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空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
第3話 夢の競演!? ギャル vs オカ女 with 空手バカ―公園の電話ボックス編―

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第3話ー6 電話ボックスはどこ?

 目的地に到着し、車を降りると、意外と爽やかな夜の空気に包まれた。まどかは身体を伸ばしながら辺りを見渡す。当たり前だが公園墓地の駐車場には人けがなく、車も1台もない。しかし外灯の明かりが照らすここは、これまで訪れた2か所と比べると、とても心霊スポットという感じはしなかった。ネット情報からイメージしていたものとはほど遠かった。


 弥幸みゆきの隣にすかさず寄り添った凛子りんこの表情も明るい。いまのところはただの夜の公園だ。危険な感じは微塵もなかった。彼女もそれを感じ取ったのだろう。ひとりで行けと言われれば嫌がるだろうが、この人数なら普段の夜遊びと違いはあるまい。


 省吾しょうごはずっと膝の曲げ伸ばしや屈伸運動など、準備運動に余念がない。単に車の中で凝り固まった筋肉を解しているのだろうか。まさか、なにかを感じ取って戦闘準備してるなんてことはないよな、と円は疑いを持って眺めた。


 一応用意だけはしておくか、と円はリュックからジンバルを取り出し、撮影準備を整える。あまり期待はしていなかったが、ちょっとでもそれっぽいものが映れば儲けもんだ。


「さあ、行こうか」弥幸が3人の様子を確認してから声をかける。「駐車場出てすぐそこ、あっちに広場があるんだけど、そこがいきなり有名な例の電話ボックスの場所なんだよねぇ」


 そうだよな、と円は記憶を探る。そこがこの心霊スポットのメイン、 ”ベルが鳴り続ける電話ボックス“ が目撃される場所だ。でもそんな雰囲気はやはりしない。この短期間に立て続けに霊体験をしてきた円は、あの幽霊が現れる時の、空気そのものが変わる感覚を覚えていた。


 凛子は弥幸の言葉に反射的に身体がこわばるのを感じた。しかしあいも変わらず朗らかな弥幸の表情に励まされ、大丈夫だと自分に言い聞かせた。この人についていこう。


「じゃあ行ってみよー」凛子はカラ元気の号令を出す。弥幸はそれに頷いて、オーと言う。凛子の気分もがぜん盛り上がってきた。


 広場もまた、外灯に照らされて明るかった。入ってまず目についた時計を見る。22時前、少し早い気もするが、まずまずいい時間だろう。しかしこれといって異常はない。いたって普通。


「あれ~?そもそも電話ボックスなくないですか〜?」余裕が出たのか凛子の声も明るい。


「本当ですね。電話ボックスそのものがありませんね」省吾が同意する。


 そこで弥幸が我が意を得たりといった、嬉しそうな顔で解説を始める。


「そうそう、そこなんだよ。もうずいぶん前に電話ボックスは撤去されてるんだよね」


「じゃあ〜、電話ボックスの噂話ってもう昔の話なんですね~」凛子はさらに元気になる。


「と、思うじゃん?」ニヤリと笑う弥幸。「ここが面白いのはさ、いまだに ”ベルが鳴り続ける電話ボックス“ の目撃談が投稿され続けていることなんだ⋯⋯みんな何を見たんだろうねえ⋯⋯」


 最後、怪談話をするような弥幸の語り口に凛子の肌が粟立つ。身体が固まって一瞬棒立ちになった。(あっ、しまった)同時に凛子は後悔する。弥幸に抱きつくならここだった。最初のチャンスを逃してしまった。いつでも反応できるように、心の準備をしておかないと。


 念入りに周囲を観察していた円だったが、やはりなにも感じなかった。(ここはハズレか⋯⋯)苦手なギャルと付き合ってまでやってきただけに、だいぶガックリきたが、すぐに気を取り直す。いやいや、いままでが引きが強すぎたのだ。弥幸のように望んでもまったく感じ取れない人だっているのだ。贅沢を言ってはいけない。


「とりあえずさ、公園の中をグルっと回ってみようよ。一応他の幽霊目撃談だってある場所だしさ」


 言いながら弥幸は歩き出す。今回はさすがに円も先頭を行こうとは思わなかった。どうも気が乗らないし、なにより凛子が怖かった。

 


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