた本物の母娘に、ゴニョゴニョと要件を伝えた。


そしてマレーヌの大根役者振りが発揮された。

ものすごいボー読みで




「あーどうしましょう!兵隊さんみんな殺された!」




と叫んだ!




みんな笑いを堪えるのに必死だった!














シェリルは脱がなくても良かったかも……。

その日は服の姿を誰にも見られていないと思うので……。


それに。リリスがパチンと指を鳴らせば済んだかも?


でもこれはお約束ってヤツです!!

これからも露出要員のシェリルちゃんです。



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