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『1章完結!!』光と闇の継承者~初代最高神が生まれる時~  作者: 加藤 すみれ
一章 失われた者、結ばれし縁

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少女と親友

挿絵(By みてみん)

女神族と魔神族この二つの種族は、体のどこかに命石めいせきがある。

命石には魂が宿り、死ねば霧となり消えていき、その場には命石しか残らない。



女神族と魔神族の争いが絶えない時代。

争いの最前線と言える、女神族の村に一人の少女がいた。

彼女の名はスミレ、まだ12歳だった。


スミレの魔力は多すぎるがあまり、体調に影響を及ぼす。

高熱、頭痛、吐き気、めまいなど多くの不調が彼女の身に降りかかる。

何よりも彼女を苦しめているのは、見えない瞳と動かない足だ。

彼女にとっての世界は暗く、遠い。

目が見えない代わりに、音と匂い、そして魔力の色と輪郭が世界を教えてくれる。


「役立たず」

「守られるだけの存在」


そんな言葉を何度も聞いた。

「......」

スミレは黙って俯き、ただその言葉を受け入れていた。


そんなスミレにも大切な人がいた。

同い年の親友、クリスタ。


「今日はね、空がすごく高いよ。

雲一つなくて、きれいな青空だよ!」

彼女はいつも、景色をスミレの手のひらに乗っけてくれる。

「ありがとう。いつも景色を教えてくれて」

と言えば。

「当たり前じゃん。だって大事な親友だもん」

と答えてくれる。

クリスタと出会えたのは、奇跡だと思っていた。


強くて、将来を期待されているクリスタ。

目が見えず、歩くこともできないスミレ。

正反対な二人は、スミレの母がクリスタを引き取ったことで出会う。

親を魔神族の襲撃によりなくしたクリスタは、初めて会ったときほとんど会話をしなかった。

スミレがしつこく話しかけ続けたことで、心を開き、親友となった。

ある時、クリスタはスミレの”秘密”を知ることになる。

それでも、けして手を離さなかった。

クリスタは、スミレにとってかけがえのない存在だ。


二人はいつも、村の西側にあるベンチで手をつなぎながら歌っていた。


『閉じた瞼の 裏側で

小さな光が 揺れている

消えそうで

でも まだ

確かに 生きてる

届かなかった 言葉たち

胸の奥で 息を集め

震えが 熱に変わる』


それを聞いていた村の誰かが、遠くでつぶやく。

「......最後のペルージュ」

クリスタは一瞬だけ黙り、胸元の命石を触る。

そして、その言葉はスミレの心にも刺さる。

クリスタの魔力は、淡い青で揺れていた。

「ねぇ、スミレ。この歌はさ、なくしちゃいけないと思うんだ」

そう言ったクリスタの声はなにかを決意したようだった。



クリスタは、いつも同じことを言う。

「大人になったら、村で一番強くなってスミレを守るんだ」

”守る”その言葉を聞くたび、スミレはうれしく思う反面、悔しくも思っていた。

ー私も、大切な人を守れる人になりたいなー


クリスタは、スミレの初めての親友だった。

だからこそ、彼女は恐れていた。

いつか”この日々は壊れてしまうのではないか”と。



幸せは、いつも"壊れて"から始まる。

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