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牡丹の願い
家族三人で初めて迎えたクリスマス。牡丹と清鳳へのプレゼントを買い、家に帰ったとき、清鳳が風呂場のほうを見ながら泣き喚いていた。プレゼントを慌てて床に置き、清鳳を抱き上げ、俺は風呂場を見に行った。
良い家庭を築くと誓った矢先のことだった。
唐突に牡丹を失った哀しみが癒えないままに、清鳳と新たな年を迎えてしまった俺。情けないと思いながらも、俺は両親に清鳳の面倒を見てもらうことにした。牡丹の両親も喪失感に襲われながら、牡丹が生きていた証を箱に詰めていく。
「秋義君。私からお願いがあるの」
「何でしょうか?」
「この鉢にオオデマリの花を植えて欲しいの」
「オオデマリ、ですか」
「あの子の最後の願い叶えてあげて」
お義母さんから受け取った鉢には、黒のマジックペンで文字が書かれていた。それを黙読し、俺はお義母さんの目を見て強く頷く。
牡丹。俺も清鳳もここから君を見守るよ。




