インターネットで見た事ある布被った神様だ!
今僕は、汚ったない服を着て、家畜みたいに檻の中に閉じ込められている。
「計算できまぁす!三角測量できます!」
神、と思われる人から言えと言われた事を叫んだ。
「あっつ!ありがてぇ!それはもうアンニール川の賜物だろ」
奴隷商のおじさんは小躍りしながらそう言った。どうして、こうなったんだろう。
事は数分前に遡る。
朝、歩いてたら上空になんか赤い光を感じて、いつのまにかこの、なんだろう、宇宙空間に居た。
「君死んだよ」
目の前にはなんだろう、布を被って足を露出したインターネットで見たことあるような変なのが居た。つぶらな瞳が僕を見ている。
「えっと、え、死んだら宇宙に行くのか?」
「知らないのか?魂は重力とか遠心力の影響を受けないからね、地球の方が爆速で離れていっちゃうんだ。常識だろ」
知らないよそんな常識。
「本題に入ろうか。まず私の名は打ち倒す者、君たちの世界じゃメジェド神の方が有名かな。それで君にはやって欲しい事があるから君の魂が地獄のネオ枢軸に行ってしまう前に保存しておいた」
全く状況が読み込めない。というかなんだよ、そもそも死んだのか僕。なんで死んだんだよ。それ何?打ち倒す者、メジェド神?インターネットジャンキーの脳みそが見せてる悪い夢なんじゃないのか?
「で、君にやって欲しい事っていうのはある人の遺体を集める事。腕と足とかはもう担当決まってるんだけど、その、なに、アレだけが見つからないんだ」
打ち倒す者?さんはつぶらな瞳を塞いで身体を小さくして恥ずかしそうにしている。もしかして、アレってアレか?性器か?
「あぁ、そう、君の考えてるそれ。それを探して欲しいんだよ。それが無いと完全に復活できないんだよ彼」
「ちょっと待って、飲み込めないよ。いきなり僕は死んで、それで宇宙空間にいて?それでなに、なんか知らん人のあれを探せ?何を言ってるんだよ」
突然、身体が発光しだした。
「ごめんもう時間みたいだね。とにかく言葉は伝わるようにしとく、あとそう、これから君は奴隷として転生して奴隷商のおじさんに話しかけられるんだけど"計算できます、三角測量ができます"って叫んで」
眩しい、何も見えない。彼の声が遠くなっていく。
「あぁそれと、右目に私の焼き尽くす力を授けておく。君の成長と共に強力になっていくから注意してね。それで発動キーは分かりやすく言葉にしとくね、それは……」
打ち倒す者さんの話は長く、目を開けたらもうここに居た。それが数分前のことだ。
「んで三角測量できるんだよな。ん、ちょっと地面に書いてやってみろよ」
土の床を指でなぞる。なんとなく、だけど確かこんなだっただろう。
「木のてっぺんを見た時、だいたい60度でした。次に角度を測った場所から木までの距離がわかっているとします、それでこうしてこうすると木の高さが求められます」
奴隷商のおじさんは両手を拳にして天を仰いだ。
「メルアァァ!!!!よくわからんけどお前三角測量できるんだな!」
おじさんが叫んでいる、喜んでるんだろうか?だとするとメルアという言葉この世界の感嘆符、なのかもしれない。
「お前!お前!まじで熱いわ。これはもう太陽だろ。とにかく絶対にお前は言い値で売れる。ピラミッド建設員とか家庭教師とか」
ピラミッド?ピラミッド作ってるのか?んじゃ外は結構昔なのか。てかそもそもここは知ってる地球なのだろうか。あの時転生とか言ってたよな。
「ほら、喜べって」
喜べって……こっちはまだ何もわかってないのに。
「えっと、しゃあ!」
視界の右側が眩しい光に包まれ、一筋の光となって発射された。目からビームが出て、指二本分の穴を床に開けたのだ。
「お前これ魔法……しかも火属性……えっと、奴隷商辞めようかな。もう人生上がりだ俺。だからそうだな、まずはありがとうと言っておくよ」
彼はドン引きしながら僕の目の前から去っていた。まぁ、ありがとうって言ってるから良い事ではあるんだろう、彼にとって。
というか魔法あるんだこの世界。それで僕の今やった魔法は火属性。
……確かあの打ち倒す者さんは右目に力を授けるって言ってたよな。じゃあこの右目からビームを出す魔法が力なのか。んで発動条件が"しゃあ"か……絶対間違って出るから注意しないと。
「ん、深くないか、なんか」
右目のビームによって抉れた穴を覗いてみる。なんというか、深い。そこが確認できないくらいには。本当に気を付けないと人を殺しかねないぞこれじゃ。
「何かいる……?」
檻の隅に虫みたいなのがいる。黒光していて、明るい玉を転がしている。
「コンニチハ!」
女の声!?フンコロガシが手を挙げている!?
「喋っているの!?フンコロガシ!」
今回は結構ギャグです。後でイルカも宇宙人も宇宙戦艦も出します。
舞台は古代エジプトかつエジプト神話風です。




