↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

プロローグ:風と水の出逢い

王都周辺の森で起きた、異例の魔物(モンスター)大量発生。

原因究明と討伐のため、コンフェデラ王国騎士団とギルドによる合同調査隊が結成された。


「……騎士団長様、こちらが今回同行するギルドの精鋭たちです」


紹介された冒険者たちの中に、その女性はいた。

アレクシア・ブルナー。

華奢で、どこか儚げな佇まい。荒くれ者の多い冒険者の中で、彼女だけが戦場には不釣り合いなほど静かな空気を纏っていた。


調査を進める森の奥で、異変は前触れなく訪れる。

本来、この土地に生息するはずのない凶悪な魔物の群れ。突如始まった激戦の中、フレッドの視線は自然と彼女へと引き寄せられた。

迫り来る魔物の爪を、一瞬の澱みもなく受け流す澄んだ青。

アレクシアが掲げた手から解き放たれたのは、見事なまでに美しい「水魔法」だった。

刃のようにしなやかに魔物を引き裂き、時には仲間を守る盾となって優しく弾ける水の軌跡。

木漏れ日を反射してきらきらと輝く青い光の中心で、凛と戦う彼女の姿に、フレッドは思わず息をのんだ。


(――なんて、綺麗な魔法なんだろう)


激闘が終わり、静けさを取り戻した森。

フレッドは吸い寄せられるように彼女のもとへ歩み寄り、声をかけていた。


「見事な水魔法だった。……不躾だが、目を奪われてしまったよ」


振り向いたアレクシアは、少し驚いたように目を丸くしたあと、どこか寂しげで、けれど胸が締め付けられるほど綺麗な笑みを浮かべた。


「ありがとうございます、騎士団長様。……私の水、変ではありませんでしたか?」


「いいや。今まで見たどんな魔法よりも、綺麗だった」


そう伝えた瞬間、彼女の頬がぽっと淡く染まる。


巡る風のようにまっすぐな騎士と、冷たい秘密を隠した水魔法使い。

これが、やがて世界の運命をも揺るがす二人の、すべての始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。