表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

5 ひとばんの同居人《どうきょにん》

 ビーフカレーとチキンカレーもつくってみたけれど、雪路ゆきじはくびをよこにふった。


「ぬぬ。これも、これもちがう。でも、うしよりトリのほうがまだちかいか? にているがちがう」

「えええっ?? ブタでもうしでもトリでもないの?」


 ブタ、うし、トリ以外いがいにく

 カレーを再現さいげんするなんてカンタンだと思ったのに……。


「だとしたらジビエか? りょうしがいにいたならば、ご先祖せんぞさまがジビエを使つかってもおかしくはない。ニワトリに近いあじのジビエ。スズメだと法律ほうりつで使えないし……、キジあたりだろうか。しかしニワトリとあじがにているかどうかは」


 とうさんがつくったカレーをほおぼりながらうなる。

 たしかに、ひとくちにトリとっても、たくさんいる。

 スーパーにならばないにくのどれかなのかな?


「……あのカレーはつくれないのか?」


 雪路ゆきじがかなしそうにうつむいてしまった。

 元気げんきづけるつもりなんだろうな。かあさんがやけにあかるいこえたたく。


大丈夫だいじょうぶ雪路ゆきじ! わたしのともだちにかけあってみる。ともだちの旦那だんなさんがジビエ料理店りょうりてんをやっているのよ。シカにくやイノシシにくなら、けてもらえるかもしれない」


「てことは、今日作きょうつくれないね。カレーつくりは明日あしたでもいい、雪路ゆきじ?」

「むぅ……仕方しかたあるまい」



 雪路ゆきじわたしうしろにくっついてちゃっかりいえがりこんできた。


「え、あれ? やまかえらないの?」

「ここでっていたほうがよかろう?」


 まんぞくのいくカレーができるまでいすわるつもりだ。

 しょーがないな。ゼイタクなおきゃくさまのためにベッドをつくってしんぜよう。


 みせのうらにつんでいたやさいのダンボールに、使つかいふるしのバスタオル二枚にまいをしきつめる。


 キツネなんだし、これでいでしょ。


「はい、雪路ゆきじ。ベッド……じゃわかんないか。ねどこをつくったからこれに……」


 手作てづくりベッドをはこぶと、雪路ゆきじわたしのふとんでまるくなっていた。

 しかもどまんなか


「ちょっとったーーーー!! 雪路ゆきじ、それはわたしのふとん! あんたはこれを使つかいなさい!」


「いやだ。こっちのほうがやわらかくてあたたかくてねごこちがいい。マコトがそれにねればいいのだ!」


人間にんげんがこんなちいさいはこでねられるわけないでしょ! わがままわないでよ! ふとんがないとわたしがねむれないじゃない! どうせねどこをるならとうさんかかあさんのをりなさい!」

「すぴー」

「ねたフリするなー!」


 あまりにケンカがヒートアップしすぎて、かあさんが部屋へやのとびらをけた。


「マコト。よるなんだからおおきなこえすとご近所きんじょめいわくよー」

わたしわるくないもん!!!!」

「いいや、わるい! わしにそんなちいさなはこでねれというのがわるいのだ!」

こえなかったの? し、ず、か、に、し、な、さ、い」



 せなかに、もえるようないかりのオーラをかんじる。

 かあさんはふだんにこやかなぶん、おこるとチョーこわい。


 雪路ゆきじには、まくらもとまるくなることでなんとかなっとくしてもらった。



 …………キツネとケンカしておこられる中学生ちゅうがくせいなんて、世界中せかいじゅうさがしてもわたしだけじゃない?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ