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27話『執着と愛憎』


◇◇◇◇◇◇◇◇主人公(ミツル)side◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 フィルミアくんの様子を見に来たけど……


「フィルミアくんっ!!!あっ!?」


「うわぁっ!っ急に部屋に入らないで!」


 あっ!完全にノックし忘れた…

っフィルミアきゅんが悲しそうな顔してる!!!

ヤバイヤバイやってしまった!


「ごめんフィルミアくん、ちゃんと切腹するから安心してね!」


「…切腹?って何か分からないけど出てって…!!」


 取り敢えず出てきたけど!

…ダメだダメだ!

励ます予定だったのがフィルミアきゅんを怒らせてしまった…!

よし…切腹しよう。


「……入ってきて良いよ。」


 えっ!?……

お邪魔して良いの!?

でも僕はこれから切腹の予定が……


「早く入ってきて!!!」


「はい!!」


 

待って部屋の中にめっちゃぬいぐるみある…全部かわゆい……


「ごめん突然訪れて!迷惑だったよね!」


「…来ても良いけど、急に来ないで。

準備出来てないから。」


 謝罪をするなら…土下座が良いかな?

それともやっぱり切腹か?


「変なこと考えるの止めて。」


「はい!」


 めっちゃぬいぐるみが綺麗に並べられてるのかわゆい。


「可愛いぬいぐるみがいっぱいで良い部屋だね!」


 えっ!待ってフィルミアきゅんの顔が曇った!?

地雷踏んじゃった!?待ってどうしよう!


「人形…こんなにあるの…

かっこよくないし…」


「フィルミアっぽくて綺麗だと思うよ!」


 なるほど!フィルミアきゅんは『可愛い』が地雷なんだ!

確かに男の子だしね!!

待って泣きそう!?待って僕もしかして泣かせた!?


「……アリス…アリスが…」


 アリスたん…?


「アリスの部屋の可愛い人形を見せてくれて…ボクも人形好きって言ったら沢山くれて……」


「……かわゆい。」


 フィルミアきゅんがいつの間にアリスたんの部屋に入れるぐらいに仲良くなってる…!!!!

……友達出来て良かったねっ!アリスたん…フィルミアきゅん……


「なんでだろう……感動で泣きたくなってきた……」


 あと地味にぬいぐるみを人形と呼ぶのが子供っぽくてかわゆい……


「……感動する要素あった……?」


 前世ではトップクラスで友達の居なかった二人が…友達!!


「アリスちゃんを屋敷に呼びたかったら言ってね!!

大歓迎するから!」


「……今は…いいや……」


 でもキャミエルたんの件で少し落ち込んでるな…

何とか励ませないかな?


「フィルミアくんの人形、埃も被ってないし綺麗に整頓されてる。

きっと凄く大切にしてるんだね!」

 

「……人形…好きだから……」


 原作ではフィルミアきゅんが人形が好きな描写ぼかされてたからなぁ……誕生日イラスト全部に人形が写ってたのは勿論見逃してないけどね!!


「人形のどこら辺が好き!?あっついでに僕は!

持ってるだけで一人じゃなくなる気がするし、それに…やっぱりずっと一緒にいれるからかなー!」


 懐かしいなぁ、よく母さんの飾ってる人形とヒーローごっこしてたんだよなぁ。

大学とかで忙しかったけど、ざっと20年一緒に居たのかぁ。


「……ボクも…」


「うんうん!」


 妹にもよく人形買ってあげてたけどすぐに無くしてたなぁ。

写真沢山撮って保存しといたんだよね!

人形一つ3000円……結構高かったなぁ…


「…人間と違って…離れないから好き…」


「フィルミアくん……」


 フィルミアくん…引きずってる…………。

……そうだよね、母親が大好きなフィルミアきゅんだもん。


「…なら僕はフィルミアくんが人間も良いなって思えるように手伝おうかな!」


「えっ?」


 少し意外だったけど、やっぱり放って置けないしね。

フィルミアきゅん大好きだし!


「…!?ど…どうして…君はそこまで手を…出したがるの?

ボクと…何の関係も無いでしょ!?」


「あぇッ!?」


 まだ友達判定貰えてなかった!?

くッ!勝手に距離感を誤ってしまった!!


「個人的な感想だけど、フィルミアくん人間のこと嫌いじゃなさそうだからね!」


「……!」


 この大量の人形もアリスたんからのプレゼントだし!!

少なくともアリスたんとフィルミアきゅんはお互いに友達として好き同士だと思ってるし。


「アリスちゃんとか、アリオンくんとかさ。

最近はフィルミアくんから目を合わせに行ってるから!

二人のことは、好きなんじゃないかなって!」


「……あの…二人は……」


 三人の触れ合いは端から見てても仲良さそうで凄くかわゆい!


「人の目を見て話すのって意外難しいから。

……僕は凄いと思うよ。」


 誰かに心を開くのも、誰かに望まれるのも。

難しいものだからね。


「……そんな凄いフィルミアくんだから。」


「……うん…」


 そんなフィルミアキュンだから。

もっと人のことを好きになって欲しい。


「人間のこと嫌いじゃないなら好きになって欲しいんだ。」


「…………」


 ……ん……?


「………………」


 んん…!?もしかしてこれって……!!


「………人間は…好きだよ……

元から……」


 うん勘違いだね!?勝手に深掘りしちゃった感じだね!?

カッコ着けたのに結構恥ずかしい……!!


「…そんな…おろおろしないでよ……」


 でも地味にフィルミアきゅんは良い子な所も好き。

もはや全員大好き。


「でも、ありがとう。

カッコ良かったよ、ミツル。」


 ……カッコいい?!

えっカッコ良かった僕!?そう思ってくれたら恥ずかしいの倍嬉しい!


「それは!

……それは良かった!!フィルミアくん!」


◇◇◇◇◇フィルミアside◇◇◇◇◇


「……バレてなくて良かった……」


 ……勝手に持ち出した禁書。

バレたら…きっと取られる所だった。


「…ねぇミツル…やっぱり思うんだ。

人形は…何処にも行かない。」


 人間みたいに消えることは無い。

…無いなら……


「…………」


 【魂を閉じ込める魔術】で人間の魂を人形に入れてしまえば。


「ごめん……ミツル。」


 数百年ぐらい、分かってくれるよね。


「ね、母さん。」


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