第百六話 イングリッシュネームは奇々怪々
各位読友、新年好!
皆様、明けましておめでとうございます。
昨年11月から体調を崩したこともあり、しばらく更新が延び延びになっていました。
今年もゆっくり昔の出来事を思い出しながら、なるべく週1回のペースで更新をしていきたいと思います。
外国人と接することが多い一部の中国人は、漢字で表記する本名以外にも、外国語名を持っていることが多いです。
理由として、外国人には中国語の正しい発音が難しいため、外国人にも親しみやすい名前を付けて、コミュニケーションを取り易くしているこということが挙げられます。(本当のクリスチャンネームであることは少ない)
だから、一重まぶたに黒髪で超アジア人顔の”Amy”や”Jimmy”が、そこいら辺にゴロゴロいます。
香港市民の場合は、IDカードにミドルネームを登録出来るので、英語名も公式の名前となりますが、中国大陸に住んでいる多くの中国人にとっては、外国語名は、あくまでも”芸名”のようなもので、公式の場で使えるものではありません。
外国語名の付け方ですが、結構いい加減です。
【例①】出生時に両親から名付けられる
香港のようにミドルネームを付けることが認められている地域では、出生時に両親が外国語名を付けることがあります。アメリカ生まれの華僑ならば、尚更です。有名なところでは、ブルース・リー(李小龍)がこの例に当たります。これは役所にきちんと届けを出しているので、勝手に変えることは難しいです。
【例②】英語の授業時に先生から名付けられる
外国人教師が、新学期の授業のオリエンティーリング時に名付けることもあります。出席番号順にA~Zまでの名前を適当に割り振っていくらしい……。ちなみに私の友人は、”Cindy”でした。シンディー・クロフォードとは似ても似つかぬバリバリの上海っ子でしたが……。(^▽^;)
ここで付けられた名前を卒業後もずっと使っている人が多いです。
【例③】職場で名付けられる
私の知人の袁さん(男性)は、上海にある某外資系ホテルに入社した時、英語名の名札がたくさん入ったビニール袋を渡され、
「この袋に手を突っ込んで、1つ適当なものを選んで下さい。それが今日からアナタの職場での名前です。」
と言われたそうです。ちなみに彼が引いたのは、”Walter”でした。
そのホテルでは、職員が辞める際に、これまで付けていた名札を上記の袋の中に戻していくので、同じ名前が昔からホテル内でぐるぐる循環しているらしい……。(=_=)
【例④】自分で好きに付ける
大人になって、仕事上で外国語名が必要になった時に、自分の好きな歌手や漫画などから名前を見つけてくる人もいます。日本語が全く出来ないのに、なぜか”Yuki”だったりするんですよね~。不思議。
あまり人名には使わない英単語を名前にしていることも多く、感覚的には、”キラキラネーム”に近いと思います。
以上に紹介したように、中国人の外国語名は、かなり自由な感じに名付けられていることが多いのですが、本人達に対して、本名の中国語名で呼ぶと、なぜかとても嫌がります。
また、職場でも外国語名で通しているので、中国語の本名を聞いても、誰のことだかピンとこないことがあります。
なぜ本名で呼ばれるのがイヤなのか、彼らに聞いたことがあるのですが、
「うーん、本名で呼ばれるのはダサい?英語の方が呼びやすいし、語感もいいじゃん。」
「楊先生なんて呼ばれると、なんだかよそよそしい感じがする。」
と、ちょっとハッキリしない答えしか返ってきませんでした。
日本人からみると、上司に対して、面と向かって、”Eddy”なんて呼び捨てにするほうが、よっぽど感覚的にゾワゾワするのですが……。(´-ω-`)