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第一章 第二話 「能力解放」

「魔王の生き残り」二話公開しました!


転生して1ヶ月が経った頃───


 ゴブリン達のことや、この世界のことが少しずつわかってきた。

 この世界は魔界と呼ばれ、人間はもちろんいないが、魔獣や鬼、悪魔などいろいろな種族が住んでいる。

 ゴブリンや魔獣はところどころいるが、鬼や悪魔は滅多に見ない。

 鬼は群れを成して行動しているみたいだが、悪魔はその強さ故にほとんど単独で行動しているそうだ。

 そして私を崇拝していたのはゴブリンだけではなかった。

 魔界に棲む全ての生き物が私を崇拝していたのだ。

 なぜかはまだわからない。

 聞きたくてもまだ言葉が話せないのだから。


「あぁーうぅーあぁ」


(ゴブリン長老よ聞いてくれこの赤ちゃん言葉を)

 

 しかし長老は、疲れているのか椅子に座り眠っている。

 私はあまりの虚しさにため息を吐いた。

 ゴブリンの出す食事は、虫やトカゲやキノコで本当に食えるようなものではない。

 しかしたまに来てくれる低級の悪魔達は、私の好きなものがわかってくれているのか、人間が食べるものをよく持ってきてくれる。

 

(悪魔ってやっぱり頭いいんだな。)


 なんて考えていると突然、転生したらまずやるべきことを思い出した。


(あ! めちゃくちゃ忘れてた!! あれやってなかった!!)


 声は出ないが、心の中でもできるだろうと信じて、手を前に出した。


(ステータス!オープン!)


 目の前にゲームでしか見たことないような画面が映し出された。

 それは間違いなく、自分のステータスだった。


(えーっと、どれどれ)


【名前】 オルティマ

【性別】 女

【種族】 魔王

└──────────────

【レベル】 1

【魔力】 1 / 1

【体力】 5 / 5

└──────────────

【固有スキル】

・魔王覇気


 私はこのステータスを見て、あまりの低さに落胆した。


(えぇーなんだよ異世界転生で魔王になったのに最強じゃないのー?)


 ステータス画面を閉じて、考えることを辞めた。

 しかし、まだ産まれたばかりだしこれから少しずつ成長できるだろう。

 背中に生えた羽根も、小さく動かすことすらできないが、いつかは空を飛べるはずだろう。

 そんな淡い期待に胸を躍らせていると突然、とてつもない睡魔が襲ってくる。

 

(やっぱり赤ちゃんの頃は睡魔に勝て……な)


 私はあまりの眠たさに、また一瞬で寝てしまった。

 このゴブリンの洞窟に魔界最強の存在が近づいてきていることも知らずに。


読んでいただきありがとうございます!

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