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魔王の力をお借りします!  作者: 働く猫の日常
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初めて竜を退治します。(19)


あたりを見渡す。人影はない。エルザは村の住人と避難していたはずだ。エルザがニーアと2人で残っているということはおとりになったということだろう。相変わらず無茶な奴だ。俺なんか初めて見たときは恐怖で体がすくんだというのに。


 やれやれ、竜に衝突したのが不幸中の幸いだろう。完全にとはいかないが幾らか衝撃を吸収してくれた。それでも骨にヒビが入るかのような痛みは感じたが。


 「エリック、遅い!」


 幼い声に振りかえると、目に涙をいっぱいに溜めたニーアがそこにいた。状況が状況なだけに不謹慎ではあるのだが、その姿があまりに愛らしすぎて思わず頬が緩んでしまう。


 そしてそのニーアを覆うように抱きしめていたのはエルザである。そのボロボロの衣服に乱れた髪、そして頬に残る雫のあと。しかし、その姿から浮かび上がるのは悲壮感などでは決してなく。最後まで誇り高く戦う気高さであった。


 「エリック、よく来てくれたわ」


 涙のあとが恥ずかしいのか、俯いたまま小走りで俺に向かって駆け寄ってくる。


 ああ、心細かったのだろう。そりゃ、そうだ。いつもは強がっていたとしてもエルザだって女の子なのだ。仕方ない、今日だけは俺の胸を貸してやろう。


 俺は両手をエルザに差し伸べる形で迎えいれようとした。ここまで独りで戦ったエルザの手を取り抱きしめるためだ。


 しかし、俺の手がエルザの手を握ることは無かった。なぜならエルザの手は握り固められていたからだ。


 メシっ


 そんな音が俺の右頬の骨から聞こえた。エルザの左拳が無防備である俺の顔面に向かって叩きこまれた。


 「何しやがる!?」


 「さすがエリックだわ。自らの過ちを認め自らこのような死地までやってきて罰を求めるだなんて。その殊勝な心掛けに免じて、斬首刑から無期懲役ぐらいには減刑しても良いわ」


 なんて奴だ。これ以上ないほど清々しい表情してやる。全く恐怖なんて感じられない顔つきで笑みまで浮かべてやがる。


 「ちくしょう、全てを投げだして駆け付けた友人想いの人間にこの仕打ちとは。満面の笑みまで浮かべやがって、さっきまでのは演技だったのか。くそ、こういう役目はキースだろうが!」


 「友人想いの人間はそんなこと言わねえよ!」


 状況についてこれず、着地してから固まっていたキースだったが気を失っていたわけじゃないらしい。安心、安心。


 「自分の犯した罪の重さを理解しなさい。どうしても無罪放免を願うなら恩赦でも求めるのね。知らなかったのエリック、私って寛大なのよ。働き次第じゃ褒美も取らせるわ。」


 「恩赦って王族の特権だろうが。それに教会の娘であるお前の褒美には期待していないが、己の無実を勝ち取れるのなら是非もない。何をすれば良いんだ?」


 エルザは神に仕えるものとは思えない悪戯な笑みを浮かべ、そしてロッドを俺の後方へと構え、言った。


 「この竜を私と一緒に退治しなさい。拒否も失敗も許されないわ。そして全てが終わったら村の広場で私とサンドウィッチを食べること。良いわね」


 ああ、断る理由なんてないね。そのために来たんだから。



 颯爽と現れる白馬の王子なんかには遠く及ばないけれど、一国の姫様なんか守れないけど。目の前の好きな人くらいは護りたい。


 --ガアアアアアアアアアアアアア!!


 「やっと立ち上がったか飛王竜!覚悟しとけよ、お前を倒して俺は伝説になる!」


 最悪の災厄に向け俺は剣を、、、、アレ、剣持ってない。


 そりゃそうだ。散歩中にいきなり襲われてそこから必死にここまで来たんだから。戦力はっと、、、、、


 シスターwith村人2人 (ニーアもいるよ!)


   VS 


 伝説の飛王竜〈稚児ちご〉※体長目測30m


 どうやって勝つの?コレ





 


 

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