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六人家族が異世界に  作者: ヨガ
サンタリアー
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66

 「よいっしょ」と、若い男性職員は縄でラーリーの身体を縛った後、室内の中央にいる五人は向かい合っている。


「さて、獣人の神官に知らないよその冒険者……一体何があったんだ?」会長は片手が腰に当てて、もう片方の手が顎に触る。二人のことを見極める感じでまじまじと見ている。


 二人は何も喋っていないが、ノールは見られると少し俯いた。モモナーは逆に微笑みを浮かべた。笑顔で向けてくることに会長は一瞬眉を上げた。少し意外な反応だった。


 だが、二人も説明する気がないようで、会長は仕方なく二人から目を逸らして、サティマとティラエスのところに向いた。説明してという意味だ。


「……最初はあの神官が先に来たんだ。なんか用事があるらしい。」とティラエスがノールの方に指しに言った。


「そうなのか?」と会長がノールに聞く。


 ノールは頷いた。


「でも私……あの二人に阻止されました。」とノールはサティマとティラエスに指す。


「え?なんで?」とモモナーが不可解な顔で言った。この質問にノールは軽く肩を竦めた。


 サティマとティラエス二人一回顔を見合わせた後、沈黙した。


「ふーん……まあ、原因は後にして、それで?」確認できた後、会長が二人に「続けて」と言った。


「次はあの子が暴れしにきた……」とサティマがモモナーに指して言うと、「ちょっとちょっと!」とすぐにモモナーに中断された。


「私、暴れるなんてしていない!」


「お前が“たのもうー”と言いながら入ってきたじゃねえか!」


「それは、別に喧嘩したいわけじゃないし、防衛手段というか……舐められないように見張っているの!」


「……じゃあ、それをおいといても、俺らを無視してどういう了見だ!」


「どういう了見って……別に君たちに伝えることじゃないから。」


「はあ?ふざけてんのか!」


「ああ!待って待って。」と会長は両手を開いて、間もなく争いになりそうなところで両方の間に入る。サティマとモモナー二人に離れさせる。


「とりあえず、君は――えっと、たしかモモナーさんだっけ?」会長はモモナーの称号を思い出して、聞いてみた。


「はい。モモナーと申します。」モモナーがそう言うと、ノールはこっそりとモモナーのことを見ていた。少し見開いている目、驚きの反応を示している。


 そして、会長はノールの視線に気付き、彼女の反応が気になっている。


「モモナーさんは暴れていない、そうだね?」と会長は会話しながら、ノールを観察している。しかし、自分の視線に気付かれると、ノールは俯いた。何となく警戒されていることがわかっている。


「うん。先に暴れ始めたのはあの人だ。」とモモナーはラーリーの方に指しながら言った。


 全員一回ラーリーの方向に目を向いた後、またモモナーの次の話に注意を引かれていた。


「今どんな身分なのかわからないが、中身の奴は多分私が知っている奴だと思う。狙いが私だからね。」


「中身……か。」中身のこと、後に聞こうか……会長はそう思いながら、ノールの反応を観察するのをやめた。


 どうやら、モモナーの名前以外、あまり大きな反応を示していない。


「つまり、先に暴れていたのはあいつで、君たちは別に暴れたいわけじゃないと……そういうことだね?」


 モモナーとノール二人は頷いた。


「サティマ、間違っていない?」


「ああ。合ってる。それで、最後はアイツが来て、後のことは会長様もわかっていると思う。」とサティマはラーリーに指した。


「なるほど……」と、会長は頭を掻いた。


 会長は今、悩んでいる。主に処分についてのことだ。


 ギルドのメンバーならまだしも、この二人はわざと暴れたいわけじゃない。が、ここに暴れたのが事実だ。何もしないのはよろしくないだろう……


 それに、まだ気になることがある……会長はラーリーの方に目をやる。


 アイツから、あの時のヤツと似たような感じがする。何か良くない感じが……


 すると、カタと音が出た。


 会長は音の方向に目を向けると、若い男性職員が散らかしている机や椅子を片付けている。


 ここで会長はちょうどいいと、いいアイデアが思いついたように手を軽く叩く。


 会長が「ローラン!」と呼ぶと、散らかっている机や椅子、片付けている最中の男性職員はすぐ気を引き締まって、立ち止まった。


「はい!会長さん!」ローランと呼ばれている男性職員が返事する。


「お前は片付けなくてもいい。この二人にやらせておけ。」と会長は親指でモモナーとノール二人の方向に指して言った。


 ローランは一回二人に目を向けて、会長に頷いた。


「指示すればいいんですか?」


「ああ。」会長は二人に「いいんだね?」と言った。モモナーとノールはうんと答えた。


「でも、会長さん。傷跡はどうすればいいですか?」室内に所々にナイフとメリケンの傷跡が残っている。ローランはそれらを指して言う。


「床と壁の傷跡はやつらに任せる。修復できるだろう?」


「「はっ!」」


「そんで、何が話したいことがあるかもしれないが、整理してから話そう。いいか?」会長は再びモモナーとノールに言う。


「いいですよ。」「うん。」


 会長は少し二人のことに注目した後、「じゃあ、始めようか!」と皆に向けて話した。


 全員、整理し始めた。

あけましておめでとうございます!

小説の創作もまだまだ頑張ります!

そして、応援もよろしくお願いいたします!

ちなみに、いいねや星評価、

私のモチベーションに繋がりますので、もしいただけると幸いです!

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