異能
今日はバンド練してきました!その帰りにポケモンgoをちょくちょく……。平和です。
「って言ってもどうやって調べればいいのかな……みんな気づいたらできてたって例がほとんどだし。情報によるとほとんどは火、水、風、自然、土、雷、氷、光、闇、これらを操れるようになった。って書いてあるけど……とりあえず試してみよう」
「火!」
……
「水!」
……
「風!」
…………
結論から言うと全部駄目だった。やり方も合っているか怪しい。完全につんでしまっている状態だった。
「だめだ。何にも起きないよ。もしかして能力無しだったりして……」
もしそうだったらと考えると未来が真っ黒に染まった。
ここで諦めたら終わりだと思った天音は充電がわずか10%しかない携帯で能力に関する情報を集める。
すると1つ、天音が初めて知る情報が出てきた。
"基本属性以外の能力を授かる人もいるらしい。さっき動物を操ってる人に助けられた。その人の話しによると、最初は能力がないと思っていたらしい。動物が物心ついたときから大好きで偶然助けた動物と会話できるようになったみたいだ。そんで名前をあげたらその動物が能力を使うようになったんだと。。そういってたから基本属性が使えないからって生きることをやめないでくれ、希望はまだある"
そうTwitterにあげられていた。天音はなぜか泣きそうになった。希望がまだあると知ったからだろうか。そのメッセージに勇気付けられた天音だった。
「この人の情報によると、基本属性以外の能力がある。その能力は自分の物心ついたときから触れ合っていたものに関係すると」
基本属性という単語に少し戸惑ったが直ぐに火、水、風、自然、氷、土、雷、光、闇だと気づく。
自分に物心ついたときから触れあってきたものがあったっけ。と首を傾げる天音だが。ふと思い浮かぶ。
小さい頃からやってきたこと。
"音楽"
「あった」
そう思って早速試そうと手っ取り早く指を鳴らしてみた。
すると
ペチン
見事に普通の指パッチンだ。
「……なにも起こらない」
もう一度やってみる。
ペチン
何も起こらない。悔しくなり。自分には何もできないと思った天音が声を張り上げる。
「大きくなったりしてよ!!」
キーーーン ビリビリビリ ガタガタ
「うるさ!」
シーン……
「……うぇっ?」
そこで気づいた。普通の声にしてはうるさすぎる。
「あった、僕にも」
感覚があるうちに情報整理をした。最初指パッチンとちがうのは……感情だと気づいた。
つまり簡単にいってしまうと。大きく響け。小さく響け。という命令が必要なのだろう。そういう結論をだした。
試しに指パッチンに命令を出してみる。
"無音"
………
"増幅"
ベチン……!
「良かった能力があって……。音を操れるって地味だけど」
天音は気づかない。音を操れるのがどんなにすごいことか。
とにかく自分の能力でどうやって体育館に行くか考え出した。
「数回使っても全然平気だから大丈夫かな。本当は限界を知ってから行動したいけど早く皆の無事を確認したいし」
ただいまの時間18時。未確認生物が発生してから丸1日かかっている。皆のことが心配で仕方ない様子。だからといって焦って向かうことはない。今まで考えもしないで動いて良いことは無かったからだ。
「音に敏感な魔物と臭いに敏感な魔物か……音は大丈夫だとして、臭いだね」
今の天音は自分の血で染まっている。時間がたちすぎてしまっているせいかゴシゴシと擦ってもとれる様子はない。
天音はまず自分の服を脱ぐことにした。パンツ1つだけになった天音は自分の鞄からお茶の入った水筒とタオルを引っ張り出した。
「少し抵抗あるけど血の臭いよりお茶の臭いの方がバレにくいはず……」
そう自分に言い聞かせながらタオルをお茶で濡らしてく。そして念入りに血のついた手や顔。耳などを念入りに拭いていく。
「ふぅ。お茶の臭いだ。いい臭いいい臭い。ジャージ着よ」
服に手を通そうとしたときにふと気づく。
このジャージは体育の時に使ったものだ。絶対に汗の臭いで化け物を引き付ける。
「餌はここだよ食べてっていってるようなものだね。香水なんてないし……」
なにか使えそうなものはないかと10分ほど顎に手をあててパンツ1枚のままうんうん考える。
ふと思い出したように顔を上げる。
「そうだ。松脂がある。あれの臭いをジャージにつけよう。木の樹脂からできてるから植物かなにかとしか思わないよね」
天音が口に出した松脂というのはヴァイオリンやビオラ、チェロやコントラバスを引くさいに弓という細長い物を使う。それに使う物だ。
臭いも強いので臭い消しにはいいと考えたのだろう。
しかし、松脂があるのは防音の扉を開けた楽器倉庫にある。くる前に楽器倉庫の鍵は一応閉めたがあそこの扉は別に防音の扉でも何でもない。少し音を立てただけで廊下に響いてしまう。
「能力を使うしかないかな。あまり使いたくないけど仕方ない」
そう言って自分から出る音を全てなくす。心臓の音。歩く音。息遣い。扉に触れる音。扉が開く音。全てを意識するのは頭の血管が切れそうになったが仕方ない。生きるためだ。
そう思いゆっくり扉を開けていく。
なかなか光が見えない。何かに遮られているみたいだ。
人1人通れそうな幅まで開けた天音だが違和感に気づく。
なんだこの獣臭さ。あと目の前を塞いでいるグレーのモフモフの物体は。
触れようとするとその物体がモゾモゾと動き出した。
「うそだ」
こちらを向いたワンちゃんと目が合う。臭いや音を遮断したって姿を見られたらそりゃばれるよね。
そんなことを考えていたせいか締めるタイミングが遅れた。
それでも急いで扉を閉めたが時はもう遅し。バン……!バン……!と扉を叩かれる。2本の角が貫通した。その空いた穴からこちらを覗く獰猛な瞳。
「なんでリーダーいるの……!」
そんな声も空しく響いただけだった。
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