今後の予定
スノウとオルガは協会の側にある宿屋で宿を取っていた。その一室で、二人は向かい合って話をしている。
「お疲れ様です。依頼の削除が早く決まるといいですね。」
「だよな。やっぱり追われるのはキツイし、何より身に覚えがない事だからな。」
二人は果物のジュースを飲みながら、大きく息を吐いた。
「そうだ、お前はこれからどうするんだ?酷い目にあったが、やっぱり冒険者を続けるのか?」
「ぶっ!?」
「ハァ!?」
スノウがジュースを一気に吹き出し、それに驚いたオルガは席から落ちてしまった。
「ごめんなさい。急な質問でびっくりしてしまって。……はい、私、ここで冒険者を改めて始めたんです。しばらくはここで実力をつけようと思っています。」
「いきなり吹き出すなよ。それならちょっと提案が……改めて?以前も冒険者やってたのか?」
「ええ、まあ……。」
「……訳ありの様だな。敢えて聞くことはしないよ。それより、俺も改めて言わせてくれ。」
オルガは席から立ち上がり、スノウに頭を下げた。
「今回は本当にありがとうな。あのままじゃ多分死んでただろう。礼を言わせてくれ。」
「いえ!こちらこそありがとうございます!貴方の助けが無かったら人生……違うな、魔生が終わってました。感謝してます!」
二人はお礼を言い終わると、同じタイミングで笑顔になった。
「俺達、似た者同士かもな。何かこう、気が合いそうじゃないか?」
「そうですね。私も思ってました。……それで提案ですが、もし良ければ一緒に冒険者、やってみませんか?」
「さっきの提案はそれなんだ。俺も言おうとしてたんだよ。もし依頼が削除されたら、しばらく世話になってもいいか?」
「はい!改めまして、私はスノウ・ミストホワイト!よろしくお願いします!」
「俺はオルガ・オーガルだ。こっちこそ、よろしく頼む!」
二人は意気投合し、一緒に冒険者を始める事にした。これからどんな事が起こるのか。楽しみにしながら二人でジュースを飲み交わすのだった。
◇◇◇
深夜の冒険者協会。そこでは冒険者達が酒を飲みながら今回の成果を語っていた。
「いやー、今回も稼いだ稼いだ!結構実入りのいいクエストだったな。」
「やりますねー。私はアーティファクトを見つけましたよー。」
「俺はドラゴン狩りに成功だ!羨ましいだろ!」
「凄いわ。冒険者さん達が順調にクエストをこなしてくれてる分、私も受付を頑張らないとね!」
冒険者達が会話を楽しんでいると、一人の女性がカウンターに向かって来た。受付のクリスはその女性を見て、一気に真顔になる。
「貴方は!お疲れ様です。今回のクエスト、いかがでしたか?手続きしますか?」
「問題無いわ。自分でやるから。貴方はそこで待っていて。」
その女性は受付に袋を置き、書類に何か書き込む。それをクリスに手渡し、再び協会の外に出て行こうとする。
「おい、アイツはもしかして。」
「ああ!たった3ヶ月で一気に頭角を現してきた、期待の新人だ!頼もしいよなあ。」
「言ってる場合じゃねえだろ!俺達も抜かれちまうぞ!」
皆が注目するその女性は、緑色の髪に半袖のメイド服を着ている。そして両腕には紫の手袋を着けていた。
「通り名は《深緑の魔蝶》だったかな?とんでもない奴が出て来たよな。」
「いいライバルが出来たんだぜ?俺達も成長しようじゃないか!」
冒険者達の羨望の眼差しの中、深緑の魔蝶と呼ばれた女性は外に出た。
「次のクエストはワイバーン狩りね。早く出発しないと。」
彼女はそう言って走り出すと、夜の闇の中に消えてしまった……。




