第34話 俺、結婚する
俺は、アネット、アニタ、ローズを連れてボドリヤール伯領に戻る。街に入る時、門兵はアニタに質問する。
「アニエス様の姿が見当たりませんがどうされたのですか。」「俺がアニエスです。男になりました。」
「え~っ、アニエス様が男~」「すまん、俺、今幻覚が見えている。」「そうか、俺もだ。」
門兵が壊れる。俺たちの馬車はそのまま街に入って行く。街の人々がアニタを見つけて「アニエス様が帰ってきたぞー」と騒ぎ出す。
俺は手を振るが、街の人々は反応に困る。屋敷の門に着くと俺たちは馬車から降りる。すると兵が俺に向かって言う。
「お前は誰だ。見ない顔だぞ。」「俺はアニエスだ。」
「嘘を言うな、アニエス様は可憐な女性だぞ。」「アニエス様は男になったのです。」
アニタが説明する。兵が耳を疑いもう一度聞く。
「この男がアニエス様?」「そうです。」
アネット、アニタ、ローズがうなづく。兵はショックで放心状態になる。
屋敷に入ると、ジルベールとリュシーが出迎える。
「本当にあのアニエスなのか。」「はい。お父様、男になってしまいました。」
「そうか、無事ならいいんだ。アネット様とローズ様も一緒なのか。」「はい。俺はアネットを妻にして、ローズとアニタを側室にします。」
「モンレルラン伯爵は納得するかな。」「アネットは俺と結婚しないと勇者のものになってしまいます。納得するしかないでしょう。」
翌日、モンレルラン伯爵は屋敷に到着する。コンラートはアネットを抱きしめて言う。
「急に結婚なんてどうしたんだ。」「私はアニエス様と結婚します。そうでないと勇者の側室にされてしまうのです。」
「そうなのか。アニエス様娘をよろしくお願いします。」「こちらこそ、男になったばかりですがアネットを幸せにします。」
コンラートは俺が男になったことは驚いていないようだ。それより、娘の結婚が驚きなのだろう。
ルマール男爵も駆け付けてくる。カールハインツは俺に聞く。
「アニエス様はどうして男になったのですか。」「女神ティアに願ったのです。勇者の側室にはなりたくありませんでしたから。」
「それで、ローズを側室に向かえるということですか。」「ローズ先生は、勇者より俺を選んでくれました。」
「そうですか、よろしくお願い致します。」「必ず幸せにします。」
これで俺たちは結婚することが出来る。俺が屋敷に帰ってきていると聞いて商人ギルドのアルベルトとランベルズ商会のベルントが顔を出す。
「アルベルト、ベルント、久しぶりだね。」「本当にアニエス様は男になってしまったんですね。」
「事情があってね。これまで通り、よろしく。」「こちらこそよろしくお願いします。」
この後、ベンたちも屋敷に顔を出す。彼らはうまく商売をやっているようだ。
1か月後、俺たちは街の教会で結婚式をする。アネット、ローズ、アニタのウェディングドレス姿はきれいである。
今は夫婦と言うより仲間の意識が強いと思うが、時間をかけて夫婦になって行けばいいと考えている。今は、アネット、ローズ、アニタの幸せな笑顔で充分だ。




