飢えた心が待っていた日々
ソアラちゃんの襲撃から1カ月。あの日からソアラは朝からずっとあの調子だ。理性を保つのに苦労するけど、朝の憂鬱な気持ちはもうどこかへ吹っ飛んだ。
夜は夜で、スキンヘッドの店主がやってるいい酒場を見つけて、毎晩そこに通っている。昼は昼でゲラルトの店。飲んで笑って、楽しい日々だ。
階段を下りると、店の空間に出る。テーブルは十卓ほど。ソアラひとりじゃ、これが限界かもしれない。
とりあえずカウンター席に座る。ソアラに注文して、あとは料理を待つだけ。ビールはもう髭オヤジが出してくれてる。ひと口、ふた口、喉に流し込んでいく。冷たさが染みる。たぶん、もう五杯目だ。
厨房の奥でガチャガチャ音がする。オヤジが何か焼いてるらしい。
料理を待つ間、暇つぶしにソアラの体を眺める。あらためて観察すると、どうもこの店の客の多くがソアラ目当てで来ているようだ。視線が集中しているのがよくわかる。
中にはソアラさん可愛いハァハァなどとブツブツ言っているヤツもいる。
なんて気持ちが悪いんだろう。
……ん?
扉が開いて、一人の女が入ってきた。
目が釘付けになる。何だこの美女。
歳は二十前後か。腰まである青いロングヘアが、さらっと揺れてる。身長は俺より少し低いくらい。服は黒系でシルクっぽい光沢がある。雰囲気が高級だ。
目は少しつり上がってて、でもパッチリした二重。クールな目元に吸い込まれそうになる。
胸元の谷間が少し見えてる。でかいわけじゃないけど、妙に形がいい。しかもミニスカート。膝上20センチ。やばい、目が勝手に――
あれ、こっち来た。なんでだ?空いてる席、あっちにもこっちにも……って、こっち見てる。まっすぐ歩いてくる。
「隣、いいかしら?」
あろうことか、彼女は俺の目をジッと見て、ニコリと笑ってそう言った。
【緊急予告】
読者諸君、ここで離脱するのは、もったいない──!
25話、まさかのお風呂イベント。
ソアラの“背中流しに憧れてた”宣言から始まり、状況はどんどんカオスに。
服が落ち、湯気が立ちこめ、密着距離ゼロ!
しかし……その先に待っていたのは、笑いと恐怖と、そして衝撃の一言。
「この短刀で……自害するの!!」
そして迎える26話――
妹の信頼を、兄は取り戻せるのか?
ギャグと思わせて一転、魂を揺さぶる本作屈指の名エピソードへ。
作者として自信を持って言います。
26話、絶対に読んでほしい。いや、読まなきゃ後悔する。




