99/107
一一〇 ゴンゲサマ 1/1
ゴンゲサマというのは、神楽舞の組みごとに1つずつ備えられる木彫りの像で、獅子頭(獅子舞で人の頭を食べるアレです)とよく似ていますが少し違います。
とても御利生(ご利益)のあるものです。
新張(松崎の町の南側にある地域)の遠野八幡宮の神楽組のゴンゲサマと、土淵の五日市(全国的な地名なので詳細不明)のゴンゲサマが、かって争われたことがありました。
そして新張のゴンゲサマが負けて片耳を失ったとのことで、それは今もありません。
毎年村々を舞ってまわるので、これを見知らぬ人はいません。
ゴンゲサマの霊験は特に火伏(防火)にあります。
上の八幡の神楽組(複数人は1人かは読み取れません)がかって附馬牛に行き日が暮れても宿を取りかねていると、ある貧しい人が快く泊めて、5升(1升は約1リットルなので、1辺10センチの立方体もしくは牛乳パックが5つ分です)の桝を伏せてその上にゴンゲサマを置き、人々は寝ていると、夜中にガツガツと物を噛む音がするのに驚いて起きてみれば、軒端に火が燃えているのを、ゴンゲサマが飛び上がっては日を食って消していました。
頭を病んだ子供は、よくゴンゲサマを頼み、その病を噛んでもらうことがあります。




