王は弟子入りしたい
あの熊騒動から数日たった。
やっと、やっと退院することができた。
病院にいるときは大変だった。レウスやユーリにはかなりの涙目で謝られるし、レウスやユーリの両親からも謝られるし、両親からは泣かれて怒られるし。
果てや助けに来てくれた門兵さんにはあの魔法について聞かれるしと、ものすごく大変で疲れた病院生活となったがもう退院だ。
今日することは決まっている。
弟子入りだ。
「レグニスさんお願いします。俺に剣を教えてください!」
俺、アリオスは今絶賛弟子入りお願い中である。
その相手はレウスの親父さん。
昔に足を負傷してそれ以来本格的な戦闘はもうできなくなったらしい。(日常生活に困らないほどではないが)
それでも足を負傷する前はAランク冒険者でかなり名を上げていたらしい。
そんな親父さんに弟子入りしたい。
うちの村にもどっかの流派の剣士さんはいるがはっきり言って剣の型が実戦をあまり想定しているようには見えない。すなわち型だけ剣技である。
そんなのより実戦積んできた親父さんの剣のほうが何倍も強い。
だから剣を習いたい。という旨を親父さんに告げた。
「そうか。じゃあ一つ聞いていいか?」
「はい!」
これは弟子入りの難問か?
「アリオス、お前は何で剣が使えるようになりたいんだ?」
なぜ、か。
前世では当たり前だった。剣をふるい国を守る。それが王の在り方だったからだ。
でも今はもう王じゃない。でも剣をとる。
その理由はーー
「戦いたいからです。」
「なぜ剣がいる?お前には魔法があるだろ?」
「確かに。でも魔法は近接戦に弱い。戦いたい俺にとってそんな弱点は欲しくない。だから俺は剣をやりたい。それに・・」
「それに?」
「剣がかっこいいと思ったからです!」
そうだ。ぶちゃけそうだな。戦いたいのは本当だし近接戦に強くなりたいのも本当だ。でも、それ以上に剣が俺は好きだ。
魔法だけなんてつまらない。
剣も俺は欲しい。
「合格だ。」
「へ?」
「その意気や良し。明日から家に来なさい。剣を教えてあげよう。」
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ。
「ありがとうございます!」
本当に良かった。これでまた強くなれる。
「ただ」
「ただ?」
「最初は体づくりからだぞ?」
そんなの上等だ。前もそうだったし。
「望むところです!」
「よし。じゃあ明日に備えてしっかり寝るんだぞ。」
「はい!」
熊との戦闘で一切役に立たなかった俺の剣術。
ここで鍛えてもっと強くなってやる!
そう誓うのであった。




