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闇の炎に抱かれていたのは私だけじゃなかった  作者: 黎明 あかり


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第5話 終焉第

 影《シャドウ》とマリアが魔法陣から消えた。


 大変だ、追いかけなければ。

 オレは仮にも深淵の王の側近となったのだ。


 弁当袋をひっつかみ、ノート【漆黒の書】を小脇に挟んで教室へと急いで向かう。


 教室に置き忘れているブレスレット。


 あれはオレが持っている唯一の武器だ。


 具現化させれば、大鎌《ラグナロク》へと姿を変える。それさえあれば影《シャドウ》のためになるはずだ!


 教室に走り込み、机の横にかけえいるスクールバッグからブレスレットを取り出した。

 準備はできた。


 ここにいるクラスメイトとは今日でおさらばだ!!


 散々オレをバカにしていた奴らの前で魔法を使って目にものを見せてやる!!


 机に登り、ノート【漆黒の書】を開く。

 封印を施している左手を宙に突き出した。

 ブレスレットが太陽の光を浴びてキラリと光る。

 魔力は籠った、高らかに詠唱する。


「開け――世界の扉よ。

 我を拒む理を破壊し、次元の壁を越えろ。

 此処ではない何処かへ。

 この身、この魂を、新たなる運命へ導け!


 ――顕現せよ、異界渡航の魔法陣!

《次元超越《ディメンション・トランスファー》》!!」


 ◇


 オレは飛び起きた。

 額に汗が滲む。


 また15年前の当時の夢。


 魔法陣なんて現れることはなく、クラスメイトからの哀れむ視線と、遠ざかる空気。


 あの日のことをふとした時に思い出すと、胸が締め付けられるのだ……。




 ただ一つ、あの日以来。

 黒川と白石が世界から消えたのは確かだった。





   ―― 完 ――

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