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全員、しばらく冒険者協会の室内に片付けている。
カタ、カタ……と二人の女性が机を運んで、椅子を元に戻す。ローランの指示通りに動いて、手を動かす。
二人の男も復旧作業をしている。目を閉じて、数秒後、ブロンズ色の光が両手から放つ。ナイフが刻んだ傷跡、壊された半壊の品々、光によって少しずつ復元している。終わった後、会長に命令されて、次の傷跡に修復する。
誰も復旧作業に集中していて、まだ気付いていない……一人は幻覚から目覚めること。
まさか、全てが幻覚だったとは……油断したな。そう考えた“彼”は、自分が拘束されていることに気付いた。そして、周りの状況を観察して、すぐこの状況からどう抜け出せるか考えた。
だが――脱出……無理そうだな。“彼”はすぐこのことがわかった。
魔法にかけられた縄がしっかりと制限している。強引にやぶれないし、もがくと更にギュッと締まる。
この身体の柔軟性も足りていない……
普通の人なら、もう諦めて大人しく罰を待っているだろう。
しかし、“彼”は違う。
……この身体を諦めよう。どうせ、“死んでいる”。
“彼”の目線は、モモナーに移す。
次は絶対……殺意を含めているその目は次の瞬間、生気がなくなった。
****
カタ。机を置いた音。
次に、ノールはまた一つの机を運ぶ。
「あ……えっと、神官様。その机はあそこに――」とローランが指示した。
ノールはローランの指示を受けた後、ゆっくりと机を運んで、少しずつ後退する。間もなく指示した位置についたところで、突然むにゅっと、
「あ!」「あん!」と柔らかく、弾力性のあるものの感触がノールのお尻と尻尾の付け根に伝わった。
身体が驚きの刺激を感じて、ファサッっと反射的に毛を逆立てている。
ノールが慌てて振り返ってみると、あの弾力性のあるものはモモナーのお尻だった。どうやら二人が物を運んでいる最中、お互い背を向けながら、ちょうどぶつかったのだ。モモナーも振り返った。
二人が振り返ると、モモナーがすぐ「ごめん、獣人ちゃん!」と、かわいい笑顔で謝った。
「じゅ……いいえ。こちらこそすみません。気付いてなくて。」とノールが恥ずかしそうに言っていた。事故とはいえ、かなり敏感なところがぶつかっているため、顔が若干赤らめている。
モモナーが謝った後、じーっとノールを見つめていた。見つめられているノールは気まずい感じでこう言った。
「……どうしました?」
まるでこの問題を待っていたかのように、モモナーは嬉しそうな微笑みを浮かべて答えた。
「獣人ちゃんのお名前は何ですか?」
身長がモモナーより少し低いため、「……ノール、です。」とノールは上目遣いの視線でモモナーに答えた。
モモナーは一瞬身体が震えていて、「ノールちゃんですね!」と一回繰り返した。喋っている時、若干興奮な気持ちを抑えているようだった。
「う、うん……」少々引いているノール。
受け答えがあるため、モモナーは更にグイグイと攻めた。
「ノールちゃん、かわいいですね!」
「あ、ありがとう……?」唐突に褒められて、ノールは躊躇ってから答えた。
まさかこの子……自分に好感を持っているのか?と、モモナーの態度からそう思わずにいられないノールである。
だが、ノールはすぐにわかった。モモナーは自分を見ている時、時々自分の耳や尻尾に視線を移ること、また、「獣人ちゃん」という言葉から、彼女が気になっているのは自分ではなく、獣人の身分だったということがわかった。
獣人のことが気になる人間が少なくはない。少なくともノールの昔にはそのような人間がいた。だが、そのどれもここまで明確な意思表明をしていなかった。ほとんどこっそり見ていただけだ……
いや……一人がいた。不思議と、ノールは昔の記憶からとある人を思い出した。その人影が浮かぶと、かの人の輪郭が目の前のモモナーと重ねた。
そのせいで、ノールは思わず口に出してしまった。
「……耳、触ってみます?」
「え?いいの?!」と思わず大声で言ったモモナー。全員この二人に注目した。大声でハッと我に返ったノールは自分が何を言ったのか意識できた。
ノールが「いいえ、ちょっと……」と拒否しようとしたが、もう遅かった。
「じゃあ遠慮なく!えい!」とモモナーは言葉通りに遠慮なく、すぐ両手を伸ばし、ノールの耳にもみもみと揉んでいた。
「はぅ!」耳がピコと跳ねた。
「犬系のケモ耳……いい感じ!」
う……う……とノールは少しぼやく感じに唸り声を出している。耳は相対的に敏感ではない部位だが、それでも相当な時間に揉み続けると、やはり恥ずかしくなる。特に獣人では、耳をもむ行為は子ども時代の一種の遊び行為だ。
尻尾の追いかけっこ、耳もみ、またすりすり行為、どれも獣人の子ども時代でよく見られる行動だった。
子どもだけの、不安やストレスなど解消するための行動。言い換えると、ノールにとってこの状態は――
まるで……子供みたい……と、ほぼリンゴみたいに顔が赤くなった恥ずかしいと思うノールである。
もみもみの時間はたった十数秒くらいの時間だが、ノールの体感では十数分くらいに長かった。それに、自分が言い出したのだから、ノールが止めずにいた。
「あ、あの!モモナー、さん!」ここで、ローランは恐る恐る感じに話しかけた。
「うん?」
「整理があと少し終わるので……その……」とローランは手が上辺に浮いて、「しばらくやめて」という意味のポーズを取った。
「お!そうでした。ごめんなさい!」とモモナーが手を離して、「ごめんね」のポーズで言った。
「い、いいえ……」とノールは手で毛並みを整えた。
この行動を見て、モモナーが「あとでまた触ってもいい?」と聞いてみた。
「……え?」すぐ答えられないノール。
「あ、いや!気にしないで……さあ!続けましょう!」
この子……もしかして、獣人が好みなのか?と、ノールがボーとして立ったまま考えていた。
****
片付くことがやっと終わったところ、会長は室内のあるところに立ったまま、ずっと動かなかった。
ローランは背を向けている会長を見て、語りかけた。
「会長さん。もう終わりましたよ!」
だが、会長は返事しない……いいえ、正確には深く考え込んで話さなかった。会長はちゃんとローランの話が聞こえている。
その証拠は、
「ローラン……」と会長はローランに話しかけたのだ。
「はい?」
「お前も確かめてみろ。」
「……何を?」
「こいつ、死んでいる?」
「え?」
会長の前に、ラーリーの身体が無気力に横たわっている。呼吸の起伏がなく、静かに。
最近、日本ではかなり不祥事が多かったです。
どうか今後ずっと無事になるよう、また、誰も健康に過ごせるように祈ります。
世界平和第一!




