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それは激しい戦闘だった。
漆黒で子どもくらい大きさの鳥が何匹も成人男性と女性に一斉に襲い掛かる。男と女はくちばしの攻撃を避けて、お互い連携を取ってその鳥たちを一匹ずつ片付けている。
鳥たちは数の暴力もあって、二人は苦戦しているところだった。
「そこに行ったわよ!」一人の成人男性に話しかける相手は一見二十代の女性だった。若いゆえに実戦経験の不足であろう、男と連携を取っている時、主に後方の支援をしている。戦う時、若干鳥たちの攻撃に怯む様子が見える。
女が男に警告している間、一匹の鳥はくちばしで女の目を狙って、衝突する。低空飛行の音が大きくて、パサという翼の音かれも、女はそれに察知し、右半身を横に回転し、回避した。
普通なら、狙った相手をもう一度狙うのは道理であるが、攻撃しているのは鳥である。鳥は動物らしい戦法で、女に避けられてもそのままスピードを落とさず、直接に男の方に狙いに行った。むしろある種、賢さがあるわけだ。
「おー!」女の警告を受けた男は無駄な言葉も話せず、三匹の鳥も対応している最中だったが、警告された瞬間の後、机を一振り!鳥たちを払いのけた。
そして、自分に向かってきた鳥を「かかってこいや!」という勢いで、両手を開き、1センチでも足りないくらいに目に衝突しそうな距離でくちばしを掴んで止めた。
「お前は……こいつらのリーダーだろうな。」と男は鳥に向かってこう言った。
くちばしが掴まれていたせいで、鳴き声すらできない鳥はただパサパサと翼でもがくしかできていない。
パサ、パサと、力を駆使して、鳥は男の手から離れようとしている。しかし、鋭い羽根がどんだけ男の手に血痕ができても、男は痛みに手を引いていなかった。
力が強い。鳥はもがけばもがくほど、更に掴まれていた気がした。
男から逃げられないと鳥が悟った。
だから、ここで男は鳥から一つの感情を感じ取った。逃がしてほしいと、男はその少し潤った目からそう感じている。
男は少し迷っている。なぜなら、男と女は鳥たちと戦闘になった経緯は、鳥たちが先に攻めてきたのだ。何の前触れもなく、天災のような出来事だった。
そして、男と女は後ろにいるものを守るために、戦っているというわけだ。
けど、男はできるだけ殺す手段までにいたしたくない。少なくとも、後ろにいる存在の前に見せたくない……
考え方が甘いかもしれないが、それでも男は掴んでいる鳥に言った。
「もし俺の話が理解できるなら、お前の手下たちを撤退しろ!そうすればお前を逃がす。」
男の話に理解できるどうかわからない存在が、鳥の目にまるで同意したように潤う感じが増した。パサパサともがいている翼の動きも若干抑え込んでいた。
このことに自分の提案に同意したと判断した男は、鳥を手放した。
すると――
「ゲギィー」逃がされた瞬間、リーダーらしい鳥はすぐ他の鳥たちに叫び、翼を広げた。まるで演説をしているようだった。
他の鳥たちは一瞬留まって、リーダーらしい鳥は更に「ギィー」という鳴き声をすると、鳥たちは去っていた。
最後の一匹の鳥は、少し男の方に睨んでいた。
男はそれに対して何も思わないようで、むしろ堂々と話しかけた。
「……戦うなら、一対一でどうだ?俺は、『子どもたち』に怖がらせたくないんだ。」
その意味を汲み取ったであろう。リーダーらしい鳥は飛ぶ前に、翼を広げて、二枚の羽根が落ちた。そして、男の返事も聞かず、空を飛んでいた。
「二日後……か?」と男は何となくそう感じた。
ちゃんと鳥たちが飛んでいたのを確認して、女は男に「もーう」と先に声を上げた。
「あなた……頭がおかしいと思っちゃったわよ。警告したのに、突然攻撃しに行った鳥に話しかけるなんて……」
男はあははと苦笑いをしていた。
「いやー、ちょっとね、子どもたちも見ているじゃないかなって、つい……」
「ついって……やっぱり思考も影響されているじゃん!」
「そ、そう言って、君も同じだろう!若返りというか、口調がとげとげしいというか……」
「ああ?」
「あ、いやっ……うん、なんでもない。」
男の反応に女は「ふん」というように両手を腰に当てて、少し仕方ない感じがしたポーズだが、一番多く感じたのはやはり自負と傲慢の間の感情である。
「ま、そんなことより……」女はこう言って、すかさず後ろに向けて、叫んでいた。
「子どもたちー!もう大丈夫わよ!」
男と女の二人が守っているもの、それは建物に隠れている子どもたちである。子どもたちは一人一人がわらわらと木小屋から出ていた。一番先頭に男と女の隣についた子どもは――ナーラッという少女である。
ナーラッという少女は男と女に名前を呼んで、礼を言った。
「あ、ありがとうございます……トモモさん、ムーンちゃんさん。」




