本来は国王が違っていた
20年前の事件で、責任を取るため国王は妹であり、私のお婆様である王妹に王位を譲渡。
お婆様は女王として玉座に付き、お爺様は王配として補佐を、他の公爵達は王の剣として王宮に出向いた。
即式の当日。
お父様と伯父様達は、突然今の現国王に捕まり、王位を無理矢理剥奪され公爵家に追い返された。
それから連絡が取れなくなったお婆様達を心配しつつ、現国王が即位するのを苦々しく見ていることしか出来なかった。
「先代国王は、子供が出来ない体質だった。だから、何代か前に平民に落とされた王族の血筋を養子にした。けど、そいつも子供が出来ない体質で、20年前の事件で王族に留めておくのは無理だと判断した。それでも平民に戻っても何不自由なく暮らせるようにと、母上達は話し合って居たのだがな……」
当時を振り返りながら、お父様は寂しそうに話をしていた。
だから私は考えた。
もしかしたら、お婆様達に繋がる何かが見つかるかもしれないと。
敢えて私達は玉座に向かい、お父様と伯父様はお婆様達に繋がる何かを探しにバレンシア達の父である公爵や伯爵達と共に向かって貰った。
私は弟のキリトと共に、王宮の中を探索していた。
今でも忘れない父上や母上達の姿を。
『即位式が終われば直ぐに会える。堅苦しい式だが、形だけでも示さねばならん』
『駄目ですよ。仮にも今から女王陛下になられる方が適当では……きちんとして下さい』
苦笑して母上が言って、マントを翻し父上が小言を言って後に続いた。
だが、両親達の姿を見たのはそれが最後だった。
愚鈍な男が国王を一方的に宣言し、私達は公爵家に軟禁され一歩も出歩けなくなり、半年後には全てがひっくり返って居た。
「兄上!!」
「どうした!?」
開かずの間を開けたキリトが叫び、私は護衛騎士と共に駆け寄る。
そこには、戴冠式の衣装のまま母は父や王の剣達に庇われ目を見開いた姿のまま氷付けにされていた。
その後ろには、先代国王夫妻の姿もある。
慌て私は母達の体に触れてみた。
僅かだが温もりがある。
私はキリトと目配せをすると、慎重に氷を溶かすため微弱な低温の炎魔法を展開するのだった。




