帝国の王
間空いてすいませんでした_:(´ཀ`」 ∠):
書いてたらフリーズしておじゃんになってしまったのです、本当萎えますよね…あれ。
アルカディアが壊滅した。
臣下からそう報告されても俺は全く驚かなかった、何故?それも当然だろう。
数時間前に急遽開かれた勇者会議でアルカディアを壊滅させたであろう張本人の力を目にしたのだから。
そいつは俺達と一緒に異世界であるここアースへ共に呼ばれたクラスメイトの一人、霞 十六夜。
だが奴と俺らは決定的な違いがあった、そうステータスだ霞は馬鹿げたステータスとユニークスキルを持ち俺らの何倍も強かった。
まぁ、それに目をつけられて拷問にかけられたみたいだが、その辺りは俺じゃなくて良かったと思う。
だって嫌だろ?せっかく人智を超えた力を手に入れて異世界を楽しめる!って時に拷問とかナンセンスだ。
そして今桜花の奴が霞を殺し損ねたせいで俺らが狙われている、既にデブとバカップルが殺された。
桜花の不始末が今俺達に降り掛かろうとしている、はぁ、ため息が出る……せっかく帝国の王になったのに化け物が俺達の命を狙ってるんだぜ?
しかも天使を殺す程までにぶっ壊れている奴だ、真っ正面からやって勝てるのは魔神か神くらいだろうよ。
俺達勇者が束になってかかっても瞬殺されるだけだろうな、わざわざ殺されに行くなんてごめんだが。勝つ事が叶わないと分かっていてもみすみす殺されたりはしない、取れる手段は取るつもりだ隼人の奴は何かいい案があるみたいだった。
「はぁ、聞いておけば良かったかな?」
玉座に座りながらため息混じりに吐いた言葉に臣下である一人の男が口を開く。
「どうしたのですか?ため息など吐いて」
今俺に疑問をぶつけたこの男は俺が帝国の王になると知って近づいてきたクラスメイトだ、名前は和奏 勝樹俺が王になる前までは全く関わった事がなかった。
大方良い思いをしたくて近寄ってきたんだろう、まぁこいつのスキルは役に立つ、近くに置いておいて損はないだろう。
しかしこいつも勇者会議にはいたが霞の事はあまり気にしていないらしい、肝が据わっている…いやただの馬鹿とも捉える事ができるが。
「ん?例の件だ、どう生き延びようかなってさ」
あんな化け物相手に小細工は通用しないだろうけど。
「あぁ、霞の件ですか?それは僕たちの方でなんとかしますよ」
なんとかしますよ、ね。
そんな簡単に対応できるならアルカディアは壊滅なんてしなかっただろう。
それにあの馬鹿みたいに強い天使それも大天使をぶっ殺す程の奴にお前達が束になっても対応できるとは思えないんだが?
「お前らでどうにかできるの?絶対無理だと思うけど」
彼の言う事は真実だ、霞 十六夜という存在に対して人間を超越しただけの力しかない勇者とは天と地の差がある。
ステータスひとつ比べても彼らは霞 十六夜には勝てないのだ、そんな存在を前にして強気でいられる和奏という少年は頭がおかしいか、本当に対抗できる策があるのかのどちらかだろう。
「確かにそうですね霞の力は莫大だ、ならその力を発揮出来ないようにすれば良いと思いませんか?」
「……何か考えがあるわけ?」
不敵な笑みを浮かべて意味深な事を言うその顔は悪代官そのものだ。
こいつは力も頭もそこまでいいわけじゃないが悪知恵だけは働く、それにこいつのスキルはこのうざい性格と最高に相性が良い。
「えぇ、もちろんです流石に勝算がない事をやろうとはしませんよ」
あんな化け物相手に勝算も糞もない気がしなくもないが、勝てる見込みがあるなら好きにやらせよう。
「へぇそれで?その勝算って言うのはどれくらいなの」
「そうですねぇ、上手くいけば八割は固いと思います」
「随分と高いけど、どういう作戦なの?」
「簡単ですよ霞の近くにいたエルフの女に"あれ"を使うんです」
やはり先ほどの好きにやらせるというのは訂正しよう。
絶対にダメだ。
「……冗談だろ?」
和奏が言う"あれ"とは帝国が建国された時から今まで継承されてきた宝具の事だ、その効力は絶大だと聞いているがその発動条件が有り得ない程難しいため過去に一度しか使われた事はないらしい。
俺ら勇者がいれば三つある条件のうちの一つ神獣の生き血はすぐに達成できるだろうが後の二つは……
「"あれ"の発動条件を忘れたわけじゃないだろ?霞の為にそこまでのリスクは犯せない」
あんな物を使えば帝国はおしまいだ、使ったその日にはただの廃国になる。
せっかく苦労して帝国を乗っ取り王になったと言うのに、自分で滅ぼすなんて馬鹿すぎるだろう。
「あははは、面白い事を言いますねな死んでも良いんですか?たかが五千人を生贄にするだけで助かるかもしれないんですよ?」
「お前それ本気で言ってるのか?五千人だぞ?有り得ないだろ」
そう"あれ"の発動条件二つ目は五千人の命を捧げる事だ、今帝国には約一万八千程の人間が住んでいるその内の五千を生贄にしろと言う事だ。
「人間なんて放っておけば勝手に増えますよ、それに国が滅べばまた作ればいい」
こいつは分かっているのだろうか三つ目の発動条件で結局帝国は住める土地じゃなくなる、生贄から逃れられたとしても結果死ぬ事になる。
「簡単に言いやがる国を作るのがどれだけ大変か分かってないだろお前」
「あははは、そんなの僕の仕事じゃないので」
軽薄な笑みを浮かべて心底どうでも良さそうに和奏は話を続ける。
「まっ、何もせずに死にたいなら勝手にしてください、僕と他三人は"あれ"を使って生き延びますよ」
「俺がそんな事を許すと思ってんの?」
王である彼は何も智略だけで王の座についた訳ではない、勇者という肩書きに相応しい武も兼ね備えている和奏だけでは相手にもならないだろう。
「おっと流石に凄いですね、いつの間に拘束を解いたんですか?」
「俺が気づかない訳ないだろ、さてやっぱりお前達を信用しなくて正解だったよ、さっさと出てきたら?」
俺がそう言うと同時に壁から三人の男女が姿を現わす、和奏と一緒に俺へ近づいてきた勇者だ。
左から山岳 英二 聖夜 愛 西條茜と言う面子だ。
山岳はいけ好かないインテリメガネ、聖夜は重度のぶりっ子、西條は武闘派というなんとも濃い奴らだ、だがこれで一気に形勢が逆転した。
さすがの俺も勇者四人を相手にするのはいささかきついものがある。
「王よ愚かな選択をしましたね、私達を相手に回すなど」
「あらら〜駄目だったか〜まっ愛達だけでなんとかするからいいけどねっ」
「………」
「さてこれでもまだ勝てるつもりですか?」
口々に好きな事をほざいているが、人数が増えただけで増長するのは三下のやる事だ。
それに何も防衛手段を用意していない程俺は間抜けではない。
「勝てる?まぁ確かに俺も四人を相手にするのはきついよ、でもさこれなら関係ないでしょ【魔力封結】」
言うやいなや彼の魔力に呼応し一つの呪術が発動する、【魔力封結】結界の中に封じ込め魔力を使えないようにする呪術、だが彼の【魔力封結】は特別せいだ魔力を封じるだけではなく体力を吸い上げる効果もある。
時間が経つたびに体力を吸われる彼等は床に蹲りその痛みに悶絶していた、それに魔力を封じられているため痛みを消す魔法をかける事もできない。
「ふぅ、こんなものかな?誰にも言わなくて良かったよ本当に、まぁこんな奴らに切り札の一枚を切るのは勿体ない気もするけど」
彼は自分の張った結果の中を見ながらそう語る。
封じ込められた四人は痛みに悶えながらも王座に座る彼を睨みつけている。
「あっぐぁぁぁ……はぁはぁ…あは、あははは…まさかこんな事に……後悔させ、てあげ……ますから」
「はぁ、懲りないね本当に、また裏切られると面倒だし君達は洗脳行きだ、それが終わればまた霞について話し合おうか」
彼にとってクラスメイトなど関係ない、裏切り者を許す程彼は心優しい王ではない、罪を犯した者には罰をそれが彼の信条だ。




