3日目(5)
「それで、こちらなんですが」
私はそう言いながら、おじいちゃんに見えやすい様、スマホに入っている写真を反転させて机の上に置く。
「これは?」
「これだけで信じて欲しいなんて無茶でしょうけど、私に証明できるのはこれしかありません」
スマホの画面には、笑顔で赤ん坊を抱える白衣のお父さんと、その横で優しそうに笑うお母さん、またその横で強張った表情をしたおじいちゃんが居る。そんな幸せそうな家族写真が写っていた。
「そうか、翔はこんなにいい顔で笑えるんだな」
おじいちゃんは写真に写っているのが誰かも説明しないうちにそう呟くと、優しい笑顔でスマホをじっと見つめる。
「うん! 自慢のお父さんだからね」
私はおじいちゃんのそんな笑顔に気が抜けてしまったのか、つい口調を崩してしまい思わず口を手で覆う。
「そんな事しなくても良いさ。君は私の孫なんだろ」
「……うん。信じてくれてありがと、おじいちゃん」
私がそう言うと、おじいちゃんは顔を背けながら頭を掻く。そんな癖がお父さんと重なって見えて、ついつい笑ってしまう。
「……でも、どうして君だけがタイムスリップして来られたんだ?」
おじいちゃんは大きく咳をすると、先程までの真剣な顔に戻って想定通りの質問をしてくる。
「それはお父さんが……」
私がそこまで言うと、聞きなれた足音が耳に入ってきて言いかけた言葉を途中で飲み込む。
「ただいま」
そう言って帰って来た翔君の声は少し高くて、拗ねている事を悟らせない為か、見栄を張っている子供の様だった。




