過去編 禁断の魔法 後半
寝室
2人はナイトフェアに着替え、一緒にベットへと入っていった
お互いの顔を見つめている中、ノワールはぽつりとつぶやいた
ノワール「…そういえば、ヴォルはあの魔法の事…どこで知ったんだ…?」
ヴォルフ「あの魔法…不老不死の事…?…あれは確か…城の地下にあった倉庫みたいな所に…置いてあった本を見て知ったよ…」
ノワール「地下の倉庫…?…あ、もしかして迷子になった時の…?」
ヴォルフ「…あれは迷子ってより…ちょっと迷っただけだから…」少し顔を赤くしながら
耳を下げながら、迷子になった話をされて恥ずかしがっている
ノワール「どう見てもあれは迷子だろ…地下なんて勝手に行って…」
ヴォルフ「…迷子じゃないし…でもあの時は…地下に勝手に行くなってノワに怒られちゃったけど…色々と知りたい事があったから…」
まだ2人が15歳の頃くらいに、ヴォルフは側近だったノワールに無断で1人で地下に行った事があった
地下は薄暗く1人で心細い中、とある倉庫を見つけた
だが魔力が一定以上じゃないと入れない部屋で、ヴォルフは仕方なく自分の持てる魔力を使い、誰の許可を得ずに入った
そこに置いてあった本は紅い目の事やこの国の歴史、そして禁断の魔法についての本があった
全てを見るのは難しいため、ヴォルフは紅い目の事と興味本位で禁断の魔法についての本を読んでいた
そして紅い目の体質も知り、不老不死の事も知り得たが、戻る際は道がわからず迷子になってしまって
尻尾を巻きながら、しゃがんでいたところをノワールが見つけ出し
勝手にどこかへ行かないでと、心配させないでと怒りながら、大粒の涙をこぼし抱きしめてくれた
ノワール「あの時は心配で心臓が張り裂けそうだったんだから…勝手にどっかに行くし…」
ヴォルフ「うっ…それは…本当にごめんね…あの時のノワ、すごく泣いていたし…反省もしたから…」
ノワール「ヴォルも相当泣いていたけどな…尻尾巻いていたし…もう迷子にはなるなよ…」
あの時はヴォルフも瞳に涙を溜めており、2人は抱き合いながら泣いていた
ヴォルフ「泣いちゃうに決まっているでしょ…ノワが見つけてくれて安心したから…それにあれは20年も昔だし、今はもう迷子にならないよ」
ノワール「でも心配はさせるなよ…んっ…この手も一生離さないから…」
白い手を握り、鼻同士をひっつけた
ヴォルフ「んっ…僕も離さないよ…ノワも迷子にならないようにね…城にいた頃はよく迷子になっていたし…」
ノワール「あれは…まだ子供の時だから…迷子になるのは当然だ…」顔を赤く、焦りながら
ヴォルフ「でも16歳の時にも迷子になっていたけど…あれも子供のうち…?」
ノワール「それは…18歳から大人なんだから…16歳なんてまだ子供のうちだ…それに城なんて広かったし…もうこの話はおしまいだ…早く寝よう…」
迷子になった話が恥ずかしいのか、もうこの話はおしまいにしようと言って、焦っている
そんな焦る顔を見てクスッと笑いながら、白い手で抱きしめた
ヴォルフ「んっ…もうあそこへ戻る事もないから…迷子になる事も、僕とノワを馬鹿にする獣人もいないから…大丈夫…」
ノワール「うん…もう俺らを変だと言う奴もいないし、追い出される事もない…これからも幸せな日々を送ろう…」
黒い手も応えるように抱きしめた
2人は体温を共有しながら眠りへと入っていった
禁断の魔法、不老不死、これらは謎が多い
世間では、不老不死というものは空想のみの存在だと言われている
過去の偉大な魔力研究者は生きる源である魔力を応用し、永遠の命を再現しようとしていた
だが、実験を行った研究者は魔法を発動させた瞬間に魔力を全て失い、苦しみながら命を落としたと言われている
そんな魔法をあの国の、かつての王は多数の犠牲を得て成功させた
ただ、永遠の命を得られたその王と番は誰も見たことがないと言われている
誰かが作った空想か、それとも現実だったのか
それは誰にもわからない事だった
その禁断の魔法という情報もあの国の王宮にある、深い倉庫にある魔法書にしか載っておらず
王族の中でもごく一部の者しか存在を知らない
それでもその魔法が、本当に使えるのかも分からないと思っている者が多い
だけどヴォルフは魔法を使い、2人は不老不死になった
不老不死の証拠は怪我をしようがすぐ治り、致命傷の怪我でも、即死級の怪我でも傷が癒え、病気もほとんどしない
これが成功したのは、魔力が普通の獣人より多いからなのか、それとも2人の絆が、愛が堅く結ばれていたからなのか
それは誰にもわからない
ただ確実に言えるのは2人の愛は本物だと、元々の愛し合う気持ちが強くあり、そして離れたくない、そばにいたいという気持ちが深くあったからこそ
成功したのだと、2人はそう感じている
この愛し合う心も月日を重ねるごとに、より強く、深くなっている
何十年、何百年経とうとも、魔法を使った当時の姿のまま
後遺症があるが、それを苦にすることなく深く愛し合い、繋がっている
ずっとそばにいても嫌にならずに、逆にそばにいないと不安になる
2人は永遠に一緒に共に暮らしていく
いつの日も2人は同じ屋敷で愛し合い、深く仲を深めている




