第百拾七話 お遊びもほどほどに
今回はちょっと下ネタっぽいので、苦手な方は飛ばして下さいね。
昔から今に至るまで、中国に出張した日本人ビジネスマンは、本社や家庭の監視の目を逃れて現地で羽を伸ばしてしまうことが多いようです。
中国企業側も接待の宴席で日本人出張者からより多くの情報を取ろうとしますから、どうしても夜の”お遊び”が付き物ということもあります。
そのような酒席が嫌いな男性にとっては、中国出張は苦痛でしかないようですね。
では、万が一、中国で買春により逮捕されたらどうなるのでしょうか?
一般的には、下記のステップで処理されると言われています。
①逮捕されて警察の拘置所に一晩お世話になる
②その翌日、身元引受先の企業に連絡が入る
③連絡を受けた企業の総務課の社員が警察に行き、高額の保釈金を支払う
④逮捕者が釈放される
釈放される時に、逮捕者のパスポートには、”恥”スタンプが捺されてしまうので、その後、パスポートを更新するまで中国への出入国が出来なくなると言われています。(スタンプの内容には諸説あり) また、スタンプのあるパスポートで中国から出国しようとすると、イミグレーションの管理官から、パスポートをわざと地面に放り投げられて、大勢の人の前で這いつくばってパスポートを拾う羽目になるとも言われています。
いずれにしても、もしも上記の都市伝説が本当であれば、中国でフーゾク遊びをするのはリスクが高すぎると言わざるをえません。男性諸君、お気をつけあそばせ。( ̄― ̄)ニヤリ
私が上海の日系流通企業で働いていた1990年代後半、先輩社員のKさんは現地の高級店から大衆店までフーゾク通いを極めた”猛者”でした。
ある年のクリスマス、勤務を終えたKさんは、足取りも軽く、上海郊外にあるお気に入りのピンサロに向かいました。
「新しく見つけたあの店は値段も安いし、女の子はあか抜けないけどカワイイし、しばらく通おうかなぁ。」
店内に入り、いつものソファに座って、小姐(この場合は”風俗嬢”の意味)のサービスを堪能していると、突然、店内の照明が一瞬明るくなり、その後、暗くなったり明るくなったりの点滅を繰り返しだしました。
そして、Kさんのそばにいた小姐が急に慌てだし、Kさんにカタコトの日本語で突然こう言いました。
「オ客サン、警察ヨ、警察来ルヨ。コッチ来テ!」
小姐は、何が何だか分からずきょとんとしているKさんの手を引っ張って座席から立たせると、店のフロア中央部にある大きなソファまで連れて行き、Kさんを座らせてから、そばに置いてあった、クリスマスパーティー用の紙製パーティーハットを頭にギュッとかぶせて、さらに、Kさんの手にマラカスを持たせてから、
「パーティーダヨ。警察来テモ、ソウ言ウヨ。分カタネ。」
と言いました。その途端、薄暗かった店内が明るくなり、賑やかなクリスマスソングが大音量で流れ出しました。
ようやく我に返ったKさんが辺りを見回すと、見知らぬ日本人や外国人、中国人男性達が周りにたくさん座っています。そして彼らの頭の上には、一様に色とりどりのパーティーハットが……。
「请大家一起歌唱!歌ッテ!Let’s sing a song!」
店のマネージャーが大きな声でお客さん達に叫んでいます。
仕方なくKさんは見知らぬ日本人男性と肩を組みながら、マラカスを狂気のように振りまわして、やけっぱちのようにクリスマンソングを歌い出しました。
そして間もなく、警察がやってきました。
「警察だ。パスポートを見せろ。お前はここで何をしていたんだ?」
「は、はい……。クリスマスパーティーです。」
「なぜ男性ばかりが集まっているんだ?ここがフーゾク店であることは事前の調べで分かっている。ウソをつくな!」
「ウソじゃありません!仕事で知り合った人達です。単なるパーティーです。」(; ・`д・´)
幸いKさんは証拠不十分で逮捕は免れましたが、フーゾク通いがあまりにも激しすぎて、最終的に中国側合弁企業の役員にまでKさんの"遊びぶり"が伝わってしまい、董事会(役員会)にかけられた挙句、任期途中での途中帰国となりました。チーン(;^ω^)