邂逅
……投稿普通に間に合いませんでした、申し訳ない。
和奏、西条、聖夜、山岳の四人を殺し終えた後俺はルーシーの元へと向かった。
まぁそこであんな光景を見るとは思っても見なかったが…
「ははは、マジかよ。あの男本当に人間か?」
相手は黒い刀身の剣を持つ人間そしてその人間が相見えるのはあのルーシーだ。
普通人間の彼が瞬殺されて終わるであろう戦闘は未だに続いていた。
ルーシーは右腕を斬られており、反撃しても全てを防がれている。いや防ぐと言うよりは受け流しているの方が正しい、恐るべき技量だ。
「力をセーブしてるとは言えルーシーにあそこまで傷を付けるとはね」
『すいません、少しいいですかね?』
驚いていると珍しく【剣聖】が話しかけてきた。
『あの子は現代の【剣聖】です、使っているのは聖剣ではなく魔剣の様ですが。少しお願いがあります、聞いて頂けませんか?』
まさかスキルからお願いをされるとは、まぁ俺に出来る事なら断る理由は無い。
『いいよ、何?』
『あの子と戦わせて頂きたい、【剣聖】の名を持つ者として。それに少し興味があったんですよ他の【剣聖】がどれだけ強いのか』
その言葉には何か使命の様なものを感じた、それと少しの好奇心も。
『分かった、体は自由に使っていい。彼の事は任せるよ』
『感謝します』
さてさて、なら早速舞台をセッティングしてあげよう。楽しそうに戦うルーシーの邪魔をするのは忍びないが……
『ルーシー忙しい所悪いんだけど、ちょっといいかな?』
『ん?おっと、危ない危ない、どうしたんだい?十六夜君』
『【剣聖】が彼と戦いたいって言っててさ、だから変わってもらってもいいかな?』
『う〜ん、久しぶりに楽しかったんだけど……まぁ仕方がない、良いよ変わってあげる』
『ありがとう助かるよ』
よし、これで準備はOKだ。
あとは【剣聖】に任せるとしよう、その間俺は何をしていよう。
……良い機会だし、ユニークスキル達と話でもしとくか。
『準備できた、後は好きにしてくれ』
『久しぶりに素晴らしい剣士と出会えた、戦わせてくれる事に感謝します』
随分と律儀な奴だ、ユニークスキルになる前はどんな奴だったんだろう。
「今思えば俺って本当に何も知らないな」
とりあえず考えるのは後だ、今はユニークスキル達を理解する事に集中しようか。
★★★
十六夜君からの念話を聞いた後僕はカルマと名乗った青年にこう告げる。
「悪いね、ここからは僕じゃなくて彼が相手をするよ」
「そうですか……それは残念です。王からの指令を遂行する為の行動でしたが、久しぶりに強い相手と戦えて楽しかった。……それで彼は強いんですか?」
「あははは、それは良かった、僕も楽しかったよ。後その質問は愚問だね、剣を持った彼は僕の何倍も強いよ」
今の十六夜君の体はあの時からかなり成長した、勇者を殺し大天使と戦い勝った、そろそろユニークスキルが彼の体に馴染んで来てる頃だろう。
「……どうやら、その言葉は嘘じゃない様だ」
現代の剣聖は顔を引き締め、十六夜君の一挙手一投足を警戒している。
「初めまして現代の剣聖、手合わせ願いたい」
どうやら十六夜君は既に【剣聖】に体を引き渡している様だ、彼から伝わってくる剣気は現代の剣聖を遥かに上回り場を支配している。
「……っ!?貴方も剣聖の名を冠する者なのですか?」
そりゃびっくりするだろうね、剣聖はいつの時代も一人だけなんだから。
「えぇ、そうですよ。主人には感謝しています、それにようやくこの体にも慣れて来ました、動きのズレも敵の行動把握も完璧に修正しましたし、良い戦いができそうですね」
やっぱり十六夜君の体に慣れてなかったのか、今の彼と剣で戦えば勝てるか分からないな。
ふふふふ、やっぱり十六夜君は面白い。
「では、行きますよ、先手必勝です」
そうして剣聖同士のあり得ない戦いが幕を明けた、勝つのは現代の剣聖か今は名も無き剣聖の思念か、知るのは神のみぞ知るってね。
★★★
「では、行きますよ、先手必勝です」
おっと、どうやら戦闘が始まったみたいだ。
五感なども全て【剣聖】に引き渡している筈なのに何故かワクワクしている感情が伝わってくる。
随分と楽しんでいるみたいだな。
「……ッッ!なんだこの剣技は」
「まだまだ小手調べですよ、さぁどんどん行きます」
うわぁ、どうやったらあんな角度から攻撃を返せるんだ……しかも剣速がおかしいし。
やっぱり俺が持ってるユニークスキルって性能が段違いだな。
しかもあの意味の分からない名前の刀を既に自分の手の様に扱ってるし流石過ぎる。
まだ持つのは二、三回だろうに。
『あはは〜、ご主人様やっと私たちの強さを理解したの〜?』
『ふん、今更だな』
『【王権】の言う通り本当今更ですよ』
『いやいや、お前達の強さは最初から分かってたよ、それをちゃんと実感できなかったのは俺がこの世界のスキルやら魔法やらにすぐ馴染めなかったからだ』
まっ、ルーシーの訓練でそれなりに使いこなせる様になったと思っていたが……結局は自惚れだった。
その自惚れを自覚させてくれた、ラファエルには感謝している。
『まぁ、ご主人様って異世界人だもんね〜、仕方ない仕方ない』
『おい【魔眼】あんまり甘やかすなよ、こいつはちょっと厳しいぐらいが丁度いいんだから』
【王権】は相変わらずスパルタだな、けど各々に個性があって面白いから良いんだけど。
『貴方は昔から変わらず厳しい、まぁそこが貴方の良いところでもありますが。……おや?【剣聖】が笑ってますね』
会話途中にふと【大賢者】がそう言った。
俺は意識を【剣聖】に集中させる、すると喜の感情が流れ込んで来た。
ーーー楽しい
【剣聖】は喜んでいた、自分の剣技をぶつけられる相手と戦えて、ずっと気になっていた他の剣聖の強さが知れて。
それに体を明け渡して好きに戦わせるのは滅多にしないからな。
『楽しそうで何よりじゃないか、お前達も何かあれば言ってくれ、俺が聞ける頼みなら聞いてやるからさ』
『えっ!いいの〜?』
『おいおい【魔眼】が調子に乗るから、あんまり気前の良いこと言うなよな、全く変わった主人だな』
『はははは、良いじゃないですか。変わった主人なんて私達は幸運ですよ』
『お前達の俺の印象って……』
変わった主人ね、でも愛想を尽かされて無くて良かった。
『あはは〜でもユニークスキルと仲良くして、頼み事を聞くなんて、変わってるけど良い人じゃないか。今までの持ち主は道具扱いしかしなかったってのにさ?』
道具扱いか、たしかに用途としては間違ってない。
今までの持ち主を責める奴はいないだろう、でもやっぱり仲良くできるなら仲良く楽しくした方が良いだろう。
それが無理だと直感で感じる奴もいるがな。
『そんな奴だからこそ、あいつは主人に俺らを託したのかもしれんな』
『はははは、そうですね、確かにそうだ。それに……いや今はやめておきましょう』
思わせぶりな事を言って途中でやめられると、凄く気になってしまう。
俺はそれが特に強い、有栖にも良くそれでからかわれてたな。
『そうかよ、ありがとな』
なんだかんだ言っていい奴らだ、さて次は剣聖同士の戦いを観戦するとしよう。




