彗劉Happy Birthday!〜5/17は三橋彗劉の誕生日〜
彗劉くんの誕生日です、泣かせましょう。
誕生日おめでとう彗劉!
無理矢理生年月日決めてごめんね!
※本編中学生編のifっぽいようなifじゃないパラレルかもしれない
※病んでない
*
「なあ、俺の誕生日覚えとる?」
久々に両親もクズミも居ない中、スイが遊びに来たので一緒にお菓子を作っているとそんな事を言ってきた。
突然の事にぱちぱちと瞬きをしながら、動かしていた手を止めてスイを見る。
たん、誕生日?
「え、覚えてるけど…」
「じゃあ言うてみてや」
「ご、5月17日…?」
カシャカシャとボールの中で泡立て器と一緒に踊る生クリームに、スイはチョコ味の方が良かったんだよな、と思い出して近場に置いたココアパウダーを投入した。
スイの誕生日くらい覚えているに決まってる。
だっていつもいつも個人情報をしつこいくらい教えてくれたし、私の個人情報だってできる限り言ってきた。
これで忘れるって方が可笑しい気がする。
無関心な人ならともかく、スイは私の弟みたいな人だ。
「なんやほんまか…なぁ」
ココアパウダーを持っていた手を掴まれて、つい、と顔を上げた。
不自然な言葉の区切り方、間の空き具合に何を言うつもりだろうと思考する。
「なあ」とか「知っとるか」とかみたいに質問する時、大抵彼は泣きそうな顔をして私を見る。
まるで何かを確認しているかのように、捨てないで、と言っているかのように。
馬鹿だな、捨てるわけないじゃない。
私は、君の存在を「知ってる」し君を「分かってる」よ。
「今日が俺の誕生日って知っとって、」
「うん、ケーキ作ってるよ。『俺は生クリームよりチョコクリーム派なんや!』だっけ?」
知ってる、知ってるよ。
今日は君の誕生日。
いま不在のお母さん達はスイの為にご飯の材料を買いに行ってるし、あのスイと犬猿の中なクズミだってプレゼントを買いにいっている。
みんなが君を、お祝いしてるんだよ。
「…」
「晩ご飯、楽しみにしててね。今日は家に帰らないんでしょ?」
あんな暗いところに居ないで、思いっきり楽しんでしまえばいいのだから!
君は暗闇の人間なんかじゃない。
さあ、おいで。
「みや、」
「なあに」
迷える仔羊さん、貴方の懺悔は何でしたか?
心の憂いは晴れましたか?
「なんでここ、こんなにあったかいんかな…」
「それはスイがいい子だからだよ。誕生日おめでとう、スイ」
ありがとう、と鼻声で言う君が愛おしいよ。
泣いている顔を両手で隠して、口角を無理矢理上げようとする。
そんな君に、これから先も「誕生日おめでとう」って言うからね。
だから悲しまないで、今までの分君が笑って過ごせる未来にしよう。
「ミヤもミヤの家族も大好きや!」
「あはは!クズミは?」
「ふんっ知らんしあんな陰険男」
「んだとこのクソ三橋!せっかくテメェのプレゼントを猫と計画して買ってきてやったってのに…っ」
「みゃーちゃんただいまぁ。あ、いらっしゃい。彗劉くん来てたのね、誕生日おめでとう!」
いつの間にかみんな帰って来て、また家の中がいつも通りの風景に戻った。
大丈夫、ここが君の居場所だよ。
そんなところで泣いてないで、暖かい場所に来て。
さあ笑って。
「ここに来て良かった!」
誕生日おめでとう、スイ!
*彗劉Happy birthday!〜5/17は三橋彗劉の誕生日〜 end
Twitterも彗劉にしちゃおうかな企画計画中な4/22の現在。
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