うわぁ・・・雰囲気の悪いビルの周りに極道車がたくさんあるよ・・・
「さぁ浅草観光と行くかぁ♪」
『本物』のすき焼きを食べた奏音は体力・気力共にMAX。そしてここから本格的に浅草観光となる。
そうなるはずだったが・・・奏音はヤバいものを見てしまった。
それは一見して普通のビルだ。しかし神社の巫女で霊感が強い奏音には分かる。
このビルに幽霊がいると・・・。それもかなりの数の怨霊が。
「この強い気配は久々だね〜。中学の時にお父さんの知り合いの極道に取り憑いていた怨霊を祓った時以来だよ。でもどうするかな?あたし、今日は浅草観光したいしすき焼き食べたばかりだし・・・」
普通に考えたら自分に関係のない事には首を突っ込むのは止めるべきだ。せっかく最高の1日として今日を終えることが出来るのにわざわざ最悪な1日にすることはない。
でも、奏音はどうしても気になった。好奇心旺盛な奏音は気になったら調べたりしないと気が済まないタイプである。
気になってビルに近づく奏音。しかしビルの周りには沢山の極道車があった。
極道車とはみんながイメージするのは黒塗りの高級セダンだと思うが、現在の極道車は乗降のしやすさや室内の快適性、秘匿性からトヨタ・アルファードやヴェルファイアなどの高級ミニバンが主流となっている。
そんな極道車が沢山あるのに奏音は恐れずにビルに近付く。
しかしビルに近付くとスーツを着たおじさん達が奏音の方を見る。
最近の極道はみんながイメージしている強面の入れ墨をしている、見るからにヤバい感じの人は少なく、普通のスーツ姿の普通の人っぽい人が多い。これは幹部など上の位になるほど見せかけだけは普通の極道が多い。
それに最近では入れ墨をしていない極道も増えてきているという。これも時代の変化である。
「おい、そこの巫女さんよ。ここから先は通行禁止だぜ。色々問題あってな。」
見るからに普通のおっさんと変わらない極道は優しい口調だ。
「知っているよ。このビル幽霊いるんでしょ?視えちゃったんだよね」
「なっ!?!?」
奏音の言葉にその場にいた極道たちがざわつく。
「ま、まさか幽霊がいるの分かるのか!?」
「分かる分かる♪2階と4階の北の部屋にいるね。あと3回の男子トイレにもいるね」
すると再び極道たちはざわつく。
「す、スゲェ!今まで色んな神社の神主とかテレビで出る霊能者に頼んでも適当な事しか言わなかったのに全て当てている!心霊現象する場所を!」
「テレビに出てくる霊能者とかそこら辺の神社の神主さんじゃあ無理だよ。霊感ある人って1000人に1人いるかどうかだし、霊感のある家系とかもあるしね。」
「おおっ・・・!!」
ざわつく極道たち。このざわつき方を見る限り本当に心霊現象に苦しめられていたんだと思う。
「ん、じゃあお祓いするけどお偉いさん・・・アンタらの兄貴分に会わせて」
すると奏音の後ろから1人の大柄な男がやってきた・・・。




