第13話:時の迷宮、侵食する違和感
十一階層から十四階層は、比較的スムーズにクリアできた。
十一階層──毒の沼地。【ポイズンヒドラ Lv16】を撃破。
十二階層──火山地帯。【マグマゴーレム Lv17】を撃破。魔石×3獲得。
そして、十二階層クリア後の螺旋階段で──。
「あれ?」
青白く光る扉が現れた。
「休息の間だ!」
扉を開ける。
泉の部屋。
四人で泉の水を飲み、完全回復する。
「助かった...」
そして、部屋の奥に──。
「あ、商人だ」
【謎の商人】が現れる。
「ようこそ、挑戦者たちよ」
「魔石で、何か買えるか?」
翔が聞く。
「もちろん。情報、アイテムの場所、隠し部屋...」
「隠し部屋?」
「そう。この塔には、隠された場所がある」
商人が、小さな地図を取り出す。
「例えば...十三階層の途中に、鍛冶屋がいる」
「鍛冶屋!?」
「魔石二つで、場所を教えよう」
俺たちは顔を見合わせる。
「...買おう」
魔石二つを渡す。
商人が地図を渡してくれる。
「十三階層の東の壁。そこに隠し扉がある」
「ありがとう」
商人が消える。
「よし、十三階層で鍛冶屋を探そう」
十三階層──氷の洞窟。
【フロストタイタン Lv18】を撃破後、商人の地図通りに東の壁へ。
「ここか」
壁を調べると、隠し扉が見つかった。
「あった!」
扉を開ける。
その先は──工房。
【マスター・ゴーレム(鍛冶屋)】がいる。
「マタ、会エタナ」
ゴーレムが、こちらを向く。
「ああ、また会えたな」
俺が答える。
「武器ヲ、強化スルカ?」
「ああ。翔の槍と美咲の弓を」
魔石を六つ渡す。
槍と弓が強化される。
【強化された槍『貫通の槍』】
【強化された弓『炎弓』】
「すげえ!」
翔が槍を振る。
「これなら、もっと強い敵も倒せる」
美咲も弓を引く。
「ヨカッタナ。マタ、来イ」
ゴーレムが手を振る。
「ありがとう!」
四人で工房を出る。
十三階層をクリアし、十四階層へ。
雷鳴の平原。
【サンダーベヒモス Lv19】との激闘。
翔が新スキル【貫通突き(ピアシングスラスト)】を習得。
美咲が新スキル【炎矢乱舞】を習得。
四人の連携で、ベヒモスを撃破。
【レベルアップ!】
【朝倉 蓮 Lv17→Lv20】
【結城 翔 Lv16→Lv19】
【藤崎 葵 Lv16→Lv18】
【桜庭 美咲 Lv16→Lv19】
【反復回数:150回突破】
「よし!全員強くなった!」
「次は、十五階層だ」
螺旋階段を登る。
そして──十五階層。
階段を登り切ると──異様な空間だった。
「これは...」
石造りの迷宮。
でも、今までの階層とは何かが違う。
空気が、歪んでいる。
景色が、時々揺らぐ。
「何だ...この感じ...」
翔が呟く。
「時間が...おかしい?」
葵が不安そうに言う。
「気をつけて。何かがおかしい」
美咲が弓を構える。
迷宮に入る。
曲がりくねった通路。
壁には、不思議な模様が刻まれている。
時計のような、歯車のような。
「この模様...」
俺が壁に触れる。
その瞬間。
ビクン。
視界が歪む。
「っ!?」
一瞬だけ、景色が変わった。
同じ通路。
でも、壁が崩れている。
まるで、未来の廃墟のような。
「見えた...?」
でも、すぐに元に戻る。
「蓮?大丈夫?」
翔が心配そうに聞く。
「ああ...ちょっと、変な感じがしただけだ」
「この階層、何かがおかしい」
美咲が言う。
「早く抜けましょう」
迷宮を進む。
しばらくすると──。
「っ!」
全員が立ち止まる。
前方に、何かがいる。
──四足歩行の獣。
全身が半透明で、時々姿が消える。
体の周りに、時計の針のようなものが浮遊している。
【テンポラルビースト Lv20】
「レベル20...」
ビーストが、こちらに気づく。
そして──消えた。
「え!?」
次の瞬間。
ビーストが、俺の背後に現れる。
「後ろ!」
美咲が叫ぶ。
咄嗟に振り返る。
ビーストの爪が、俺を襲う。
「くそっ!」
剣で受け止める。
ガギィン!
衝撃。
「重っ...!」
押し負けそうになる。
「『突撃槍』!」
翔の槍が、ビーストを牽制する。
ビーストが跳んで避ける。
そして、また消える。
「どこだ!?」
周囲を警戒する。
「左!」
葵の声。
「『氷結魔法』!」
氷の矢が、左方向に飛ぶ。
ビーストが現れ、氷の矢を避ける。
「『炎矢連射』!」
美咲の矢が、ビーストを襲う。
ガガガガガ!
五本の矢がビーストに当たる。
「ギャアッ!」
ビーストが悲鳴を上げる。
「今だ!」
俺が突進する。
「『単調斬り』!」
【反復回数:151回】
三連撃が、ビーストの脚を斬る。
「『疾風斬』!」
【反復回数:152回】
五連撃が、胴体を斬る。
「『崩壊斬』!」
【反復回数:153回】
重い一撃が、背中を砕く。
「ギャア...」
ビーストが倒れる。
光の粒子となって消える。
【テンポラルビーストを撃破しました】
「はぁ...はぁ...」
全員、息が荒い。
「強かったな...」
「ああ...」
迷宮を進む。
そして──。
迷宮の最深部。
巨大な扉の前に辿り着く。
「ここが...」
扉には、巨大な時計の模様が刻まれている。
針が、ゆっくりと回っている。
カチカチカチ...
時計の音が、静かに響いている。
「ボスか...」
翔が呟く。
「レベル差、どれくらいだろうな...」
美咲が弓を構える。
「分からない...でも、行くしかない」
葵が杖を握りしめる。
俺は、扉を見つめる。
なぜだろう。
この扉の向こうに、何か恐ろしいものがいる気がする。
言葉にできない、圧倒的な恐怖。
「...」
でも、進むしかない。
遥斗の元へ帰るために。
「行こう」
「ああ」
「はい」
「分かった」
四人で、扉に手をかける。
重い扉が、ゆっくりと開き始める。
ギィィィ...
扉の隙間から、冷たい空気が流れ出てくる。
そして──。
扉が、完全に開いた。
文字数:約2,400字
主人公レベル:Lv20
到達階層:11-14階層クリア→15階層(時の迷宮)→最深部の扉前
スキル:『単調斬り』Lv10(三連撃)、『疾風斬』Lv1(五連撃)、『回転斬』Lv1、『崩壊斬』Lv1
反復回数:累計165回
状況:時の迷宮で徐々に違和感を覚えながら進む。最深部の扉の前で、四人で扉を開ける。




