ヤード村
断崖絶壁にそびえ立つ村。ヤード村を見た第一印象はそんな感じだった。ドール渓谷の比較的平たい場所に集落が数十軒建ち並んでいた。
すごい光景に圧倒されながら、ヤード村の入口に到着した。
もう日がどっぷりと暮れており、ヤード村で焚かれているたいまつだけが唯一の明かりだった。
村の出入口には村人と思われる人が門番をしていた。
その人がたいまつを持ちながらスコットさんに話しかけてきた。
「おやスコット、ずいぶん早いお帰りだな。」
スコットさんがその人に返答した。
「ああラウス急用ができてな、至急村長にお会いしたいんだが。」
ラウスと呼ばれた門番がスコットさんに答えた。
「村長なら今王都に行ってて、ヤード村にはいないぞ。」
スコットさんがラウスさんに答えた。
「そうかそれは困ったな。」
ラウスさんがスコットさんに尋ねた。
「一体何があったんだ?」
スコットさんがラウスさんに答えた。
「伝説の勇者様が現れたんだ。」
ラウスさんがスコットさんに再度尋ねた。
「何?それは本当か?もしかして後ろにいる客人が?」
ラウスさんが、こちらを覗きこんで尋ねてきた。
僕はラウスさんに答えた。
「はい、異世界からやって来た安井良夫という勇者です。」
ラウスさんは、すごく驚いた顔をしてスコットさんに答えた。
「たまげたな、ただの昔話だと思ってた。」
スコットさんがラウスさんに言った。
「この目で光の鍵盤も見せてもらった、間違いない。」
ラウスさんが、納得したようでスコットさんに答えた。
「そうか話は分かった、村長は明日には戻るはずだ。だがもう夜もふけてきた。村の皆に伝えるのも明日の方がいいだろう。それで勇者様にはどこに泊まってもらうんだ?この村には宿屋は無いからな。」
スコットさんがラウスさんに答えた。
「ああそれなら今晩は我が家に泊まってもらおうと思ってる。」
今晩はスコットさんの家に泊めてもらうことになった。
ベッドを借りて横になったらそのまま深い眠りに落ちていった。