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胖姐看中国  作者: 胖姐
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第百拾五話 私もさすがに拾い食いはしません

最近、台湾スイーツが日本で流行っています。


台湾固有種のパイナップル100%餡を使うことで有名な”微熱山丘”、パールタピオカミルクティーで有名な”春水堂”など……。

そのなかでも、台湾を代表するスイーツといえば、何といってもマンゴーを使ったものでしょう。マンゴーかき氷で有名な”アイスモンスター”、”マンゴーチャチャ”は、いつも行列がすごくて、私は未だにお店に入ったことがありません。(;^ω^)

かき氷以外にもマンゴーを使ったスイーツは、マンゴープリンやマンゴーロールケーキ、ドライマンゴーなど、甘い物好きにはたまらないメニューがキラ星のごとく揃っています。


日本で食べると、ちょっぴりお高くて珍しいイメージのあるマンゴーですが、中国の南方では、かなり一般的な果樹です。

200X年に私が中国 福州市に出張した時、出張先の工場敷地内にはマンゴーの木がたくさん植えられていました(もともと果樹園だった土地を開発したため)。

打ち合わせがひと段落したところで、日本人工場長のIさんから、突然質問されました。


「胖姐さん、マンゴーは好きですか?」

「はい、大好きです。」(^O^)

「もうシーズン終わりかけなんだけど、先週、ウチの工場のマンゴーの木から採った実を冷蔵庫に保管してあるから、食べてみる?」


工場長の申し出に、両手を上げて大喜びする私\(^o^)/

そして大きなビニール袋に無造作につめられた沢山のマンゴーが目の前に登場!

果樹としてきちんと栽培しているわけではないので、実がかなり小ぶりでちょっと食べづらかったのですが(真ん中に大きな種があるし)、食べ放題というのは非常に嬉しい!

果物ナイフも一緒に貸して頂けたので、昼休み中、私はせっせとマンゴーを食べ続けました。

あまりにも鬼気迫る勢いで食べているので、現地社員の呉さんに、


「胖姐さん、マンゴーはそんなに美味しいですか?日本にはマンゴーが無いんですか?」


と、半ば呆れたように聞かれてしまいました。


「日本でも南のほうだと、マンゴーが採れますが、国産品はすごく値段が高いです。普通はフィリピンからの輸入品なので、やはり珍しい果物に入ると思いますよ。こんなに沢山食べられるなんて嬉しいです。」

「へぇ~~。実は、福州市は街路樹がマンゴーの木なんですよ。それくらい一般的なので、みんなちょっと食傷気味と言いますか……。そんなに好きならば、工場内のマンゴーの木に、”胖姐さん専用”と看板を下げておきましょうか?毎年、この時期に出張に来てくれれば、沢山食べられますよ。」


むむっ、なんという悪魔のささやき。(;・∀・)

私が誘惑にグラグラきているのを横目で見て、呉さんはゲラゲラ笑っています。

その後、工場から宿泊先のホテルまでの送迎車の中でも、


「ほら、あれが街路樹のマンゴーの木ですよ。」

「あ~っ、ちっちゃいけど黄色い実が生ってる~!あそこで竿を持って木を叩いている人は、マンゴーを落としているの?」

「はい、そうです。でも、胖姐さんは真似しちゃダメですよ。街路樹は排気ガスで汚染されているので、日本人の胖姐さんが食べるとお腹を壊しますから。道端にマンゴーが落ちていても、汚いから決して拾って食べたらダメですよ。」


と、しっかりくぎを刺されてしまいました。

いくら食いしん坊の私でも、道に落ちているものはさすがに拾い食いしないですよ……。信用ないなぁ……(;^ω^)。

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