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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第八十八話 ヘルシーじゃない精進料理

前回に引き続き、料理の話題を一つ。


『精進料理』ときくと、肉や魚を使わない、野菜中心のヘルシーな料理というイメージがあります。

ところが、中国の精進料理はちっともヘルシーじゃない!


中国の精進料理は、肉や魚は一切使われていないのですが、その代わり、大豆由来の植物性蛋白質や蒟蒻を肉代わりにして、ありとあらゆる料理が存在します。

なんと刺身や握りずしもあります。

日本でも蒟蒻刺身というものがありますが、あれは素材の色を活かしており、あくまでも”蒟蒻の薄切り”という本道から逸脱していませんが、中国の精進刺身は、マグロのような色味や食感がつけられており、最初は魚肉を目指していたのに、最終的に何か別のところに行きついてしまった感じすらします。

上海蟹のフレッシュな蟹みそ(蟹黄)を使った料理は、上海の秋冬の定番料理ですが、精進料理では、この蟹みそも、人参を使って、本家を越えるような味わいに仕上げています。

鎮江黒酢を数滴垂らして口にいれると、とろけるような魚介のうま味とコクが口いっぱいに広がって……。


……ん?コク?野菜しか使っていないのに、どこからコクが出てくるの?


そうなのです、実は、中国の精進料理はコクを出すために、”植物油”を多用しているのです。

私が上海に住んでいた1997年のある日、上海っ子の友人と一緒に、上海市西部にある禅寺付属のレストランに精進料理を食べに行くことになりました。

肉や魚を使わないお坊さん向けの野菜料理と聞いた私は、『ダイエット向きだわ~~。もしも中国の精進料理が美味しかったら、私もベジタリアンになっちゃおうかしら。』とニコニコ(*^^*)それを見た、私の友人の顔が段々暗くなっていく(~_~;)

しまいに、友人は私に向かって、


「胖姐さん、中国の精進料理は日本と違うから、あまり期待しないほうがいいよ。」


と言い出しました。……なぜ?


そして目的のレストランに着いて、ランチコースを頼み、大豆たんぱく質で作られている中華ハムの前菜や、揚げ豆腐やキノコを上手く使ってボリューム感を出した名物の炒め物などを楽しみました。


「中国の精進料理は、思ったよりもサッパリしていないんだね。野菜だけしか使っていないから、カロリーは低いと思うんだけどなぁ……。」(・・?


と、私が友人に向かって言うと、友人は黙って取り箸を持ち、皿に残った炒め物をそっとかき分けました。

そこには、大量の油、油、油………。


「胖姐さん、中国のお坊さんで痩せている人を見たことがありますか?中国の精進料理は、肉や魚を使えないので、油でコクを補っているんですよ。だから、中国の精進料理はカロリーが普通の料理よりも高いんです。ホラ、見て下さいよ、皿に残ったこの油分を!」


ズバリ、中華料理のうま味の秘訣は、”油”なのね。それはダイエットには向かないわ。(-_-;)

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