第百三拾二話 20年ぶりのビザ申請
ビザ取得手続きや引っ越し準備に追われて、なかなか時間がとれなくて、更新が空いてしまいました。
私はこれまで中国の大都市にしか住んだことがないので、初めて中国の地方都市で生活することになります。今、中国での受け入れ側企業が住居を探してくれているのですが、洋式トイレがついていて、シャワールームが独立している部屋が無くて困っています。和式トイレの便器の真上にシャワーノズルがついているんですよね……。なぜ中国はこんなにハイテク化しているのに、トイレだけは進化しないんでしょうか?
中国広東省への山奥にある工場への転勤が決まり、中国労働ビザ申請の準備を始めることになりました。
1996年に上海赴任用のビザを取って以来ですから、なんと20年振りの中国労働ビザ手配となります。
前回は勤め先の総務課がきちんと手配してくれた上、中国政府の基準もそれほど厳しくなかったので、それほど書類の準備などが面倒ではなかったのですが、今回は業務上の都合もあり、ほとんど自力で手続きを進めることになります。(さすがに費用は会社に負担してもらえますが)
現地の受け入れ側企業も、総務担当者が急に退職して未経験者に代わったので、お互いよく分からない者同士が日中双方から手探りで処理を進めていく羽目に陥りました。
20年前と現在との労働ビザ手続きの大きな違いは下記の通りです。
①中国側がオンライン申請になった!
②ビザを取得できる基準がやたらと厳しくなった(゜Д゜;)
③提出する書類に日本外務省と中国大使館の公印証明が必要になった(=_=)
④日本でこれまで罪を犯したことがない証明書(犯罪経歴書、無犯罪証明書とも言います) が必要になった(◎_◎;)
⑤ビザ申請用の写真について、デジタル写真の画素数まで細かく指定された(>_<)
⑥健康診断書に内臓エコー写真が必要になった(+o+)
特に問題なのは②です。点数加算制で足切りがあります。
例えば、世界的に有名な大学を卒業している場合は××点、さらに超一流企業に勤めている場合はプラス××点、中国語を話せる場合はプラス××点、中国に関連した業務経験がある場合はプラス××点……というように加算されていき、万が一基準点に達しない場合はビザが取得出来ません。ハッキリ言ってしまうと、大学卒業以上の学歴がないとビザが取得しにくくなっているのです(特殊技能保持者は除く)。
さすが学歴偏重社会の基となった孔子様を生んだ国だけのことはある……。
20年前は”トレーニー”(研修生)と言って、地方銀行や商社の若手社員が中国の支社で語学を学びながら実務経験を積むというシステムがあったのですが、ビザ制度の変わった今では、トレーニーの派遣が難しくなっているみたいですね。中国側も外国人材を受け入れるくらいならば、余っている自国民を使ってほしいという方針のようです。(何しろ上海では国営企業の女性社員の定年が40歳、男性社員で45歳だそうですから)
また、③、④も結構大変です。
自分の現住所が東京近郊、大阪近郊、名古屋近郊ではない場合、申請に必要な各種書類は、(a)現住所近くの公証人役場で承認⇒(b)地方裁判所による承認⇒(c)日本外務省の公証⇒(d)中国大使館/領事館の領事承認というステップを踏んでから、中国政府にオンライン申請を出すことになります。
私は幸い東京近郊に住んでいるので、(c)以降の手続きだけで済んでいますが(^▽^;)
あまりにも煩雑な手続きのため、普通は外部業者に手数料を払って代行してもらうケースが多いようです。(でも費用が高い!)
面倒な手続きを経て、ようやく書類が揃ったとしても、次は中国政府関連部署へのオンライン申請が待っています。これで却下されたら、すべての努力が”パァ~”です。(´Д`)ハァ…
仮に申請が通ったとしても、そこで得られるのは、あくまでも『中国で勤務することを認める』書類だけ。労働ビザはその書類をもとに、再度、必要資料を集めて改めて申請を行うことになります。
そしてビザを得て中国に渡ったら、今度は労働ビザを労働許可証に切り替える手続きが必要になります。中国側の指定している日本国内の病院で健康診断をしていっても、またやり直し。今度はエイズと梅毒の検査も追加されます。
もうどんだけ外国人が要らないんだよ!って感じ(-_-メ)
ちなみに、中国に赴任する日本人に対しては、出発までに特定の病気に対して予防接種を受けることが推奨されています。A型・B型肝炎、破傷風、日本脳炎、狂犬病の5種類です。筋肉注射なので痛いですよ……。しかも3回以上の接種が必要なんですよ……。私は来週、2回目の接種に臨む予定です。
大人だって注射は好きじゃないんだ~~!!