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これは、とある女の子の話。
女の子にはとてもとても幸せな家族がいた。
お父さんとお母さん、またお兄さんと弟君、最後に妹ちゃんもいた。
六人はずっと、幸せな生活を送っていた。
しかしある日。女の子は不思議な世界に飛ばされた。女の子の家族もバラバラなところに飛ばされた。
一人ぼっちになった女の子は不安で不安で仕方なかった。
だから彼女は泣いていた。
女の子は家族がいないと、心が弱いのだ。
ずっと泣いている女の子がかわいそうだから、優しい風さんは女の子を助けた。
風さんは女の子に家族の声を運んであげた。
そして、家族の声を聞くと、女の子が元気になった。彼女にとって、家族が大事な人たちだから。
元気になった女の子は風さんに感謝した。
感謝された風さんは嬉しくて、女の子にそう伝えた。
「僕、君の家族を探すのに手伝う!」
「本当に?」
「うん!僕は導くのはうまいから!」
風さんのおかげで、女の子はすぐ全部の家族が見つかった。
女の子は安心して、「風さん。ありがとう――」と風さんに礼を言いたいとき、あらたいへん!
なんと風さんはとてもうっかりさんで、気付いてなかった。
女の子とその家族全員は、悪いサルさんと悪いアライグマさんの縄張りに入ってしまった!
悪いサルさんと悪いアライグマさんはとても悪いだから、女の子の家族を攫って去った。
女の子はもう一度家族と別れさせられてしまった。
女の子は心が弱いから、風さんは心配していた。
しかし今回、女の子は落ち込まなかった。
女の子の側に妹ちゃんがいたから。それは女の子が精一杯で守った家族だ。
****
ここはとある町の酒場。
酒場の中に色んな人があり、情報収集、交易、会談、また政治を語る人たちもいた。正式な服を着ている人もいれば、奇々怪々な服装と髪型をしている人も少なくない。そんな中に、一番多く見られる姿はフードを被っている人達――旅人である。
その人達はわらわらと一箇所に集め、盛り上がっている。ギャンブルが行っているのだ。粘土製のオイルランプに机の上に点在し、動物性脂肪を炙った多少の臭気も旅人たちのフードと混ぜて、独特な匂いに形成された。
一人の女性は頼んだ酒に一口に口づけ、人離れのところからその人たちの姿を眺めていた。少し不機嫌そうな表情をしている。だが、この表情になる原因は彼女が眺めている騒々しいひと群れではない。目の前のもう一人である。
「――と、こんな感じです。」キツネっぽいの目付き、喋っている男のかなり細いツリ目に狡猾さがひそめている。営業スマイルを加えて、その狡猾さは更に幾分増した。
「つまり、一言まとめると、収穫ありません、ってことですね。」
「ええ。まあ、残念ながらそういうことです。」
フードを被っている女性は男に見せられないように、失望のため息をついた。
女はこの一ヶ月間週に一回、ずっとこの男とこのように付き合いを交わされた。
男は自称情報屋。自分のすじがあり、どんな情報も手に入れる凄腕の情報屋と、“凄腕”は別人の裏付けだが……
結局、君も同じか……自演おつ。
「……そうですか。では、協力はここまでにしましょう。(成果は芳しくないですが)……お互い良い経験になりましたでしょう。」とフード女は何枚の銀色の貨幣を机に置き、去ろうとした。
去ろうとしたすき、ツリ目男はすぐフード女の名前を呼び止めた。
「モモナーさん。」
「……何?それと、あまり名前を呼ばないでくれる?」自分の名前を教えていないが、モモナーはあまり驚いていない。
むしろ、「こいつもか」という不機嫌な雰囲気を出している。
「それは失礼。ですが、勝手にモモナーさんのことを調べさせてもらいましたので、つい――」キツネ男の話はまだ終わっていないが、挟まれた。
「そういうアピールはいいんです。あなたはそういう能力がありません。少なくとも、情報収集の能力が及第点までついていません。この一ヶ月間で十分わかりました。」もちろん他の点でわかることもあるが、基本までできていない時点で、話す意味がない。
……それに、今はまだ意識していないふりをしたほうがいいと、モモナーが判断した。
モモナーに言われて、キツネ男の営業スマイルは少し固くなった。あるいは、目付きに険しさの感じが増した。
「……さすが冒険者協会に喧嘩を売った女と言ったところでしょうか。今もこうして各町の冒険者協会に喧嘩を売っていますね。」
モモナーはもう心底からキツネ男のことに面倒がっている。キツネ男が言っていることはどいつもこいつも簡単にわかるような情報だったから。
「まあね。」
それに、全て個人情報だ。依頼人が欲しい情報は何も手に入れてないのに、依頼人の情報しか調べていないのは一体何のつもりだろう。
「挑発のモモナーさん。あなたは実に愉快な存在ですね。」
こいつ、まさか意味深なことを言えば、私がのこのこと信じるとでも思っているだろうか……まあ、今までずっとこうしてやってきただろうね。
モモナーはふぅと息を吐いて、なるべく失礼のない笑顔を作った。
「そうですか!あなたは楽しんで何よりです。ですが、サムさん。あなたの情報は少し古いですね。」
「ほう?」とサムと呼ばれていたキツネ男が意味深な声を出した。
モモナーはここで、兄さんの直伝と思って――
「私、もう“長髪”ではなく、“短髪”でしたよ。」と言った。
彼女は頭に被っているフードをめくって、短髪をしている女の姿がそこにいた。
卵型の顔にショートボブに近い髪型、美より可愛さのほうが先立つその五官にお茶目な雰囲気が漂う。一目で見惚れるような姿ではないが、その容姿は誰に聞いても間違いなく綺麗だと言われるだろう。
だが、そのようなことはサムにはどうでも良かった。むしろ言われてきたダジャレに少しイラッとした。
「……は?」営業スマイルがやっと崩れたことに、モモナーは少し楽しくなった。
「うん。やっぱりそうこなくちゃ――おっと!わかっていますよ……では、私はこれで。」とわけがわからない話をして、今度モモナーは本当に去っていた。
「おい。」サムの呼び止めも無視した。
モモナーはサムの呼び声に無視して、出口の両開きのスイングドアを開けて、酒場から出ていった。
やはり、市区域はもう駄目でしたね……と、これはモモナーが酒場を出た後の一言である。
また、酒場の隅に座っているサムの視線は、ずっとモモナーが酒場を出るまで、彼女の後を追っていた。
モモナーが出た後、サムの表情は一変し、前の机に向かった。
彼はドン、ドンと指で軽く机の表面に叩いてたら、ひと群れの中から、旅人らしきの人がサムに近づいた。
「……街中のやつらを集めろ。俺が後をつく。」
「ハッ!ちなみに……掴まったら、“遊んでも”?」旅人らしきのものは妖しい笑顔を出した。
「ふん。壊れないなら、好きにしろ。あの方は何も拒まないからな。」とサムも妖しい表情になった。
「……わかりました。では。」と旅人らしきのものも去っていた。
****
酒場を出た後、モモナーはしばらく街中にぶらぶらしていた。左を見て、右を見て……ずっと何を探している模様。
時々独り言も言っていた。
「あれから、もう三年が経ちましたね。」
「……ふふ、そうですね。酒が飲めるようになりました。」
「あの件がなければ、まだ弟君と妹ちゃんとお喋りができるのに……半年前に至って、兄さんともお別れしなければ……」
早く、全部を済ませて、みんなに会いたいな……と最後の独り言を言い終えて、モモナーは足を止めた。
なぜなら、ここからはもう彼女の独り言ではない。
「……足音、聞こえていますよ。」とモモナーが身体をひっくり返して言った。
ダ、ダと、まさか自分がバレていたとは考えていないようで、サムは慌てて足を止めていた。
「……おや。これはこれは。さすがモモナーさん。」と両手を開き、嬉しそうな表情をしているサム。
はぁ……今までの誰よりも下手すぎる。自分の経験則に従っていたら、むりもないか。
「……何が用事でも?」興味なさげに話しかけたモモナー。
「それは――モモナーさんがくれたお金を数えたら、足りなかったようです。」
「ふーん。」モモナーは言い訳を聞いているような感じに両手を組んでいた。
「凄いですね。サムさん。このような言い訳、私、何回聞いたと思う?」
沈黙したサム。
「もう指南書でもあるのかっていう感じに聞いたよ。まあ、変則体のやつもあるけどね。たとえば落とし物とか、おつりをくれるとか……あと顔のせいか、直接にナンパしにくるようなやつもいた。でも、アレはまだマシな部類かもしれないね……」モモナーはサムの方に直視し、鋭い目つきになった。
「だって、そういうやつの目的が一番わかりやすい……でも、サムさん。お前は?自分の本当の来意を説明したらどう?」
モモナーが例を挙げている時、サムはすでに険しい雰囲気を出していた。最後の“来意”に言っていると、もう卑しい笑みを浮かべた。
サムは街のみすぼらしい浮浪人に目をやって、頷いた後こう言った。
「……ああ、わかったよ。自分の来意を説明するよ。だって、もう集めたようだしなぁ!」サムが言いながら、一手を振った後、もう片方の手を振った。
人々がだんだんとサムの後ろに集めた。
この状況を見て、モモナーが一つの評語を思い付く。
ごろつきの巣。
「はぁ……やっぱりこれが本当の目的だね。」
本当に、時間の無駄だったな。とモモナーがこう呟いた。
「は!いつまで調子に乗れるだろうな……全員!囲め!」とサムが号令を下すと、全員モモナーに囲もうとした。
だが、サムが号令を下すと同時に、モモナーも動いた。すぐ後ろに下がって、包囲網にされないようにした。
「何をしている!囲め!」
二十人近くだろう……とモモナーはまず一目で人数のこと目を通した。
そして、もう一度モモナーに囲もうとした人たちは、その包囲網は隙だらけで、まとまりがない。簡単にモモナーに逃される。
「何にビビっているんだ!」
「で、ですが……」モモナーを囲もうとした人たちは当然武器を持っている。大きいやつと小さいやつもある。
この状況を見て、すぐ問題がわかったサムは顔が赤らめ、怒り始めた。
「……味方の武器にビビってどうする!クソ新入り!囲め!」
モモナーは「ふ……ありがとう」と言っているように嗤っていた。
そして、今回モモナーは逃げなかった。無理やりの包囲網もやっと形成されて、モモナーに囲んだ。
「ふん。諦めたのか。」とサムが卑しい笑顔で言った。
この言葉に対して、モモナーはただ笑った後、こう言った。
「ふふ……ねえ。一つ、『占い』をしましょう。」
「ああ?」
「私、よく弟君に言われますよ。豪運の女だって。」モモナーは何かを握っていたようだ。
「っは!では、今回お前の運の尽きだ。」
モモナーは、何かを振った。
サムは、命令した。
「そいつをおさえろ!」
「「「はあぁあああ!」」」と。
モモナーは、一斉に仕掛けしに来たヤツラの攻撃に一瞬の目もくれず、一回地面に目をやる。
彼女は微笑みを出した。
“クリティカル”……やはり私、豪運のままですね。
そう思うや否や、彼女は直接後ろに手を伸ばした。
現場にいる人たちは誰も思わなかった。あるいは、このことはモモナーしか気にしていないだろう。
彼女が後ろに伸ばした手になんと、先走った他の人たちの兵器に恐れている一人の若者の姿がいた。
包囲された時、まず弱いところから突き抜ける!
モモナーは若者の服を掴んで、そいつの後ろに回り込んだ。
しゃがんで、自分に向かってきた人たちに若者を投げる。
「うわあぁ!」見事に投げされた若者は無様な叫びを出して、その身体は包囲網の二人でも一緒に投げられた。当然、自分も投げ技を喰らわないように何名も手を止めて、避けていた。
モモナーの包囲網はいとも簡単に隙を作った。
モモナーはスッとその隙から逃げていた。
「なっ……お前ら!何をやっている!追え!攻撃の手数を減らすな!」とサムが叫びながら、モモナーの後につく。
十五名か……
モモナーは走りながら、人数を確認した。そして、一つの袋小路に走りこんだ。
後をついているサムは、アホと思っているように嗤った。当然笑えるような原因がある。
この町はサムの庭みたいなものだ。路地裏にどんな裏道があるのか知り尽くしている。
あそこはまだ大通りと繋がっている……それに、裏道も三箇所ある。自ら袋のネズミになるとは……
「お前ら、裏道に回り込め!そいつを逃がすな!」とサムは三人を連れて、モモナーの後についていた。
後は自分のサインで、みんな一斉に――とこんなことを考えているうちに袋小路の前にたどり着いたサムは、シュッと隣の人、一人が消えた。
いいえ、正確には、隣の人が両足に顔面ぶっ飛ばされたのだ。そうした人は当然モモナーである。
「……これはアタック&アウェイ。あと、戦力の分断作戦ですよ。」
「……なっ!あ、ありえない!お前は身の程しらずの挑発のモモナーじゃ――」
「だからあなたの情報はもう古いだって。自ら教えてあげたのに。」
私、もう“単発のモモナー”になったんだよ。覚えておけ。
パッ!華麗な回し蹴り。
サムは気を失った。
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モモナーは周りに倒れていた人たちを見て、パチパチと埃を振り払う感じに手を叩いた。
「結局、こいつもただの無徳の人攫いの情報屋……腐っても鯛とか言えるレベルじゃないだよ。本当にどうなっているんだ。まったく。」
誰の返事を待っているように、彼女は少し静かになった。
「……うん。もう少し探そうか。きっと、まだどこかに本当の情報屋さんがいる。」
「……うん。ありがとう。」
本当、早くみんなに会いたいな。




