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三七 狼《おいぬ》 2/7
境木峠(六角牛山の北)と和山峠(和山峠は見つかりませんでしたが、境木峠の北東が和山高原です)の間で、昔は駄賃馬(馬による物資の輸送またはそれに使われる馬です)を追う人はしばしば狼に会います。
馬方(馬を追う人)達は、夜行の時はたいてい10人ぐらいがかたまります。一人が引く馬は多くて6匹前後なので、馬はだいたい40〜50匹ほどです。
ある時、200〜300ばかりの狼が追ってきました。その足音は山をもどよむ(どよむは鳴り響くの意味です)程で、あまりの恐ろしさに馬も人も一箇所に集まって、その巡りに火を焼いて狼たちを防ぎました。
しかしなおその火を踊り越えて入り来るので、遂には馬の綱を解きそれを張り巡らして、罠のようにしました。
それからは狼たちは中に飛び入りませんでした。
遠くから囲んで夜が明けるまで吠えていたと言います。




