第四章 7話 交渉開始
アムルは、この村の村長でもあり、キャラバンが山越えをする際に山の案内と旅の安全を助ける案内組衆の長でもある。
見た目は、60代手前の大男で筋骨隆々な、もう何せデカい!モモタウロスもデカいが、ひと回り以上デカい。
白髪でギョロっとした鋭い眼差し全体的に赤ら顔の、見た感じは周辺に住んでいるガリア人より厳つい見た目の、よく見るとどうもギリシア人ぽい雰囲気があり出立ちは村の衆同様のここらのガリア人達の様な毛皮の上着に革の袴と皮の長靴なんだが、何かが違う。
何というか、物静かだが隠しきれない覇気が常人のそれと違う佇まいと言うのだろうか。
村長は、モモタウロス達が来るのを事前に知っていたのだろう村の入口で、キャラバン隊を出迎えてくれた。
「久しぶりだな、ハシムさん。元気だったか?」
にこりと笑い、ハシムの肩を2回ポンポンと叩いて自分の家の方角を指差して曰く。
「以前の話の件だろ?まぁここじゃ何だから。」と家まで案内してくれた。
招かれた村長の家は、他の村人の家と変わらない家畜小屋と母屋2棟、石造り茅葺き屋根の簡素な平家建て。
その玄関扉を開けたら直ぐ正面には、テーブルと暖炉があり、4人も入れば部屋はいっぱいになる広さで内装もない簡素なつくりの部屋。
そんな部屋のテーブルに付くハシムとモモタウロス。
向かい合わせにアムルが腰を下ろして「じゃあ早速詳しい話を聞かせてくれ」
と、交渉を開始しようとするのを遮るように、モモタウロスが「ちょっと質問だが、村長やたらラテン語上手いんだかゲルマン人じゃないのか?もしかして?」
アムルはコクっと頷いて「そーだよ。だからってローマ市民でもラテン人でもないがな、この話はコレでいいか?」アムルはそう言うとハシムに再度説明を促した。
そうしてハシムは、今回の山越えに持ってきた荷物と隊が目標としている到着予定日を説明し出した。




