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空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
第3話 夢の競演!? ギャル vs オカ女 with 空手バカ―公園の電話ボックス編―

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第3話―4 また待ち合わせで

 待ち合わせ場所のファミレスに原付でやってきたまどかは、やはりというか、なんというか、相変わらずな省吾しょうごの姿をすぐに見つけた。目につくという点では本当に優れた服装である。これなら昼間の繁華街であろうとすぐに出会えることだろう。そんなところをこいつを連れて歩く勇気はなかったが。


「有明くん、今日も走ってきたの?」円はすぐに駆け寄ってきた省吾に質問する。


「はい。今日は少し距離があったので、いい運動になりました」省吾はこともなげに言う。


 円の目には言うほど運動してきたようにも見えなかったが、そこはやはり日頃の運動習慣が並外れているということかもしれない。少しくらい走ったところで息も切れないのだろう。


 そんなやり取りをあれこれ交わしながら、駐輪場からファミレス入り口付近まで歩いてきたふたり。そこで凛子りんこが車から降りてくるのが見えた。去っていく車に手を振っている。知り合いか家族にでも送ってもらったのだろうか。


 凛子は円と省吾を認めると、ツカツカと歩いてきた。視線の先には省吾がいる。


「あんたそれ、なんなの?」冷たい声。


「ああどうも、和道さん、こんばんわ」省吾は凛子の圧など一切気にもとめない。「どうかしましたか?」


「どうかしたかはこっちのセリフよ。なんでそんなの着てんのよ。ていうか和道って呼ぶのやめて」


「ああ、私は神谷さんのボディガードですから」そう言うと省吾は円を見て、同意を求めるように頷いた。


 いや、そんな頷かれても、私だってどうして空手着なのかはまだ理解してないわ、と円は思った。このタイミングで巻き込まれても困るのだ。


「なに?あんたがやらせてんの?意味分かんないんだけど」凛子は円を睨みつけながら言う。


(あー、巻き込まれたー)円は恨みがましく省吾を見るが、やはりなにも考えてないように見える。円にはこの状況を切り抜けるスキルはない。ここはなんとか時間を稼ぎ、弥幸の到着を待つしかなかった。


「い、いやー、なんでですかねー?わ、私にもわかんないかなー」円は目を合わせないよう明後日の方を見ながら、なんとかこれだけ絞り出した。


「なに?あんたふざけてんの?」凛子は厳しい表情のまま詰め寄る。


(怖えぇ)円は見るな見るなと自分に言い聞かせる。見たら最後、喰われてしまう。


「まあまあ、神谷さんも悪気はないんですよ」省吾がとりなす。


(おま、お前がそれを言うのかよ !? )


「はあ?」


 凛子の怒りは頂点に達しようとしていた。地味女の態度も、わけのわからないこの男も、凛子の癇にさわる。どうして自分がこんなやつらと行動を共にしなければならないのか?


 いくらファミレスとはいえ、これからこんなやつらと夕食を取るだなんて考えられなかった。本当なら弥幸とふたりだけがいいのにと、ここにいまこうして集まっている因果関係も吹っ飛んで、頭の中を情念が渦巻いた。


 そんな時だった。弥幸みゆきの軽四駆が駐車場に入ってきた。危機一髪、救世主のご登場だ。円は祈るような気持ちで車から降りてくる弥幸を見ていた。


「みんな、お待たせ〜」呆れるように軽い弥幸の声。


 いまの円にはまさしく神の声だ。こんなに心地よい音色がこの世界にあっただろうか。


「あ、せんぱ〜い、そんなぜんぜん待ってないですよ〜」


 凛子にとっても弥幸の声は安らぎの響きだ。先ほどまでの怒りなど、一瞬でほどけてしまう。


「あっ、そお、ならよかった。それにしても――」弥幸は省吾を見る。「有明くんは準備万端だなあ。さすが」


「はい。常在戦場じょうざいせんじょうです」


 こいつまた、標語みたいなこと言ったな、と円は思ったが、弥幸は合点がいったというように笑いながら頷いている。もしかしたら男子だけに通じ合うなにかがあるのかもしれない。円の預かり知らぬ世界なのだろう。こういうのは無視するに限る。


「ま、とりあえず、晩ご飯でも食べながら、今夜の予定でも話し合うとしようか」弥幸はそう言って歩き出す。


 すぐ後ろ、弥幸に張り付くようにして凛子が続き、そのあとを円と省吾はふたり並んでついていった。円はこの時点で、前の2回の探索では感じなかった疲労感がドッと押し寄せてくるのを感じていた。



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