3日目(2)
僕が布団で目を覚ますと、先ず耳に入ってきた音は下から聞こえてきた足音だった。
不思議な感覚で目が覚めた筈なのに、その音に驚く事も無く、それどころかどこか落ち着いてしまう自分が居て、なんだかおかしくなってしまう。
僕は目を覚まそうとスマホを手に持って時間を確認する。するとそこには、いつも見えているはずの両親の写真に重なってメールの通知が写っていた。
そのメールは父さんからの連絡で、僕は急いで内容を確認する。
『12時過ぎくらいに空港に着く』
深夜に送られていたメールの内容はそれだけだった。だというのに、僕の心はどうしても浮かれてしまい、僕は体を起こして雫が居るであろうリビングへと向かって行いった。
「おはよう。って、どうしたの!?」
僕の足音が思ったより大きかったせいか、雫は驚いた顔をして僕に声をかけてくる。
「ああ、ごめん。おはよう」
「ううん。大丈夫だけど、どうかしたの?」
「いや、その、たいした事じゃないんだけど、父さんから12時頃になるって連絡あったから……」
子供の様に喜んでいる自分に気が付いて、急に恥ずかしくなり言葉に詰まってしまうが、雫は僕が言葉を止めたにも関わらず嬉しそうな顔をして近づいてくる。
「良かったね。なら早く用意しなくちゃね」
まっすぐに僕の顔を見つめて自分の事の様に喜んでくれる雫の姿に、僕は嬉しくなっているのを隠す事を止めて言葉を返した。
「だな!」
僕の言葉を聞いた雫は満足気な表情をして頷くと、タイミングよくお腹を鳴らして、恥ずかしそうにお腹を押さえ僕の顔を見上げる。
「でも、先に朝ごはん食べようよ……」
弱弱しく震えたその言葉に、僕達が昨日の夜から何も食べていなかったのを思いだして、僕まで空腹を思い出してしまう。
「それも、そうだな……顔洗ってくるから先に準備しててくれるか?」
「うん!」
僕達はそう言葉を交わすと、それぞれ別々の部屋へと向かっていった。




