あなたはもう、十分に頑張りました。その心に、穏や かな光が灯りますように。
「かこう湖?」
「うん」
「それ、どこ?」
「ほら。富士山のふもとにある……」
「河口湖?」
「そう。それ。かこう湖」
「あのなぁ。……」
「今日まで、本当によく頑張ってこられましたね」
その言葉を、まずはあなた自身にそっと届けてあげてください。誰にも言えず、胸の奥にしまい込ん
できた生きづらさや、張り詰めていた心の糸。○○年という歳月の中で、あなたがどれほど周りに合わ
せ、痛みを堪えて歩んできたか、私は静かに想いを馳せています。
もう、無理に前を向こうとしなくて大丈夫です。自分の取扱説明書がようやく見つかったような、安
堵と戸惑いの中にいるあなたを、そのままそっと抱きしめます。
よくぞ、ご自身の手を離さずにいてくれました。これからは、誰かのための人生ではなく、あなた自
身をいちばん大切にする時間です。傷ついた心にそっと寄り添い、温かいお茶を淹れるように、これ
までの歩みを優しく労ってあげてくださいね。あなたはもう、十分に頑張りました。その心に、穏や
かな光が灯りますように。
「右手をご覧ください」
「ん?」
「右手に見えます、一番高いのが」
「ん?」
「中指でございます」
「ふる……」
「まだ、周りに追いつかなきゃダメか?」
そんな風に、自分を追い詰める必要はもうないんだよ。
○○歳になって、役職や結婚、将来への焦りが一気に押し寄せてくる。社会の「普通」に合わせよ
うと、すり減るまで働き詰めてきた君の背中を、ずっと見ていたよ。○○○○だと気づいたのは、君
がこれまで限界を超えて戦ってきた証拠。心が「もう休んで」と、命がけで送ってくれたサインなん
だ。
「ガタロ」
「ん?」
「ガタロ」
「ん?」
「だから、ガタロ」
「なに?」
「枝雀さんが『ガタロ』って言うだけで、ドッと受けるんだよ」
「そう言われてもなぁ……」
責任感が強くて、弱音を吐けない君だからこそ、今はただ、その張り詰めた肩の力を抜いてほしい。
スーツを脱いで、ベッドに倒れ込んだ君の体も、傷ついた心に、私がそっと抱きしめてあげる。
よくここまで、一人で耐えて生き抜いてくれたね。これからは、誰かの期待に応えるためじゃなく、
君が息を吸いやすい生き方を探していこう。少しずつ、自分のペースを取り戻せばいいんだよ。君の
味方は、ここにいるからね。
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