holiday 第百三十二話 散る散る
夜闇に身を包み走る2人の男。
子供と同等の体高のカメ。彼らはイマイチ現実味を帯びていない。
則武「なぜ動物1匹で出動しなくちゃいけないんだろうか」。
横小路「逆だ。その1匹が俺たちが出動しないといけない程のやつなんだろ」。
しばらく走っていると風と川の流れが怖気付き止まった。視線を向けた先にいたものに対して則武が先刻侮っていたものではないと全細胞を通して伝えられる。
則武「横小路…」
横小路「あぁ分かってる。こいつは動物ではない」。
それはこちらを見つめてくる純粋な眼差しとは
裏腹にドス黒い何かを秘めていた。
則武「チェっ。悪いが手加減はなしだ」。
則武は腕を交差させ二つの何かを抜く。
そのものは閃き、放たれ、音が割れ、かめしゃんを標的に迫る。
それは辿り着いた瞬間、粉々に砕けたのだ。
横小路「あの亀やろう。銃弾でも無傷って魂胆か」。
則武「まるで銃弾が恐れて先に砕けたようじゃねえか、、、」。
かめしゃん(あれ?もしかしてここってこの子達の家なんかな?)
(そうだったんならごめんね)。
「ジニアルも大変ね〜」。
2人は後ろを振り向く。
ナーガ「そんな原始的な攻撃法しか持っていなくて」。
ナーガは両手に異常な程の大きさのアタッシュケースを持っていた。
則武「あん?誰だお前」。
横小路「ここは危ない。下がれ」。
ナーガ「まさかこの俺を知らないとは。ホープ・ファミリーのナーガだよ」。
するとナーガはアタッシュケースを開けて何かを取り出す。
それはロケットランチャーだった。
「見てろ猿ども」。
「俺が手柄を奪うところを」。
横小路「待て。それじゃ街に被害が出るぞ」。
ナーガ「うるせぇ。街の被害と人々の被害どちらが優先なんだよ」。
ナーガがランチャーを構える。
ロケットランチャーがナーガの指に合わせて火を噴く。
けたたましい発射音を鳴らし亀へ向かう。
いよいよ亀に直撃した。亀の周りだけ昼とでも錯覚してしまう程の爆破で亀を業火へと誘う。はずだった。
周りの街灯は粉々に、地面は大きく割れ、穴が出来ていた。
だが亀がその真ん中で甲羅を引っ込めてすらおらずそこに立っていた。
ナーガ「ん?待てよ?なんか白い破片があるぞ」。
則武「嘘だろ。ダメージを与えれたのか?」
横小路が白い破片に触れる。
横小路「あぁこれ脱皮だね」。
則武 ナーガ「脱皮かよ!」




