37話『冥福をお祈りしましょうか』
◇◇◇◇◇◇主人公side◇◇◇◇◇◇◇◇
「…一緒に、行きませんか。
ミチルたん。」
「……うん…」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…鍵が…かかってない…」
「…というよりも…鍵穴が錆びて鍵を閉めれなくなったんでしょうね。」
他の部屋よりも湿度が高いから、鍵が錆びたんでしょうね。
そしてミチルたんは…やっぱり現代人です。僕が守らないと。
「…ねぇ…あれって…
ぇ……」
「っ…………ミチルたん……!!!???」
「…ぇ…ぁ?????????」
…彼処に…誰かいる…!?
いや……この臭いは……
「…やっぱり…あるんだ……」
鳥肌どころじゃない…
身体全体震えてる、何かが込み上げてきてる
でも…でも、確かなのは……
人道に反した…臭いが……溢れてる……
「死体が…」
…人間の…死体…?
……本物…の
腐乱死体。
「ミチルた…ん……」
「…ぇ???ぁ……??
…?」
「…あれを見ないでください!!」
ミチルたんにあれを見せちゃいけない……!
「…ミチルたん…落ち着いて一階へ…迎えますか…?」
「!……い…ぃや……」
……ミチルたんも正常な判断が出来てない。
僕がしっかりしないと。
「…公共機関に伝えなきゃ…」
「!……」
駄目だ…あれに視線を合わせたいのに揺れてる……
視線がずっと右下にいって、落ち着かない
「ミチルたん、少し落ち着いた……?」
「……ほんの少し…だけ……」
取り敢えずアリスたんに連絡を入れておこう…あとアリオンくんにも。
「落ち着いて怪我しないように外に出ててくれる……かな……」
「……あたしも行く…」
ハンカチ、持ってきていて良かった。
いや、正常に考えた場合衛生面を考慮して外に出た方が良い。
……アズきゅんを起こさないように。
「…あの死体……にかか変じゃないかしら……」
……全身に腐ってるけど…
他の死体と変わらな
「……特に…は」
カチャリッ
「……ッ!!」
「……っ……はぁ………ねぇ私のレイテルは本当に可愛いと思わない?」
頭に…冷たい感触…………銃!!??
「…っ…大事な…大切な銃をね?
私のベットに置いてっちゃってたの。」
…落ち着け!落ち着け!!
…あの時キャミエルたんが撃ったのは火薬銃…
音を出すことを目的として作られた銃で殺傷能力は無いに等しい……!!
「はは…ごめんなさいミチルたんの地雷踏んじゃいましたか。
でも、火薬銃は僕に向けて撃った場合、ミチルたんも音が反射しちゃって危ないですよ。」
……鼓膜が死ぬ!!鼓膜が死ぬッッッッッ!!
いや鼓膜どころじゃない!!!でもミチルたんが被害合うのは絶対にやだッッッ!!!!
「…あら、余裕なのね?」
…鼓膜が死亡の危機ですッッッッッッ!!!!!!
「ねぇ知ってる?レイテルの銃は好きに種類を変えられるの。
勿論、一発KOな奴もね。」
…勿論ですともッッッッッ!!!!
いや具体的に言えばキャミエルたんだけが変えられるんですともッッ!!!!!
「このリボルバーでロシアンルーレットでもしてみるかしら?♪
心拍数が上がっちゃうわね♪」
心拍数なら上がってるッ今上がってますッッ!!!
……リボルバー…?
「それは止めた方が良いですよ。ミチルたん。」
…………友達とサバゲーやってて良かった。
「リボルバーは反動が半端ないんです。
大人でもしっかりしないと骨折、脱臼、激しい筋肉の損傷の事故が起こるくらいに。」
「…」
多少のリスクはあっても、僕を殺すつもりだったとしてもそれは共倒れになるだけ。
「それこそ、ミチルたんみたいな実年齢が上でも身体が7歳ならリスクは避けられません…!」
それこそ数時間そこらじゃ治せません!!!
「ミチルたんが、【不老不死】でも!!!」
アズきゅんに見付からない訳が無いんですッ!!
「……分かってるわよ。最初から。」
「だからミチルたん、少し話しませ…ッ!!!?
……っ…………?!」
ゴンッ!!!
…………なんて音、本当に頭から鳴るんですね。
「ミチルたッ!!ッ痛!!!
……ッ……!!」
ドガッ、ガンっ、って頭が…!
……リボルバーは反動に耐えられるように強度の強い鉄で作られているんでしたっけ!!?
……そりゃゴンゴンって殴られたら痛い訳ですねっ……!!
!!頭が揺れて……目の前の腐乱死体…!……体勢が悪いっ!!
「……ミチルたんッ!!話をっ!
話をして…!!」
話をしましょう!!話せば分かるとは言いませんッッ!!
でもミチルたんの様子っなんか変ッじゃっ!!!???
ドガンッッ!!!!!
「……っ…!!」
重ッ!?意識が…結構ヤバっ……!
………………!!!!
◇◇◇◇◇ミチル?視点◇◇◇◇◇◇
…あーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあーあー
「…あた…し……」
…やってんなぁ。
「……ミチル…何で二階に!?!?
ミチル…??」
あー、アズー。
えーこの頃から殺してたんだねーそうなんだぁー
「…っ…にぃ様、おはよう♪
どうしたのそんなに急いで?」
「……その…子って………」
でもいっか。
「ねぇ、にぃ様!
あたし!」
最初からこうなることを仕組まれていたのなら。
「…………罪人になっちゃった」
あーやっぱり、終わってんなぁー
…………
……
…
◆◆◆◆◆主人公side◆◆◆◆◆
僕はその子が、どうしようもなく幼く見えた。
指を千切ったり、人を利用したり、人を煽ったり、だけどそれは策略とかじゃなくて本当に何も考えて無さそうだったから。
「本当は、誰も不幸になって欲しいなんて思ってないわ。」
人を害して、何もかもをめちゃくちゃにして、何を語るのか。
そう思うのは必然だった。
物語の中の悪役で、誰もかもを不幸にしてヘイトが向かない訳がない。
……その、筈だったのに。
僕はミチルたんを憎めなかった。
「本当はどうだって良かったの。
誰が幸せでも、誰が不幸でも、私には関係無くて。
でも逆に私の不幸だって誰もどうでも良くて。
無視されて、石を投げられて、見放されて。
それが世界で、全員同じで、変えられない人間の生態なんだって思っちゃったの。
だから私も、お前も、世界も、にぃ様だって関係無く。
……誰かが不幸を嘆いてこの世界を憎む事が本当は心底気持ち悪かったから。」
ミチルたんは本当はどうしようも無く冷めた人間だったから、だから、きっと。
残酷な程、本当は誰も好きじゃなくて憎んでも無くて、それでも。
「…それに対して、少し…
少しだけイラついちゃったから。こうなったのね。」
ただ感情の処理の仕切れない。
拙い世界への【愛】を感じたんだ。
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