第一章 最終話 「真の魔王」
第一章 最終話です。
魔界に棲む魔物達は、悪魔王メレスの死を知り、悲しみに打ちひしがれていた。
かつての魔王がいなくなった後、今の魔界を築き上げてきたのは彼だった。
元々は7つの勢力に別れ、協力などしてこなかった魔物達が、メレスの威厳と信頼によって、少しずつ仲間が集まっていった。
「オルティマ……」
話しかけてきたのは長老ゴブリンだった。
「ねぇ長老、人間ってどうして魔王や魔物をそこまで憎むの?」
オルティマの瞳から涙が零れ落ちる。
長老はそっと涙を拭いてくれると、落ち着いた声で語り出した。
「人と魔物はわかりあえん、昔からそうじゃった」
確かに私の心も復讐や殺意の気持ちでいっぱいだった。
「勇者と魔王、共に自らの正義を振り掲げ、争い朽ちていく。オルティマ様、あなたの正義とはなんですか?」
私の正義とはなんだろうか。
私にとっての正義、それは多分魔界や皆を守りたいこの想い、しかしそのためには強くならないといけない。
しかしそのためには……
「人間を……殺す……」
その想いが届いたのか、オルティマの身体に異変が起きた。
「!?」
頭の中に直接、謎の声が響いてきた。
「承った。お前の望みにふさわしい力を与えよう」
直後、オルティマの体からとてつもないオーラがみなぎる。
ステータスを確認すると、魔王から大魔王へ、力、魔力、全ての能力は少し上昇した。
しかし一番驚いたのはスキルだった。
前世で優勝したRPGゲームのキャラクターであるオルテマのスキルを複数新たに覚えていた。
【名前】 オルティマ
【性別】 女
【種族】 大魔王
└──────────────
【レベル】1
【魔力】 10/10
【体力】 30/30
└──────────────
【固有スキル】
・魔王覇気
・ヘル・ディザスター
・真理開眼
・輪廻魂奪
└──────────────
【常時スキル】
・状態異常無効
・属性超越
・魔力耐性
・経験値倍加
・自動肉体再生
・痛感無効
└──────────────
新たな力に覚醒したオルティマを見て、長老ゴブリンは感銘を受けた。
「なんと……なんと真なる魔王へと進化したんですね……」
見た目はさほど変わってはいないが、今までとは比べ物にならない存在に成った。
人間を殺すため、世界から頂戴した力、そして前世で自らが築き上げたスキルを手に入れたのだ。
「長老……」
オルティマは、メレスの遺品である魔晶石を小さな手でギュッと握りしめ、ゆっくりと顔を上げた。
「人間を滅ぼすぞ」
その瞳に宿るは、底知れない冷酷な闇。
人間が自らの正義を掲げるなら、こちらは喜んで最悪の災厄になってみせよう。
大切な仲間を奪った人間界へ向けて、覚醒した最凶の魔王の、果てなき復讐劇が今ここから幕を開ける。
──第一章「魔王の生き残り」 完
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
第一章はこれで終わりです。よかったら感想やブクマよろしくお願いします!




