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魔法使い魔理沙と博麗霊夢

いくら無理やり加筆しても2000文字を超えない、不思議。

鼻歌交じりに箒を左右へと動かし、石畳の神社へと続く通路を掃除する、なんとも奇妙な脇の空いた巫女服を着ている巫女、博麗霊夢。

世代交代により、正式的に博麗の巫女となった彼女は、彼女にとって嬉しい出来事があったというのに、その顔は仏頂面だった。

その理由は彼女の弟弟子にあたる上白沢聖の存在である。

母親から暴走の件は聞いたが、存命でありある程度自由であるというのに、何故神社へと来ないのか。

理由は分かる、しかしその理由に納得いかない。


「暴走したら夢想封印をぶち込み続ければいいわね」


仏頂面から満面の笑みで、鬼のようなことを言い放つ。

この言葉を聞いていない聖は、どこかで本能的にビクリと怯えているのだろうか。

その時だった、霊夢が逆に設置された鳥居の向こうから、こちらへと向かってくる存在に気付いたのは。

そしてその存在は、何かにまたがって鳥居を異様な速度で潜り抜け、ふらふらと前後左右に行ったり来たりを繰り返し、霊夢の目の前へと降り立った。


「魔法使い、霧雨魔理沙様の誕生だ!」


「……」


金髪の少女は、まるで童話に出てくる魔法使いのような格好をして、クイッと帽子の前を上へと押し上げ、笑顔で霊夢へと言い放つ。


「魔理沙、あんた……」


魔理沙の頬には涙の後、そしてその目は赤くなっている。

そして魔法使い。


「……お父さ、……親父には追い出されたけど、後悔はしてないぜ」


上に押し上げた帽子を、再度深くかぶる。

なんだか霊夢には見透かされそうで、顔を見られたくはない。

泣きそうだ、沢山考えて、沢山奮い立たせて。

お父さんが怒っても貫き通して。

だというのに、何故震えが止まらないのだろう。


「……聖は、どうしてるんだ?」


「馬鹿弟は顔は見せないわよ、どうせ無事なんでしょ、死にかけることから生還するのはお手の物だし」


「はは、霊夢の母親の修行を始めてみたときは、この世のものとは思えなかったぜ」


「白目を剥いて泡を吹きながら変な声発してたわね」


「時節ビクンッて跳ねるときは本当にびっくりするよ……するぜ」


そう言葉を交わした後に霊夢は箒をその場へと置いて、魔理沙へと後姿を見せ、すぐに戻ってくる。

その手には茶請と湯飲み、急須の乗ったお盆を持って。

スグにお茶を入れ、湯飲みへと魔理沙へと突き出す。


「――怖いわよね」


「な、何言ってんだよ」


その言葉に、魔理沙はすべてを見透かされた気分だった。

少しずつすこしずつ心臓が鼓動を強くしていく。


「私も怖いわよ、不確定要素だらけのものがいっぱいある、想像できるものも想像できないものも何もかも怖いわよ」


「……」


――それは霧雨魔理沙の逃避していた恐怖そのものだった。


「馬鹿が馬鹿なことをやって馬鹿みたいに死ぬ、魔理沙が死んでもいつのまにか忘れ去られていく」


「……そ、それは、霊夢も?」


――返答はなく、そっぽを向かれた。

だが、魔理沙にとって霊夢の返答がないことはとても嬉しいことだった。

そして少し間をおいて、霊夢は一つずつ、話をしていく。

スペルカードルール、それは人間である魔理沙からみて、人が死ににくいルールだ。そんな魔理沙の思考を読み取っているかのように、霊夢は即座に言葉を付け足す。


「新しいルールが決定して浸透すれば死ぬ可能性が低くなるけど、それは死なないという意味にはならない」


「……わかってるぜ」


「怯えて怯えて怯えぬきなさい、怖いからこそ、人間は強くなるのよ」


「怯えて怯えて怯えぬいて、それでも踏み出し続けるさ」


「よろしい」


そういって、茶請の煎餅を一つとり、霊夢は良い音を立てて齧り、賽銭箱の前に座る。どことなく、楽しそうに。


「……踏み出し続けて、聖と霊夢の横に立って見せるぜ」


「楽しみに待ってるわ」


そういって霊夢は魔理沙へと微笑みを向ける。

魔理沙は茶請の煎餅を一枚とり、口の中へと放り込む。

そしてお茶を一気飲みする。


「それで、その虚勢っぽい口調は何なの?」


そして一気に噴き出す。

むせ返り、何度も咳を繰り返しながら涙目で霊夢を見る。


「わかる?」


「不自然すぎよ、もう少し精進しなさい」


「……精進するぜ」


――がんばりなさい。














「なんだか疲れてるみたいだけど、どうかしたのかしら?」


エントランスで紅茶を優雅にたしなむレミリアに、疲労困憊な表情を指摘される。

そんな聖は物凄いげんなりした顔で今朝見た夢の話をした。


「……夢想封印を物凄い怒気を持って、いい笑顔をした霊夢にぶち込まれる夢を見たんですけど」


「……なんともいえないわ」


紅魔館の一幕である。







そしてそこから数年の時がたち、魔理沙の目標通り、霊夢の隣に立ち、とある異変を止めることとなる。

――紅霧異変は、小さな女の子の成長と、異端者である少年の勇気の物語である。





―――そして、それは彼女の手のひらの上の物語でもある。

エタるつもりだった(少し用事がでてきちゃって遅れました!)

ハーレムとか書けないよ、過去の自分が無茶ブリしてくるよ。

主人公最強とか何の冗談だよ、出力最強にするつもりだよ。


主人公の必殺技名は調子に乗ってラグナロクに決定。

間の話でその話をいれ……られるのか、これ。

紅霧異変までに、何話か日常編をいれたい。

――おい、原作始まるまでに何か月かかんだこれ。

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